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SS 陽菜
「で、パパはどっちだと思ってたの?」
って、額縁に入った達筆な文字で陽菜って名前を私はみた。
最近では有名百貨店とかで有料なんだって。その辺はなんだか神城のじぃじがこだわってたらしい。
まあ、村上のじぃじはあんまり気にしなそうだけど。
ママはクスクス笑いながら、今日もうし様相手に笑う下の子、
真菜をみて苦笑する。
いわずとしれた、「真」だけど。私にはどう見ても神城家の名前ばかりだけど。
「漢字だけ考えたみたい。呼び方書いてびっくりみたいな?」
「パパらしいけど、真菜の時はママはよかったの?」
「だって、イケメン先輩も真央もわるのりして、娘に真春ってつけたよ?春生まれじゃないくせに」
あっちの家にも問題ありだった。
ただママがちょっと心配な顔した。
「いまの名前きらい?ひな?」
「真菜は大好き!」
って声がきょうもげんきだ、し、
ー私は黙ってアイスティーのんだんだ。
パパにしては?
かな?
って、ママみたいに笑ってた。