SS 流行り
今年は流行りに流行りだ。
インフルエンザとコロナの大バーゲン。
久しぶりに大病院がひっそりとしている。僕は僕の宝物を真央の手からうけとる。
血液検査で少しないて、そのあと真央からミルクをもらい、おむつをかえて、ついでに汗をかいは服を着替えた。
いまは男性用トイレにもオムツ替えあるし、みんなのトイレあるし。
男の僕でも外で世話できるようになってきた。少しずつだけど、田舎も変わってく。
以前は、おとこがやるもんじゃない。だんにやらせるなんて。
なんて、日常的に漫画とかでなく、当たり前にあった世界が、やっぱり変わっていくんだろう。
けど、まあ、それで子供が真央よりも僕に懐いてるかは,べつだし。
「先輩の手がごわごわだからだよ?」
って、真央はあきれる。むずがる僕らの宝物は少しだけ発達がゆっくりだ。
身体もほっそりしてる。ミルクも吐き戻しが多かったり、だけど、少しずつゆっくり、その発達のギリギリをついていってる。
「やっぱり、療育手帳とかはこの子はだせないって。希望するなら、療育は受けれるけど」
「うん、療育調べてみよう」
ちいさな地方都市では、地域財政が限られてる。のぞみ以上をなら、有償でどこか民間を探すんだろうけど。
とりあえず一歳になったら、医師の経験にもとずき、とりあえず大きなズレをなおそう。
そう話された。
できるだけ両方の目でみるように、弱視にならないよう、できるだけの処置はしていくけど、
ーいまの医学では解決できない。
そのいわれた。発達についても未知だと。
そう言われた日から真央は少しうなだれていた。
ーいちばん,やっかいじゃない?
そう言って項垂れていた。
項垂れたあと、
「私は生きてるのかな?」
ぼつん、ってつぶやいた。
気づいたら、僕は真央のちいさな頭をなでていた。
「だいじょうぶだよ?真央。僕がパパだ。この子のパパは、僕だぞ?」
…きみがきみを信じられないなら、君が信じてる僕がきみを信じるさ?
そう言ったら、
「くさいです、先輩。森にいつ帰ったんですか?」
「檜はダメだった?」
また、入浴剤を探さなきゃ。
ぼくらの宝物は、僕がお風呂担当、というわけではないけど。
後輩は一生懸命に沐浴について調べてた。