SS あーあ。
「きた!」
春馬くんが、インターホンでその宅配業者に歓喜してた。
たまたまパーツが足りなくて、どう考えても、パーツ数がおかしい。まあ、そういう事もあるだろうし?
って、けど基本的に子供達が繰り返し、遊ぶものだし、長く使えるように工夫してますし、子供達が遊ぶなら壊れやすいから、パーツについて日本は無料です。
と言われて、さすが国民幸福度が高い国だよなあ。子供達があそぶし、長くたのしんで欲しいから。だし、いやお金払っていいから、はやくくれ?値段によるけど。
らしい。
すごい世界だよなあ。
って、素直に感心したけど。
たしかに子供達はよく壊すけど、楽しくて、憧れて、不思議で仕方なくて、それが、ただ作り、何回も分解もできて、何度でも繰り返したり、違う形で遊べる。
そういう世界が進化して、大人でも遊べて、学べて、けどただすごいし?
なによりも、道具が要らない。ヤスリもワックスもいらない。ウッドパズルを平面から、立体へ。
ギアを平面図から、立体図へも楽しかったけど、
ー楽しすぎて、食あたりしたみたいな症状がでたけど。
正直、あれが楽しかったのか、春馬くんを見てたら、わからないけど。
ーできた!
って笑うし、無邪気にあそぶ空ちゃんを眺めてたけど。
春馬くんが極端な集中力があるは、知ってたけど。真央も?ただ真央は受け流す方法を療育システムで学んだみたい。
自衛手段に似てるかな?そもそも避けるを覚えてくんだ。
うっかり興味をひかれたら、日常生活できないほど、遊んでしまう。睡眠も食事も飲みものもすべて、いらない、に、なる。
必要性を感じなくなる。ただ一個だけになる。ただそれだけでは、人間は生きていけない。
持って三日目くらいから、集中力はおちていく。一週間したら、頭がふらふらになる。
だから、一週間以内に限定する。自分に課題する。ブレーキかからない時は、時間設定する。
それがマイワークとして、管理できるまで。徹底的に遊び倒すけど。
人からもらったし、その人に返さないといけない、ってブレーキがそもそもかかってた。
そうイケカマ係長に完成させてと言われた大人用ブロックに春馬くんは、したがってた。
ーだって釣りに行かないし、ウッドパズルは接着剤を知ったし、知ったから、なんか緊張感ぬけたし?らしい。
あのバキッ?を、春馬くんは、接着剤が便利だと思ったらしい。
たんにあちらは、予備パーツ無くなったら、手に入れられないからだ。
けど、あきらめないで、いいらしい?楽しいし?けど難易度は若干落ちた。接着剤は便利だよなあ?ってぼやいてる。
ね?
春馬くん。
私はよかれと思って、べんりだからさ?接着剤を提案したんだよ?
まさかの、
「ーげっ⁈マジか?俺⁈そっち行くなよ⁈」
ガッカリした顔になってた。まだ最難易度残ってるのに。
ー接着剤があるし?
けど、平面はなんとか?けど、じゃあ、線から?
…せん⁈
ってなに⁈ってひとりでぶつぶつ?だけど、その前にイケカマ係長さんが外国土産に旦那様からプレゼントされたらしい遊びものを春馬くんに提案?してくれたらしい。
イケカマ係長さんより、仕事ができて、あの福岡支社を束ねる存在のひとりだから、イケメン先輩や優菜から、
ー春馬くんや真央を、いちばん効率がいい使い方してる。
らしい。
ね?
春馬くん。
春馬くんも真央も、なんの部品扱いなの?
とは、思いつつ、いちばんわかりやすいよね?とは、思ったんだ。
イケメン先輩は、上にたつんだろう。束ねていく人だろう。
形を形にできる人。
そうたまに真央も認めてる。そして、
ーだけどね、明日菜?
って真央は言うんだ。
「うちの職人さんたちが、なあお嬢?俺たちに、じゃあ、若ほどの経営者としての才能があるかは、べつだって言うんだ。私は少しパパが苦手だったんだけど。まあ、いまはパパの愛情もわかるんだけどね」
その言葉の意味が、私には、わからなかったんだ。
ー明日菜がキッカケくれたんだよ?
っていいながら、
ー内緒だよ?
って笑う。ただそこに春馬くんもいた、らしいし、春馬くんも話をそらすし、イケメン先輩も知らないらしい。
というか、知らないふりしてるみたいかなあ。
ー知りたいなら、義母さんにきいたら?俺も真央の身内経由だし?
って笑うけど。本人たちには、きみには知られたくないかも?
って、
ね?
春馬くん。
イケメン先輩はたしかに、上にたつ人だよね?
すごいんだよ?イケメン先輩って。
って優菜が笑う。優菜のお兄さんの扱い方もうまいらしい。
…せっかくなら、有効的に使ったらいい。素直に部品で、遊び倒すから。
ひたすらに、遊ぶから。
わりと地位や名誉関係なく、遊び倒すから。
その世界を守ってくれるうちは、こっちから攻撃しないし、平和だから。
らしい。
ただ、村上くんに出世欲ないから、どうかなあ?
って優菜が笑う。笑いながら、明日菜には関係ないかあ、って笑う。
パーツでいいって真央も笑う。笑いながら、
…うちのゴリラ、絶滅危惧種なんだよね。
西日本の動物園にはいなくなってる。たしかに、そうだとわかるよ?
いずれ死に絶える世界に、人間が絡むのは傲慢だよね?
斜視が生まれつきひどくて、手術前の写真に、この子は時代が時代なら、
ー見せ物だったのかなあ?
ってふと思うし。外国人をはじめてみたら、なんて動物?ってならないの?って空ちゃんが不思議がってた。
言葉が違うし?鳴き声が違うし?けど、人間がいちばん人間だとわかるのは、
ー喜怒哀楽。
はっきりわかるから、人間なら、
…まあ、機械みたいに無感情って言われるのもわかりはするんだ。
って真央は肩をすくめた。最近の真央は、なんか違うけど。
うちのゴリラは、すごいからさ?
って真央は笑うんだ。けど、真央は結婚するまでイケメン先輩の素性を知らなかったらしいし、知ったいまでも、
ーゴリラ。
で、まあ、経営者とパーツは違うだけ理解した過去があるんだ。
パパをパパとして、真央が理解した日らしい。
「村上も?だけどさ、明日菜には内緒だよ?」
って笑う。
「明日菜とであえたから、わかったんだよ?ありがとう」
って真央は笑うけど。
「…気持ちはなんとなくわかるけど、明日菜、顔が怖いよ?」
優菜が若干、ひきつったら、
「明日菜は、ほんとうに短気だよね?」
「だから、それを言うのは、真央と春馬くんだけだよ⁈」
「ほら、短気だ」
「真央⁈」
「…明日菜が反応するからじゃない?」
「わかってるけど、嫌なの!」
正直、なんでふたりにイライラするのかは、わかるけど。
あの凍てついた冬の屋上の私をふたりは見つけたんだ。
そして、あの場所から、
ー逃げなよ?
自分たちはそこにいたくせに、ただ私には、
ー逃げなよ?
ー逃げれないなら、逃がすよ?
俺と柴原が逃すんだ。
明日菜は悪くないから?
誰よりも傷ついてるくせに、誰よりも、優しいから。
ー他人は自分と違う考え方をして、それが、当たり前じゃない世界。
絶対的な自己中心性。
は、自分たちにもわかるんだよ?
って真央は笑いながら、だけどね?
ーうまく扱い方さえ間違えなきゃ、パーツだよ?
って笑う。
し、イケメン先輩も,私も、きっとイケカマ係長もさ?
ね?
真央。
パーツだけど、知ってる?
ネジ一本がめちゃくちゃ大変で、その一本をさがしまり、完成品には接着剤でいくけど、よくわからないからさ?
ー通電できない。
キラキラも音もためらう。
って春馬くんはウッドパズルを前に首を傾げたけど。
ー春馬お兄ちゃん!楽しい!
ぎゃくにキラキラや音なれした空ちゃんには新鮮だったらしい。
ね?
春馬くん。
ーすごく変わりゆく時代にさ。
「げ?パーツ足りなくね?マジか。しかも、説明書読めなくなってる。マジか?俺…」
いちから作り直しやだ。
ってぼやいてる。
仕方ないから1ページ目に遡ってくらしいけど。
2冊に分かれた説明書は、一冊320ページ。
ーいやだ!
けど。
せっかく目の前にある、
分解できて、フリーな遊び物。
道具一切いらないし?
バキッはないし?ただ、パキッ!はある。
たんに組み込みがうまくいった音。
相変わらず、うちの旦那さまは、
ー繰り返し遊んでく。
ひたすら繰り返してるけど。
イケメン先輩も、イケカマ係長の旦那さんも、完成品を完成品でさらに発展してく。
は、わかるんだ。
まあ、どっちにしろ、へんな会社だね?
って優菜が笑った。
えっ?
ふつうにやだ!
って真央も苦笑いしながら、けど、また違う遊び方できるね?
って楽しみもあるらしい。
ただ、真央も春馬くんも何をしたんだろ?
とは、不思議じゃあるんだ。




