父親 一年生
俺は不思議な気分で、明日菜と最近歩き出した我が子をみつめる。
のんびり、うたた寝する子は、俺によく似た茶色の瞳だけど、顔立ちは明日菜によく似てる。
性格も俺よりは明日菜かなあ?
まるで、母子手帳みたいな発達をしていく。
生まれからずーっとワクチンや検診や突発性発疹やら、一個ずつを明日菜と一緒にハラハラしながら、今日がはじめてのバースデーだ。
まあ、あの日がお誕生日だろうけど。分刻みでもう記憶しちまう時間と身長、グラム。
ひたすら小児科を受診するたびに出生時の記録はいるし、母子手帳はかかせないけど。
ひたすらに増えてく、重なるページの分だけ、
ー明日菜が大人になっていく。
雰囲気がガラッと変わってきた。
いまの俺はすんなり妻の明日菜と娘がいる。そう地面に足がついてる。
少しずつだけど、いつか一尉みたいになれるだろたうか?
まだまだ一尉は、凛ちゃんが目が離せない年だけど。空ちゃんは新しい命を大歓迎してくれて、いまやすっかり頼れるお姉ちゃん化してきたけど。
俺が明日菜に頼まれて買ってきたケーキとプレゼントを手に、帰宅したら、明日菜はベビーサークルの中でうとうとしていた。
もう少ししたら、ベビーサークルもいろいろな工夫いるかあ。
柴原んとこは入院することがおおく、ただ成長とともに病院の子供用のベッド柵をよじ登りはじめて、悩みどころになったらしいけど。
元気な証なんだけどね、って苦笑いするけど。
ー私の子だしね、覚悟はしてたよ?
って笑ってるけど、泣いただろうなあ。
明日菜をそばでみて、俺はちっとも成長できてなくて、たまに明日菜に泣かれたりするけど。つい夢中になってしまう癖は消えないし。
いちおうオムツや着替えやミルク、風呂とかいれつるけど、じゃあぐずる時に、明日菜にかなうかっていわれたら、なんか違う。
やっぱり明日菜がいちばんに気づくし、なんか違うけど。
そこは仕方ないよなあ?
って思うけどさ。イケメン先輩が言うには、
ー母親はやっぱり違うんだ。
って医師から言われた時、わりと、やっぱりお腹にいた期間分、なんか違うんだろうって思うけど。
柴原はなぜ私だけ⁈って怒ってたらしい。
そんな柴原もだんだん落ち着いてきたらしいけど。
夜泣きもまだあり、明日菜は離乳食とかで頭がまだまだいっぱいみたいだけど、
ーめちゃくちゃ、幸せだよなあ。
ぐっすり眠る愛しい妻と娘に、さあて、なんのプレゼントをしようかな?
働いて、とりあえず稼いで、
ー働いて?
くらいしか思い浮かばない。なにせ俺は常にあそんでるしなあ。
明日菜の方が稼ぎがいいから、明日菜はプレゼントをあまりねだらないしなあ。
とりあえず、ただ眠る明日菜たちの邪魔しないように、うがい手洗いかな?
だ。