SS レンコン
蓮根といえば、イケメン先輩?
池 蓮。
俺の大尊敬する偉大な、柴原にいわせると、
ージャングルの王者。
せっかくだから、正月だし?
俺は明日菜や轟木家では、だれも手をつけてくれなかった、お正月に欠かせない縁起物。
蓮根を差し入れにする事にした。
仕事初めには、ちょうどいい。
先の見通しがいいのと、種が多いから子孫繁栄、仏教的には極楽浄土に蓮があるから、とにかく縁起物だし、むかし病弱なお殿様に、栄養つけて欲しいからできた?からし蓮根。
ー味変たいせつなのは、むかしからか?
って思いつつ、昼時に、俺は持参したタッパーの蓋をあける。
とたんに課内に漂うつーんとした刺激臭。
「ーはい、先輩。お世話になってるお礼です」
俺が差し出すと、
「あっ、私は授乳中だから、パスね。先輩は哺乳瓶だから、いくらでもどうぞ」
って柴原が言いながら、机の引き出しから、胃薬を数種類とりだした。
「ほかのチャレンジャーは?」
「アタシも食べようかしら?」
「ダメだよ?ハニー⁈」
「ぼく緑がいいかな?」
「刺身醤油いる?お兄ちゃん?」
「と言うか、辛子がきいろ、碧がわさび、じゃあ、この赤は?」
「梅肉」
「…信号器、えらいまともに作ったね?」
「鼻がつまったからさ?スッキリしようと、刺激物ばかりたべたら、梅わりといけたよ?」
「じゃあ、アタシは梅ね。あら意外といけるわね?」
「わさびは鼻にきますね、やっぱり」
「大丈夫?お兄ちゃん?はい水」
「じゃあ、僕はからし蓮根をー」
イケメン先輩がバクリと大きな口で、ひと口でいった。
…イケカマ係長も鈴木兄もちょっとだけ、カジってたのに。
さすがジャングルの王者は、
「うん、ふつうに美味しいね?」
「えっ?ほんとうに?味見させて?あら、ダーリン、美味しいわよ?」
「あっ、ほんとうだ」
「えっ?そうなんですか?じゃあ、私もー、ん?真央ちゃん?」
鈴木さんが手を伸ばそうとしたら、柴原がその手を掴んで、首を左右に振った瞬間、
俺の課内には、
ーみんなが悶えて涙していた。
「涙もろい会社だよな?というか、みんな鼻詰まりか?」
「どうやったら、毎回、時間差なのよ?」
「…ありがとう真央ちゃん」
ひきつりながら、鈴木さんが柴原にお礼を言うけど、
なぜに?
ただみんな鼻詰まりは解消したんじゃね?