SS ビーバー
「はい、あげる時には気をつけてわたすんだよ?噛みつくマークの動物や、眠ってたりするなら、起こさないようにな?優しくだよ?」
俺は200円をボックスにいれ、かわりに野菜が入った紙コップを手に取る。
中身は、キャベツににんじん。
…ほとんどキャベツか?
福岡都市圏、郊外にある大型のショッピング施設というか、いろんな店があつまる場所。
ふたつのエリアがあり、海外のスーパーコスト◯がある。
その店内で軍曹と萌ちゃん、凛ちゃんが買い物していて、元気な空ちゃんと、人混みが苦手な俺は、となりのエリアにあるふれあいミニ動物園にいた。
明日菜と一尉は、仕事だ。ドライバーに昼飯に釣られ駆り出される俺。
たしかに芝刈り機もガソリンか軽油?いや,最近カセットボンベで耕運機のCM見たような?
あれ、べんりそうだよなあ。くわで耕すのて、みてたら簡単だけど、やり慣れないと、
ー腰が。
コスト◯に売ってるものに興味はあったけど、人混みが…。
「ありがとう!春馬お兄ちゃん」
「知らない人から、ものをもらっちゃダメだぞ?」
「春馬お兄ちゃん、空になにかしたら社会的にも、存在的にも、滅殺されるよ?というか、明日菜お姉ちゃんいる時点で、しないじゃん」
ーくだらないこといわないで、ちょうだい?
って、首を傾げて両手差し出す空ちゃんマジでかわいい!
なあなあ!おれのお隣さんちの娘さん、めちゃくちゃ可愛くね!?
「はい、どうぞ」
素直に渡したら、
「…なんで地面に片膝だちなの?春馬お兄ちゃん、うさぎの糞が近くにあるよ?」
紙コップをうけとりながら、冷静に言われたおれだが、
「今日はウェストポーチにスマホは、いれてるから、水没ないな」
「犬のおしっこに水没は、春馬お兄ちゃんだけだよ?まあ、いいや、空隊員は、いってきます!」
待ちきれないようすで、俺をスルーして、まずなぜか、どこでも大抵の場合いる、
ーヤギにエサやりにいって、案の定、
「春馬お兄ちゃん、すぐなくなった!もう一個」
コストコに比べたら、たぶん些細な出費だろうけど、
「ヤギは、エサが余ってからな?」
いちばん食欲旺盛だし?他に可愛いのたくさんいるし?
なにより、さっきから、ずーっと目の端を枝を必死に噛み切り、運ぶわりとでかい茶色の尾がオールの先っぽみたいな生き物がいるけど。
こんなとこで、お目見えするとは、
ービーバー。
ガリガリ丸太をかじったり、飼育員さんににんじんねだって、今日に手でつかんで、
ーガリガリ。
ひたすらガリガリ。
巣作り中か?
まあ、いいや。その光景から目を逸らして、園内(狭いから目で追える)、空いていた木のベンチに腰掛けた。
腰掛ける時に、竹でなんか補修してあるような?
くらいにしか思わなかったけど、
ゴトン!ガリガリ!ミシミシ⁈
背後からただよう獣臭⁈
慌てて立ち上がって後ろをみたら、ビーバーがすごい力技で、
ベンチを破壊していた。
草とりがてら、ヤギのレンタルあるなら、木をきるビーバーあるのかなあ?
すごい力だ。なぜに座ってるベンチで真後ろだよ。
他にベンチあるじゃん⁈
とりあえず無事な俺のしり。