SS 明日菜休憩時 春馬サイド
明日菜が俺との連絡たった。
というよりも、ほんとうに、俺の存在を明日菜の記憶から、
ーデリートした。
ほんとうに、消した、わけじゃないだろうけど、明日菜にとって、俺だけが忘れたい存在になってしまったらしい。
ー自業自得、だよなあ?
けど、忘れたい記憶が俺だけならまだよかった。
俺だけなら、まだ、俺は明日菜の特別だ。
そう思えた。あとから柴原に、
ー犯罪者の思考と紙一重って注意はうけたけど。
べつに俺は明日菜が思い出さないなら、おもいだしたくないなら、それでいい。
俺なんかより、明日菜を大事にしてくれるやつなら、俺は黙ってあきらめたさ?
ー俺以上に明日菜を愛して、笑わせてくれるなら、明日菜が幸せなら、明日菜が、ただまた笑ってくれるなら。
俺じゃなくてもよかった。
ほんとうだよ?
ほんとうにそうおもったんだ。
しあわせになるなら、できれば俺の手で幸せにしたかったけど。
明日菜が辛いなら、俺の存在が明日菜を苦しめるなら、
ーもうその小さな手をはなすよ?にどとつながないように、ただ、願うだろう。
笑って生きて欲しい。
って思ったけど、俺のまわりが俺と明日菜を見守ってくれて、明日菜が俺をまた少しずつ、ふとした瞬間に思い出してくれてるらしい。
俺は、じゃあ、時をまつ。
責めも守りもしない。ただ待つんだ?
そう思いながら、だけど、不安じゃないわけじゃないけど。
ー明日菜は安全な場所で、ゆっくり休んでる。
待つしかないし、
…俺はもっとなんか、なんかが欲しい。
明日菜を守れる強さがほしい。
けど、いまは、まつの、
ながいなあ。
って、グダッてたら、
「時間は進むけど、サボってたら、仕事増えるわよ?それとも蓮の分もまわしましょうか?」
イケカマ係長から、山のようなデータが送られてきた。
「待つのが苦手なら、とりあえず頭働かせなさい。時間はよくもわるくも、この会話ですら進むんだから!」
とりあえず、時間を潰しなさい。
ー仕事って暇つぶし?だっけか?
疑問に思いながらも、
たしかに、待つなら有効に?かなあ。
ってため息つきながら、イケメン先輩の仕事を数個まわしてもらった。