表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

460/652

春馬 帰宅


家についたら、異世界人の車が駐車場に、なかった。南九州の片田舎は、


ー歩いていける近所に、店がない。


から、車は生活必需品になっていく。歩ける範囲にないし、バスもないしな?


博多って、歩く範囲になんでもあったな。


…東京はもっとあるんだろうな。


「わん!」


俺の足音に気づいたラッシーが、裏庭に続くフェンスから、小さく吠えた。


「ただいま、ラッシー。ちょっと待ってて?」


制服だとラッシーと遊べない。毛がつくから、ガムテープがいる。コロコロ?


あのコロコロってすごいよなあ。未来にコロナでホテル療養なると、掃除機は使えないから、コロコロが大活躍する。


めちゃくちゃ、べんり。


ローラにしたってすごいよなあ。ガムテープの裏表逆?すごい発想だよな。


ーガムテープの布板みたいにならないなは、なんでだろ?


あるのか?あるんだろうな。ウッドパズルそのままパクリ能力ある国あるし?


もはや、大爆笑だし?安いなら、なんかそっちでもいい気になるよなあ。


LEGOとLEGO互換みたいに?


…買ったらダメなのか?いや、ネット売ってるし?


ー?


には、なるよなあ。楽しそうだけどな。似たようなやつを比べてみるの。


どう考えても、さほど変化ない気もするけど。


ーもはや文化か?


…文化なんだろうなあ。


時刻に正確な地下鉄に、ビックリみたいな?地下ってすごいなあ。


そういえば、ラッシーもよく土掘るよな?夏になると涼んでる。冬もなんか掘ってるし?


土の中で冬眠するくらいだし?


相変わらずどうでもいいことが、頭をグルグルするけど、鍵を開けて玄関をあける。


そういえば昔は鍵なんかしなかったってじいちゃんは、鍵をよく忘れてたよなあ。


鍵といえば、昔のからくり金庫ってすごいな?からくりっ手品みたいだよなあ。


「ただいま」


いつものように言いながらあける。兄貴と異世界人が、かならず帰ってきたら、ただいまと言うように、毎回うるさく言う。


異世界人が言うには、


ーびっくりするから、らしい。


ちなみにじいちゃんは、


ーただいま帰りました。


って言葉を待ってた、らしい。


ー帰ってこなかった人たちがいる。待って待って、じいちゃんはくたびれたよ?


ー?


優しいしわしわの手が俺を撫でてだけど、じいちゃんが入院したとき、なんとなくわかった。


俺があの日、じいちゃんが煙になった日のネズミ花火。パンってラストに刹那の光と終焉の音。


は、


いま、猿を山に追い返す爆竹の音より小さいけと。爆竹で山に追い返せるなら、それでいい。


傷つかずに山に帰ってくれよ?


ラッシーは音に敏感なのに、あの日は俺のそばにいたよなあ。


無人の居間に、とりあえず後輩用以外のお土産をとりだし、


ーあっ、学業お守りどうしょうか?


俺の手から兄貴に渡した方がいいのか?って思うけど、異世界人から頼まれないなら、買ってないし?


そのまま土産物と一緒にテーブルにおいた。起きながら、


ーポテトチップ○買わなかったな?


って少しなんとなく後悔したけど、まあ、いまさらかあ。


自分の部屋に行く前に、洗濯物を洗濯機にいれ、


ーない。


洗濯カゴに入れる。異世界人が必ず俺の衣類は、チェックする。


ーもう変な虫やも物も拾わなくなったんだけどなあ。そういえば、修学旅行でひろわれたか?


彼女に。


俺の初カノか?神城って?


首を傾げつつ、二階の自室にはいる。はやくラッシーと散歩したい。


チラッと古びたミザールが俺の視界にうつる。ミザールで神城ってみえるのか?


みてるだろな、スターだし?


月のクレーターみたいには見えないかもだけど。きっと手作りの望遠鏡ですら、神城なら輝くんだろうな。


ー東京で。


俺はなんとなくミザールから目を離し、ジャージにきがえて、そのまま裏庭にいるラッシーにあいにいった。


もちろん、鍵をかけて。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ