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SS 入学式


ママとママの親友でパパのよくわからないママとは違って大切な存在の真央おばさんが遊びにきていた。


パパが単身赴任になってから、よく遊びにきてくれるけど、


「あれ?子供達は?」


「従兄弟たちと野球観戦しに行った。今日は鷹の祭典でユニフォーム貰える日だから」


「よくいったね?」


「ああ見えて、妹のおねだりによわいし、ほら?うちの子私がいうのもなんだくさど、可愛いわりに人懐っこいからさ?なんなトラブル防止みたいな?」


「まあ、しっかりしてるもんね。朝から張り切っていろんなお菓子とか作ってたから、残念かな?」


ってママが残念そうにダイニングテーブルにならんだお菓子をみる。


朝から料理があまり上手じゃないママのサポートしながら、作った。出来上がりのクッキーやマフィンを持って、妹はお隣の轟木萌お姉ちゃんと、その彼氏さんとのデートにくっついて行った。


お邪魔じゃないか?とママが心配したら、行き先が両生類と爬虫類展で、いてくれた方が助かるって萌お姉ちゃんが苦笑いしていた。


萌お姉ちゃんと空お姉ちゃんも、パパが単身赴任になってから、私たちの家によく遊びに来てくれる。


ー春馬お兄ちゃんにたくさん遊んでもらったから。


そう優しく笑って私たちの相手をしてくれる。パパの苦手なテレビゲームで。


轟木家のおじさんやおばさん、上の階のおばさんとか、たくさん妹に声をかけてくれる。


ママが東京でのお仕事は、ついて行く日もあれば、轟木家や池家にお世話になる。


たまにパパの会社の変な係長さんの家にもいく。美人さんだけど、なかなか変なんだ。


妹みては、爆笑してる。


ーさすが村上の子ね!


ーママの子だよ!パパの子はいやだ!


ってよくわからないまま、妹は言ってる。


だから、


ーいまのは、パパの子だけじゃないって意味だよ?ママの子だってママを庇ってたんだよ?


落ち込んでるパパにママがフォローしていた。妹はよくわからない言い回しをする。


それでも人懐っこいから、あまり困り感はないらしい。みてるまわりは、ヒヤヒヤだけど。


ーおまえの妹って、いつも笑ってるな?


ってあの子はあきれてる。あの子の妹と似たようなタイプだからかも?


あの子の好きなジンジャークッキーをうまくできたのに。


…妹が作ったパパゆずりのレインボーは、萌お姉ちゃんの彼氏さん行きだ。


あのお兄ちゃんは無口だけど、萌お姉ちゃんと同じで、妹にあまいし、なにより、


ーまあ?萌ちゃんが食べないなら?


ってママはラッパのマークを妹に渡していたし?私のジンジャークッキーは、ママがラッピングしてくれた。


ラッピングには、なんだか私は興味が出なかったし、ママの方がうまい。


「美味しくできたね?うちの和菓子屋継いでくれない?田舎は人手不足でさあ?」


って真央おばさんが笑う。真央おばさんの場合、本気か冗談かよくわからない事が多いし、


「おじいちゃん、おばあちゃん好きだけど、退屈だから、嫌だよ?」


だって遊ぶところないし、買い物も不便だし。従兄弟はやんちゃな年下で、妹は虫取りとか遊ぶけど、私はあんまり時間をつぷせない。


真央おばさんも一緒に里帰りするときは、あの子が和菓子屋さんの職人さんをじっとみてるから、ついていくけど。


不思議な色や感触や変化にびっくりするけど。人は好きだけど、たまにママについていく東京の方が私は楽しい。


ママの事務所の社長がモデルしないか?って言うけど、ママが断ってくれてる。


私の意思ならいいとも言われるけど、ただでさえ、学校違うのに、あの子とはなれるのは嫌だって思う。


「ママとは違って、真央おばさんはずーっとパパと一緒の学校だったんだよね?噂にもなったってきいたけど?というか、あんなにパパに好かれてるのに、どうして友達なの?」


私が質問したら、ママが苦笑した。


「私も不思議なんだよね。春馬くん、真央のこと大好きだし?国宝とかいうしね?」


「明日菜、短気だから嫉妬ばかりだよね?」


「彼女としては、当然の反応だよ?だって、高校とか真央が春馬くんの公認彼女だったってきいたし?」


「ああ、生徒会長から?」


あの人、わりとおしゃべりだからなあ。


って真央おばさんが、苦笑する。


「だって、春馬くんがそう宣言したって言ってるよ?」


ママがすねたように言う。


「パパは一回も柴原を俺の彼女って言ったことない!って言ってたよ?」


私がびっくりしたら、真央おばさんが肩をすくめた。


「高校の入学式でね、おばさん新入生代表の挨拶するこになってね?」


「さすがだよね?真央」


あの子もおばさんも頭がいい。というか、不思議な考え方をするけど。


おじさんも頭いいけど、パパや真央おばさんとはなんか違う。妹も算数を不思議な解き方するけど。妹は成績悪いけど、パパはあんまり気にしてないみたい。


私はコツコツ真面目にやるけど、あの子に追いつける気がまったくしない。どんなに頑張っても、あの子のみてる視界に入れないんじゃないか?


そう思ってしまう時がある。


真央おばさんは、パパと似た雰囲気があるのに、パパはママ一筋だ。


ママはたしかに特別だとは、思うけど。その特別がパパを動かすとも思えないけど。


「私がであった村上は、もう明日菜を知ってた村上だからね?そりゃあ、私を私としか、村上はとらえないけどさ?村上らしいっていうか」


真央おばさんが笑う。まったく悪気なく。


「あの新入生代表の挨拶で、みんなが私が村上の彼女だって勘違いしたよね?ごめんね?明日菜。新入生代表になったからさ?」


「真央がすごいのは、わかるし、春馬くんらしいけど」


ママが不満そうに口にする。


「新入生代表の挨拶が終わったとたん、拍手するまでは、わかるけどさ?」


ーさすが柴原!俺の自慢の彼女!


って叫ぶってなに?


ってママが顔をしかめて言って、


私は納得した。


「ー俺の自慢の彼女(ママ)の友達!だったんでしょ?たまに、パパ、言葉をはぶくよね?」


「と言うか、アイツが俺の彼女のー、って言ったあと、大騒ぎで消えちゃって声が。アイツわりと新入生の間でカッコいい子がいるってなってたみたいで。合格発表のときには、もうわりと目立つようになってたんだ」


「春馬くん、野球部やめてから、背が伸びて髪も伸びたもんね。少し癖っ毛だし、茶色で全体的に色素うすいから、やわらかい優しい雰囲気あるもんね」


「おまけに明日菜と毎日話してるから、女子との会話ふつうにできるしね?そりゃあ、モテるよ?明日菜は私に感謝しなよ?しばらく彼女のフリしてたから」


「そこは訂正してよ!」


「わりと肉食系いるけど訂正してよかった?」


「…それも、もっと嫌だけど」


ママは不満そうに、真央おばさんに、


ーすねていた。


相変わらずママはパパに恋してる、らしい。


「まあ、アイツはずーっと、俺の彼女は神城明日菜!って自己紹介から言ってだけどね」


「だから、私が元カノって噂にもならなかったんだよね」


「感謝しなよ?いろんな意味で?」


「それでも、私が春馬くんの彼女だよ?」


「本人が帰ってきたら言いなさい。いつまでもバカップルなんだから」


って真央おばさんがあきれ笑ってた。そして、私に片目をとじて、やれやれって顔をする。


私は肩をすくめた。


きっとずーっと続く話なんだね?


高校の卒業アルバムには、入学式があるから。


ずーっとママは、ヤキモチやいてる、らしい。


私もついクスクス笑って、


「いいなあ、同じ学校」


って、ついつぶやいてしまった。


あの子の学校は、男子校なんだ。




ネトコン第一通過しました!ありがとうございます!

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