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SS 初恋、ウシ様タイム


ーママの腕時計がピピってなる。


どうじに、


ーウシ様も時間を教えくれる。


にゃあにゃあなく回数で、教えてくれるときもあれば、


ーゲコゲコやヴモォーもある。


いろんなパターンでなく。けど、ママの腕時計はビビってなる。


「その時計、ママ大好きだよね?」


いちばん最初にママが買ってたモデルは、いまだにプレミア価格らしい。


パパも空色の腕時計をいつもしてる。大切に使ってる。


二人で楽しそうに笑ってる写真に、いつもある。


空色の腕時計、だけど。


「あっ!ウシ様タイムだ!」


妹がよろこんで、玄関にあるウシ様を見にいく。わが家のお守りカエル?


ーウシ様。


むかし、パパとママが萌お姉ちゃんのボーイフレンドからもらったらしい。


時々、萌お姉ちゃんのボーイフレンドがメンテナンスにきてくれて、なぜかパパが不機嫌になる。


パパより無口だけど、妹と気が合う奇妙なお友だちだ。


妹の初恋かもしれないけど、


ー萌お姉ちゃんの彼氏さんだ。


妹は、


ーウシ様の神様ってよぶ。


…うちの妹は、私と逆で黒髪に黒い瞳で、ニコニコしてて、


ーわりとおバカな思考をしてる。


パパにそっくりで、


「時計好きだよね?それともウシ様が好きなのかなあ?」


って、ママが苦笑いしてる。妹の夢は、


ースリナム切手をいつかみたい!


らしい。


パパが大慌てしていた。


スリナムはカエルの楽園らしい。


見たことないすごいカエルがいるらしい。


ーあんなカエルで釣れる魚ってナニ⁈


って首を傾げていたけど、あの大きさなら魚どころか、ネズミとか食べちゃいそうな?


パパが嫌そうな顔しながら、いつもへんな生物の動画をみてる。


ママと私は遠目に見てるけど。


「…あの子、将来、春馬くんみたいに海外に行っちゃうのかなあ?」


ってさびしそうに、ママがつぶやく。


「日本にもたくさんカエルいるから、大丈夫じゃない?それに、たぶん、どこでも生きていきそうだよ?」


「まあ、たしかに?笑ってそうだね」


ってお母さんが苦笑してる。海外にいて不便そうなのに、不便さを楽しんでるらしい。


そして、いつも笑って楽しそうにしてる。


ー明日菜がいるなら、俺は無敵じゃないからな?


って言う。


ふつう逆なような?


ー守りたいから、臆病になるし、強くなりたい、って思うだろ?誰より弱いって情け無く思うさ?俺だって、だから、明日菜と生きていける。


って言う。


ーおじさん、相変わらず変わってるね?


ってあの子は言いながら、そういう考えかたもあるの?って、パパの言葉を考えてる。


いつもは無表情なその端正な顔立ちが、ふと興味深そうにパパをみる。


そして、いつも、じゃれつく、妹たちに、


ーいい加減にしろよ?


って言いながら、けど、妹の質問にいちいち調べて、たくさんこたえてる。


ーなんで僕がやるの?


って言いながら、相手してる。無表情だけど、面倒見はいい。


「どうやって、ママはパパの視界に入れたの?」


ママは目立つけど、目立つだけじゃ、パパには興味がでないはず?


ママはクスクス笑った。


「それはパパとママの内緒だよ?」


って、ウィンクするけど、


「いつだって、ママをパパが守ってくれたんだよ?」


って笑う腕に、空色の腕時計が時を刻むんだ。


そして、


「あっ!ウシ様、パパ何時?」


って妹が言って、


なぜか、カジカメロディーでこたえるウシ様だ。


「ーいつまでウシ様バージョンなんだろ?萌ちゃんの彼氏くんにバージョンアップ頼んでるらしいけど、いいの?ママは?」


「あの子のお気に入りだから、いいんじゃない?初恋と失恋だしね?本人気づいてないけど」


「ママは初恋って叶うと思う?」


「ママはかなったよ?」


って、笑った。


たくさんの奇跡が重なって、


「いま、幸せだよ?」


って、笑うママはやっぱり、今日も可愛い。


自慢のママだ。


「あっ!ウシ様がパパになった!」


って、声がひびいた。


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