2日目 真央 ②
ー予想以上にしつこい。
素直にめんどくさい。
私は赤木たちと、班の女子から明日菜を守るのに、
ー予想外に疲弊していた。
正解には違う。予想はしていたけど、私の存在どうなの?赤木?って思うくらい、
ーウザい。
まあ、失敗したのは、私だけど。
赤木と、経験、に関しては、べつにどうでもいい。少女漫画やネットなら、もうふつうなはずだし?
それを大人が監視してスルーなら、ふつうに、それでいいはずだ。
だから、べつに特別な体験とも思わない。だって大人たちがそう決めたんだ。
だから、私は疑問には感じない。妊娠なんか簡単にしないし、コンドームつけたら、わりとOKなんでしょ?
自分が少数派に入る確率なんか、少ないし?なにより大人がいいって言う漫画や小説だ。
だから、特別でもない。赤木は私の好奇心でしかない。ただの興味だ。
あんまり夢中になれる気もしないけど。赤木がちょうどよかった。
たくさん体験したら、わかるんでしょ?あのよさを。だって、大人がそう言うんだ。
ー私を導いてく世界だ。
私は、イチャイチャしながら、冷めた目で、赤木をみていた。私には、恋やら愛なんか、無縁だ。
私はパパを、一生、許さない。
私が誰かを好きになるなんて、あるのかなあ?
ーもしも、村上を赤木より先に知ってたら?
は、ないなあ。アイツも他人に、興味なさそうだ。
ー他人は当たり前に自分と違う人格者。
だから、不思議でしかない。
…ふつう、ってなに?
なんで、みんな、同じだと言うんだろ?
って思うけど、
ー黙って、大人の言うことをききなさい、って、パパは言う。
俺は九州男児だ、って、パパは言う。
ー私は、一生ママをいじめたパパを許さない。
けど、そう言うパパや、大人が正しいなら、私は経験を後悔はしない。だって世の中、そうなんだよね?
だから、好きでもないけど、赤木は、ちょうどいいバカだった。
村上には私の気持ちがバレてるけど。まあ、いいや。アイツは私側だ。
明日菜には、たぶん、私みたいなヤツもいるんだよ?そう仕掛ける。
ー私は違うけど。そういう優しい世界を知ってほしいんだ。明日菜には。
とは、言うものの、
ーちょっとは、彼女を思い出せ⁈
ってくらいに忙しい。救いは村上が一人は捕獲してる。黄原くんを確保。
まあ、彼は無害だけど、いまは、ひとり減るだけでありがたい。
ー福岡って、なんで、こんなに人多いのよ?
カシャカシャ耳障りだ。明日菜を隠そうとしても、私の身体はひとつしかない。
村上はー。
ーそりゃあ、そうだよね?
アイツにも、チラチラと背後に視線を、無意識だろうけど、見る明日菜にも、未来は、残酷だ。
明日菜は知らないけど、たぶん、私と村上なら、やれる。
私だけなら、ためらってたけど、村上がいる。
ー二人でも、同調ってすごくて、お互いにひいてる。
正直、私たちは、群れないから、正解?かなあ。
素直に、
ーひく。
マイナスとマイナスはプラスだくど、ひくとひく、はひくんだ。
って思う。なんかが欠けてるは、私たちにもわかってる。
私以上の頭脳の子たちは、たぶん、めんどくさいから言葉を話さない。たんに会話はノイズだろう。
話せないわけじゃない、と療育のお友達と遊んで思った。
意思疎通はふつうにできる、けど、
ーふつうの基準は、違うらしい。
わからない。けど、あの時、一方的に俺は男だ、子育てはお前だ!専業主婦だろ?
って言うパパを一生私は許せない。だって、
ーパパの子じゃないんだね?
誤解さえした。
ーさすが俺の子だ!
私の成績に喜ぶけど、
ー都合よくパパの子?
疑問しかない。
ーいらない記憶を思い出してつかれていたら、村上が助け舟をだしてくれて、ホッとした。




