第19話
ーどうやって、消化すれば、いい?
俺は、優しく、けど、少し哀しそうに、
ーイヤだよ?
そう言った明日菜を、たださ?
ーきれいだな?
マジでそうおもう。
俺が守りたい、そう思って、いや、俺だけじゃない、たくさんの人たちが、東京で、まだ義務教育の明日菜を助けて、導いてくれたんだ。
そこには、ほんとうに、
ーちゃんと、黙って見守ってくれる存在がいる。
明日菜には、加納さんや、寮母さんがいた。
それは、さ?
ーパパとママの苦しみも、見てる人がいる。
けど、
ー我が子を想うから、
まわりがみんな、敵に見える。
は、親だって同じだよ?
ただ、立ち止まってたら、
ー自分が折れたら終わりだ。
そう思ってしまうなら、期限を少しだけ、自分に許してあげたら、いいけど、むりなんだ。
情報過多に疲れてるのは、親も同じなんだ。
たくさん、本当に手段はあるんだ。
ー親子再生プログラム。
ただ、あまりにたくさんの情報が目に入りすぎたら、
ーわからなくなる。
ふつうに、わからない。
たくさんのプログラムは、けど、個性があるから、すべての欠片がきれいな形状をしてない。
それなら、あたりまえに、
ーちがう宝物になる。
けど、働かないと生きていけないし、守れない。
けどさ?
少しだけ、立ち止まって、ほんとうに、信号待ちでもいい。
ふと立ち止まって、見える景色は、平地とは違いかもしれない。
ーなんで脊振山脈は、今日も、雪景色なんだ?
そりゃあ、毎年のようにクマ騒ぎおきるよなあ。
まあ、熊が必ず冬眠するとは、限らないし?
いたら、いたで、大発見だしなあ。
明日菜がいる東京の新しいシンボルなら、人工物か?
遠くにみえるらしい富士山は、俺はピンとこないから、九州だとふつうに遠すぎて、近くの山をみてしまう。
ー糸島富士をみたね?
ーどの山⁈
俺は、適当に話あわせると笑ってくれる。
ふつうに、ありえない世界に、あわせていくリアルがある。
し、東京ならスカイツリーなんだろうなあ。
分光器の中身みたいな東京のシンボルで、空ちゃんが、ただの白い安物の紙コップに、ミネラルウォーターをいれて、
ーなにをするんだろ?
不思議にみてたら、ドヤ顔で、
ー春馬兄ちゃんみて?ライトで中を照らすと光違うけど、同じ量だよ⁈
スマホのライトで紙コップてらしても、変わんなくね?
ー違うよ、こっちだよ?紙コップが影絵みたいなんだよ?
そっち⁈
しかも、明らかに、
ー水の量がちがくね?
だけど、ふつうに、
ー子供って、へんなこと思いつくなあ?だった。
俺には、まったくその発想なかった。
紙コップ、マジックで塗り潰して、さらにビニールテープで中身見えなくして、
ー分光器は、真逆だから、素直にすごかった。
ちなみに、そのスカイツリーは、ヘンテコな鳥?の鳴き声がして、空ちゃんは、なぜかモノマネ効果音つけていた。
子供って、ほんとうに、観察力が鋭い。
たぶん?
けど、俺の世界がじいちゃんから、明日菜に変わっていったように、いつかは、空ちゃんも、一尉から離れていくんだろうか?
一尉がんばれ?
というか、萌ちゃんもう俺と明日菜がであった年齢だよな?
初恋だれだ?
柴原より、気になる。まあ、アイツは完全に、イケメン先輩だろうけど。
明日菜は、俺、だよなあ。
12歳からか?明日菜を意識したの?
すげえな、12歳と13歳で、うける印象マジで違うし?
ある日、突然。くまさんに。出会った。
あの有名な歌なみのハプニング?
ハプニング、は、しあわせなハプニングも多いよなあ。
俺は手を伸ばして明日菜のマグカップを持つ手にふれる。
「もう寒くないか?」
マグカップは、あたたかく明日菜の手を癒やしてくれてる。
たくさん、俺がまあ、自己満足からしたプレゼントが、少しずつ明日菜の記憶を呼び出していた。
マグカップは、あついなら、取っ手を持って、冷やせばいい。
凍えた身体を、心を癒やしてほしい。
大学一年の時のクリスマスプレゼントは、ご当地ベアと、クリスマスマーケットのマグカップ。
まあ、ふつうに、相変わらずの、
2個買えば、ベアカップ。で、俺の家にもあるわけだ。
福岡に住んでるのに、福岡ばっかりロゴ入りのマグカップって、どうよ?
「だいじょうぶ。あたたかいよ?」
マグカップを両手で大事そうに包み込んで、明日菜が笑った。
さっきまでの哀しそうな顔じゃなく笑った。
ークリスマスプレゼントしたやつは、東京だけど、
ご当地ベアも東京らしいけど、さ?
マグカップとご当地ベアは、まあ、あり?
そして、
ースカンクから、匂いタイプの殺虫剤だ。
外敵から、身を守れ?
は、いまだに、東京でラッピングされたままらしい、
ー意味ねーじゃん。




