表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

230/652

第22話

朝ごはんの話をしていたら、始業開始時間になったんだけど、


ーなんでうちの課は、受付にいるんだ?


いや、理由は、かんたんだ。


イケカマ係長がそのまま、この場所で、朝礼をはじめたからだ。


ちなみにハゲ上司は、自分の部署に、急いで行った。


あの人やり手だから、他の部署も管轄している。


うちのプロジェクトリーダーは、イケカマ係長で、


「朝ごはんの問題って、たしかに深刻な問題よねー。プロジェクトの参考ついでに、ここで朝礼にしましょう。人数いないしね」


さきに出社した鈴木兄妹を、受付まで呼び出した。


俺と鈴木兄妹とイケカマ係長と受付さんのふたり。


柴原とイケメン先輩は、産休と育休でいない。


だからって、まったく関係ない受付嬢を2人参加させてどうするんだ?


いや同じ会社だから、関係なくは、ないのかな?


「いいじゃない。どうせアンタのほしい情報は、奥さん絡みでしょう?」


「まあ、そりゃあ、そうですけど」


「朝ごはんに限らず、食事って、だいじよねー。けど女性に限らず、いろんなダイエットもだいじよねー」


「ー矛盾してません?」


まあ、病気や関節痛とかでも、ダイエットはいるしな。


ただ、俺は、女性の体型については、よくわからない。


よく、タレントやアイドルにアンチ?とかが、


ーこの◯◯。もっと痩せろ!


とかコメントしてる気もするけど。


ーいや、誰基準⁈痩せてるぞ⁈


そもそも、


ーいや、その動物が痩せてたら、おいしくないだろ?


って、毎回、思うのが俺だ。


ちなみに、俺はそのアイドルやタレントを知らないから、


ーなんの基準⁈


なんだけど。


たまに明日菜関連で、なんとなく見てしまう時がある。


いや、明日菜は、たしかに華奢だけど。


「してないわよ?ねえ、優菜?」


「まあ、女子にすれば、そうですよね。思春期だと、かなり気になってくるし。痩せても痩せても、太ってる気になるし」


「そういえば、優菜も.あんまり食べなくて、家族が心配した時期があったね」


鈴木兄さんがいう。


もう会社だと、鈴木兄さん。


そうなった。


会社に同姓同名がいたし、本人が提案してきた。


まあ、無難だけど。


本人がいいなら、いいんだろうなあ。


ー本人がいいなら。


というか、


「えっ?鈴木さんって、ダイエットしてるの?明日菜からは、優菜は、毎食きちんとたべるよ?って、きいた事があるけど?」


俺が驚くと鈴木さんは、苦笑した。


「寮母さんがきびしかったし、明日菜が食べないだけだよ?明日菜って、ほんとうに食べないんだよね。私も心配なんだけど…。体質なのかなあ。お菓子もあまり食べない気がするけど」


そこで、言葉をくぎると、俺をみた。


「お菓子は、たんに村上くんのせいじゃないかなあ?彼氏の手作り食べないのに、他のお菓子を食べることが、無意識で許せなかったんじゃないかなあ?明日菜だし」


「ーたしかに。俺だな」


ここに、柴原がいなくて、よかった。いたら、確実に、なぐられてる。


軍曹といい、うえの上野さんといい、柴原といい、なんで俺のまわりの女子は、手がはやいんだ?


いや、


ー手がはやい。


って、いろんな意味があるけど。


俺はイケメン先輩をおとした柴原を思いだして、納得する。


ーたしかに、あいつは手がはやい。


イケメン先輩はのんびりというか、どっしりしてるから、


ーやっぱり、お似合い。


美女と野獣?


いや、


美女とゴリラ。


もう福岡の動物園には、いないシルバーバック。


福岡どころか日本では、数カ所でしか見れないシルバーバック。


貴重なシルバーバックをアイツは、手に入れた。


やっぱり、すげーな。柴原。


出産祝いを明日菜が軍曹に相談して、風呂上がりにも使えるオーガニック布製のタオルポンチョを贈っていた。


ちなみに俺は、柴原から紙オムツケーキなるものを要求された。


いろんなものが、ケーキになるんだなあ。


って感心したら、あとから違うものを請求しなおしやがった。


ー俺の給料って、お前より安いぞ⁈


相変わらず、俺の財布に、厳しい柴原。


だから国宝って、見るときに金いる事が多いのかなあ。


けど、宝物は、個人だから、たしかに大切な分、いろんな方法で金使ってでも、たいせつに維持して、守るよなあ。


まあ、明日菜の方が給料いいだろうけど。


ー俺の年収が明日菜を、上回ることって、あるのかなあ?


そういえば、明日菜って、俺との結婚が純愛だの、さすが恋愛ドラマのヒロインとか、さらにイメージアップしたらしいけど。


ーたんに俺が、安月給のサラリーマンだからじゃね?


これがIT企業とかの大金持ちなら、どう評価が変わるんだろ?


しあわせなら、関係なくね?


ー幸せにしないとダメだよなあ。俺が。


がんばって、明日菜を幸せにしないといけない。


ちがうか。


ーふたりで幸せを、きずいていくんだ。


人生が80歳を超えるとは、限らない。


明日、突然に、終わるかもしれない。それなら、


ーいまを、たいせつにする。


ーいまを、生きる。


よく言われる言葉で、


ーそう言われる意味が、最近になって、ようやく、わかってきた。


ようやく、だ。


だって、俺は、これから未来を、明日菜と歩んでいく。


ー行くけど。


俺が勝手にかけたオールリセットだし?


けど、あの時、ちゃんと明日菜の意思は、確認したよな?


ー婚姻届で。


偽物じゃないぞ?


有名人は、いや、あれって、わりと一般人でも被害があるから、決して他人事じゃないんだけど。


ー理由は、ちょっと違うけど。


まあ、率的にはー。


あの理由なら、一般人の方が被害は、多いだろうなあ。


逆にあの理由なら、有名人は避けるしな。


いまもあるのかなあ?


俺はスマホのニュース読まないし、最近は明日菜のためにニュースは、控えていたしなあ。


もう明日菜は、知ってるから、ふつうにみていいとは、わかってるけど。


繊細な明日菜には、きっと、いろんな情報や映像が、まだまだ負荷になる。


知ったいまでも、いや、いまからが俺は慎重になる。


たんなる過保護だ。


わかってるけど、わかってないのが、


ー俺なんだよなあ。


俺はほんとうに、失敗からしか学ばない。


成功から学ぶことがあったのかなあ?と


いうか、成功ってさあ、予想どおりの結末だよな?


なら、予想してるからー。


ー模範解答、じゃないのか?


は、違うんだよなあ。


成功体験がだいじ。


よくわかって、


ー俺は失敗からしか学べない。


も、よくわかる。


だから、


「俺が美味しいお菓子を、作ればいいのか?」


そう言うと、イケカマ係長があきれた。


「たぶん、食べないわよ?明日菜さん」


「…明日菜、わりと頑固だから」


鈴木さんにまで、哀れみをこめた眼差しで見られる俺。


「おふたりは、朝ごはん食べますか?」


鈴木さんが、受付さんたちにきいた。


「私は実家なんで、母が用意してくれるから.食べますけど。というか、運動部出身なんで朝は必ず食べますね。もう習慣です」


若い子がいう。


「えっ?運動部?室内系?」


「はい。キックボクシング部でした」


「「「えっ⁈」」」


って、珍しく俺まで驚いたのに。


「だから筋肉あるんだ」


鈴木兄さんがひとりだけ、うなずいてる。


「わかります⁈」


受付嬢が目を輝かせてる。


「うん。なんとなく」


「お兄ちゃん、相変わらず、よく人をみてるね?」


「みてるというか、目に入るだけだよ?優菜もみたらわかるだろ?」


「…わかんないよ?」


「村上くんは?」


「俺は明日菜と柴原しかわからないから」


「なんでそこでも真央なのよ、あんたは」


イケカマ係長が呆れると、もうひとりの受付さんがクスクス笑った。


「まあ、隠されるよりマシだと思うけど。ちなみに私は食べたり、食べなかったり。一人暮らしだから自由かなあ」


「アタシは食べるけど、旦那は食べないわね。食べるとキツイって言うわ。野菜や豆乳くらいね」


「やっぱり飲み物からですかね?」


とするとジャングルをミキサーにかけるのか?


そういえば、スムージーあるよな?


「とりあえず買う方が安心して飲むと思うわよ?それより、肝心なことを忘れてない?あんたの悩みとトラウマを、一気に取り払う方法があるわよ?素直な明日菜さんなら」


イケカマ係長がその話をして、


ー俺は一気に忙しくなった。


けど。


ーうちの会社って、自由だなあ。


けど。


たしかに、一理ある。


は、わかったんだ。やっぱり、きいて正解。


ーイケカマ係長。


うちの頼れるプロジェクトリーダー。
































評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ