第13話
マンションの自宅のインターホンをならす。
その行為に夜遅くなのに、ついその場で、飛び跳ねたくなる。
つい最近まで、一人暮らしのマンションだったのに。
ーめちゃくちゃ、嬉しくない⁈
いや、なかにいるのが、双子の配管工の緑のひとならともかく。
ー掃除機を持っていても、絶対に嫌だし。
俺の住んでるのは、ふつうのファミリーマンションだし。
実は、柴原からは、明日菜は、もっとセキュリティがしっかりした場所がいいとは、言われたけど。
まあ、加納さんが、いまのままでいいと判断しるし、正直、俺が会社で不在でも、軍曹やうえの上野さんがいるから、心強い。
なんかあったら、頼れるネットワークは、貴重だと思う。
まあ、ご近所トラブルはよくあるし、俺はマンションに、あまりいないから、の、感想だよなあ。
というか、一人暮らし用の物件でも、トラブルあるしな。
一軒家でも、トラブルは、あるしな。
…ご近所トラブル大国、ニホン、バンザイ?
まあ、そんなもん、だろうなあ。
というか、日本の国土は限られていて、過疎化と都市化が激しい。
ちいさな市を、ひとつとっても。
ーリアルで都市化と過疎化が、はげしいな?おい?
って、あきれるくらい日本地図の縮図みたいな市もある。
で、俺のマンションは、わりとトラブルがない。
というか、俺のまわりに、いまのところはないけど、芸能人としての明日菜が、生活していくなら、どうなんだろうな?
そういう意味では、セキリュティがあまいよな。
ー俺の給料的には、ベストなんだけど。
明日菜が光熱費は、担当していて、食費はふたりでだしている。
買い物した方がだしているし、俺はまだ明日菜の給料知らない。
で、知ったら俺は、どうするんだろ?
わかんねーな?
ー柴原にきこう。
相変わらず、柴原まかせな、俺だ。
もはや俺のグーグル柴原。ぐるぐるまわる俺の思考のteacher。
まあすごいよな?
英語も日本語も、にたような単語からかあ。ってわかる貴重な先生。
ーあんた、だけじゃない?
柴原の冷静なツッコミが頭にうかんだ。けど、お前もだろ?
って、思いながら、インターホンをならす。
ただ、明日菜からの返答は、ないけど。
明日菜の場合、セキリュティのしっかりした寮にいたから、明日菜自身が気づかないうちに隙がでる。
それが、基本的な鍵だ。
あの南九州の片田舎にいた小中学時代には、身についていた習慣で、いまは意識しないとつい玄関の鍵をかけわすれる。
マンション自体オートロックだし、鍵を忘れたら家に入れないし、なにより危険だ。
いまの時代、簡単に、いろんな危険性があがる。
あがるけど、まあ、考えすぎると精神的に病むから、まあ、ある程度までだよなあ。
なにせ。
ー国民総出で、パパラッチ。
しかも、ターゲットは、芸能人だけじゃない。
変な時代たけど。
まあ、それが、あたりまえになるなら、失敗のたびに、ルールやマナーが、定着していくんだろうなあ。
まだまだネットは、新しい文化で、たくさんの発展と、夢や、犯罪に、あふれだす。
というか、ふつうに家庭用ゲームの流行り出しもいろんな意見がでた。
もっとさかのぼれば、子供達用のテレビにだってあった。
たくさんの論争があって、けど、まあ、流行りだしたら、それが本当に価値があるなら、どんなものでもとまらない。
ー日本人は、流行りがすき。
というか、都会が、流行りがすき。
地方組には、
ん?知らないぞ?
も、多いし、逆に地方組には、なじみでも、都会には、
ん?知らないぞ?
なんだろうなあ。不思議だなあ。日本って狭いくせに、なぞに、ひろいんだよなあ。
まあ、俺のマンションが。ルイー○マンションでは、ないことは、確かだろう。
掃除機を買いかえたいけど、明日菜からまだ使えるっていわれた。
けど、うちのやつより強力なやつなら、お化け吸い取るんじゃないか?
ーは、却下された。
新しい乾燥機つきの全自動洗濯機代は、明日菜もち。
軍曹や加納さんと話して決めていた。
ー俺の出番は、なかった。
なぜに⁈
ー女性の下着をはじめファッション事情は、わかんないから。
ただ、洗って乾燥したら、いいんじゃねーの?
は、違うらしい。
俺のまわりには、電化製品が好きな人が多いけど、俺は詳しくない。
はっきり言って、使いこなせてない。
ー重要説明事項。
ようは、やっちゃダメだけを説明書で理解できる。
まあ、それで、なんとかなる?
ー俺の服なら。
だけど、明日菜には、違うらしい。
たぶん、化粧品やドライヤーの違いが、俺にはわかんないけど、同じように、明日菜は、俺がリールやラインの説明したってわからないだろうしなあ?
エギングロッドとシーバスロッド、メバリングロッド、アジングロッド。
ラインにいたる性質や種類。
明日菜は、いつも首を傾げる。まあ、そんなもんだよな?
ただ、ドライヤーに関しては、電動シェイバーの違いみたいな感覚かなあ?って思う。
ーまったくちがうよ?春馬くんもドライヤー使う?
明日菜が持ってきたドライヤーを使うけど。
ー風量の違いしか、わからねーけど⁈
ただ、手入れされた明日菜の髪は、めちゃくちゃ手触りがいい。
は、わかる。
相変わらず、どうでもいい思考が、ぐるぐるしながら、
「ただいまー」
俺は鍵を自分であけて、なかにはいる。
「おかえりなさい」
明日菜が笑って、でむかえてくれた。
すごいな。俺のマンションに明日菜がいるぞ?
めちゃくちゃ、すごくない⁈
ついこの前まで、ひとり暮らしだったんだぞ?
大都会の夜空の下にいたんだぞ?きっと、にたようで、ちがう夜空だったぞ。
いまは手にとどく、俺の宵の明星。
ーVenus。
なんか、切なくなって、
「ただいま」
俺は腕をのばそうとして、
ー手がふつうにとまる。
「…先に手洗いと、うがいしてくる。あと、ついでに、ふろもはいるよ」
ーまさに、生活習慣に、なったなあ。
って、マスクの下で苦笑したんだ。




