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SS とあるやつの独り言


このマンションはお気に入りだ。


自然も多くて、食べ物に不自由しない。


ここ数年は、平和に俺はパートナー探しをしていた。


この物件いいぞ?


くいもの美味いぞ?


住んでるヤツは、俺を見ても、


「よっ、ご苦労様」


って笑ってくれるぞ?


なかなかの有料物件なのに、俺には、なかなか嫁が来ない。


そう思ってたら、大家が最近、結婚した。


大家が俺に言っていた。


「なるべくみつかるなよ?たぶん、大騒ぎするから」


以来、夜くらい時を移動したが、パッと電灯がついて、若い女が入ってきた。


そして、気配を感じたのか、


ー目があった。


そして、


ーきゃあ!春馬くん!


って悲鳴があがる。


仕方ない。


この住み心地のいい居候先とも、そろそろさらばか?


いくら女が叫ぼうとも、ここには、届きはしないだろ?


なにしろ俺は、天井をカサカサゆっくり移動していた。


手が届くわけない。


ーベタ。


ん?身体が動かない。


なぜだ?


ベリって、身体ごと天井から、強制的におろされる。


カーペットのコロコロをもった家主がおれを覗きこんでいた。


「だから、目立つなって言っただろ?」


言われたが、天井がおれの住処だぞ?


それより、ベタベタとってくれよ?


まったく、うごけない。


ベリって家主がコロコロを一枚やぶいた。


「とれるかな?」


つぶやきながら、俺は家主と外に出た。


家主と星空をみた最後、だった、はずが、


「きゃーん。かわっいい!もらっていいの村上?」


だれた、こいつ。


見た目は女みたいだけど、声が太いし、なんか違うやつが俺を嬉々としてうけとり。


ネバネバから解放されて、


俺はいま飼育されつつ、老後を迎えてる。


ハエとり蜘蛛は生きても3年。


もはや、パートナーは、むりだが、


「 だーちゃん、げんき?」


毎朝、一回は透明なケースを除いてくれるやつと、


「だーちゃんは、僕だけにしてよ」


すね顔の子リスがわらえる。


まあ、ベタベタでは酷い目に会ったが、


ー快適な老後を満喫している。


俺は、蜘蛛。


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