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SS どら焼き


ふと朝目覚めたら、ペットが肌寒い。


あれ?ここは東京だったかな?


でも東京の寮には、基本的に後輩たちがよくいる。


とくに最近は野良猫みたいな後輩が、私のとなりで、背を向けてねている。


まあ、暖かいし、なにより、


ーきのう、私は福岡に帰ってきたよね?


最終便だったけど、金曜日だったから、春馬くんが空港まで迎えにきてくれた。


最近は千夏さんは東京にいる。


ーもう明日菜は大丈夫だよ?


そういうくせに、優しくハグして、毎回、私を羽田まで送ってくれてる。


かなり過保護だ。


私は苦笑しながら、周りをみわたした。


だって、シーツが冷たい。


となりで寝ていたはずの春馬くんがいない。

 

どうして?


と、おもうまえに、キッチンからあまーいにおいがする、


なに?


すっかり私のパジャマになった、ぶかぶかの春馬くんのパーカー姿で、トテトテとキッチンにむかう。


春馬くんが神経なかおで、手にしてるのは、


「あんこ?」


私が思わずつぶやいたら。


「おはよう、明日菜」


さわやかに春馬くんが笑う。


築10年以上のファミリー物件じゃなく、なんだかカメラがまわるセットみたいだ、


ー村上、顔はいけてるよね。


そういえば、真央が言ってたな。


たしかに様にはなってるけど、私は春馬くんが手に持っているものが気になる。


市販のビニールいりの、


「あんこ?」


「おー。明日菜はこし餡派だよな?」


「どっちでもいいけど」


「相変わらず、食べ物に興味ないよなあ」


しかーし!


春馬くんが指をたてVサインをする。


「きょうは、まじめに分量通り作ったぞ?ホットケーキミックス。しかも、あんこは、市販だ」


ホットケーキミックスとあんこ?


ホットケーキミックスなら、生クリームやハチミツ?


私の疑問が顔に出たんだろうな?


春馬くんが少し茶々がかった目をほそめた。


「じゃじゃーん!春馬くんおていせいのどら焼きです。ちなみに、俺というスパイスは、たどこにもありません」


「愛情は?」


「…まじめに作ったから、上底?」


まあ、いいけど。


春馬くんが一個だけ、どら焼きもどきを渡してきた。


まじめに作ったって言うけど、へんな色じゃないけど。


ただ、ホットケーキミックスと小豆が美味しそうだ。


渡されたサランラップにつつまれた一口サイズのどら焼きをてにとる。


ホットケーキにつぶあんを挟んだだけだよね?


おそるおそる食べたら、


「美味しい」


「だろ?たまには、俺だっ作れるぞ?


ーホットケーキミックスだけだけど。


だって。


ね?


春馬くん、


私はやっぱり、朝から笑ってる、よ?

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