彼女ととある記者と思い出。
彼女のことは、13歳から知っている。
ずっとうちの社が発売している雑誌のモデルをしていたからだ。
ー神城明日菜。
私が新入社員ではじめて、ひとりでインタビューした子だ。
あの頃は、まだまだ幼い風貌をしていたけど、確かに存在感は、他を圧倒していた。
けれど、不思議なことに、業界でもやり手で通っていた彼女のマネージャーは、むりのない範囲でしか、神城明日菜に仕事をさせなかった。
私たちの間では、七不思議で、それでもたまに、ドラマにでると確かな演技力で人を、私たちプロを魅了させていた。
神城明日菜の存在感は、同性にこそ発揮される。
私たちはすぐに彼女の虜になる。なんというか、マネージャーが過保護になる気がわかってしまう。
不思議な売り出し方を事務所がしていて、ガードがかたいことでも有名だった、
神城明日菜のマネージャーは、そこまでタレントの私生活には、うるさくないタイプだ。
もちろん、未成年である以上、親元を離れて生活をする以上、ある程度の責任を持って接しているし、正直、あの事務所に所属するだけでも価値が生まれる。
所属タレントはほとんどが厳しいオーディションをうけている。
そんな中で神城明日菜は、スカウトという形で芸能界に足を踏み入れた。
他の事務所なら、わかるけど。私たちは驚いた。
驚いて、
ーああ、なるほど。
そう納得して、でも編集長は、
ーどうかしら?まあ、あのマネージャーなら、うまく売り出すだろうけど。
どうかしら?
の意味はわからない。ただ、たくさんの取材経験がある観察眼が鋭くて有名な編集長は、憂い顔がだった。
新人だった私は、よくわからなかったけれど。
高校卒業と同時に神城明日菜は、いちど芸能界をやめる。
そういう噂がながれていた。その時は編集長は、うれしそうだった気もするけど。
噂に反して、高校卒業と同時に神城明日菜は、次々に恋愛作品のヒロインを演じた。
彼女の親友だった子のかわりに。
編集長は、あの話を疑っていた。まだまだ未成年の子で、モザイクもあって、どう見ても違う子に私もみえた。
でも過熱したネットの暴走は、誰にも止められない。
だって、ネットはその子を直接知らない。ただの憶測で、決めつけ、非難して、
ーあの子は芸能界を去ってしまった。
そして身代わりのように、あの子の夢を追い続ける神城明日菜。
痛々しくてみていられないのに、マネージャーや事務所は、あんなに大切に守っていた神城明日菜を酷使していった。
まるでそうすることが、神城明日菜を救う手段とばかりに、売り出した。
彼女はあっという間に、STARになったけれど。
快活さは無くなった。もともと明るい子でも快活な子でもなかったけれど。
ーカットの声と同時に神城明日菜に戻る。
よく言われるけど、よくわかる。映画の話しをしている神城明日菜は、別人た。
話しがおわると、またやさしい彼女に戻るけど。
取材終わりに、一度だけスマホを確認して、あきらめた瞳をして、哀しげにため息をつく姿をみたことがある。
少しずつ、なにかがおかしくなっていたけど。
スクリーンと取材の神城明日菜は、別なんだけど。
せっかくの緊急事態宣言解除後、福岡で騒ぎになった。
神城明日菜、恋人か?
彼氏の車をしつこく追いかけて、あれは酷かった。
あれから、私たちには、彼女の情報がなにもなかった。
編集長はため息をついて、ひとことだけ言った。
ただ、幸せになってもらいたい。
結婚は、ビックリしたけど。
ーまた、何かを考えてるようだ。
私は明日菜なマネージャーをみると、苦笑していた。
まあ、あとできくかな?
まさかのお誘いだったしなあ。
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春馬視点が長くなるので、すいません、わけました、
修学旅行前の春馬番外編
https://ncode.syosetu.com/n0384hs/
大人版は、
続きはR15にしているため別話になります。
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こちらのまSSは不定期で中学時代の春馬版を書いて行きます。
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