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第2話 彼氏と彼女と彼氏の煩悩。


「ただいまー」


と言って俺は、自分のマンションのドアをあけた。


シーンと静まりかえった俺のマンション。


最近また段ボールから、少しずつもとにもどして、さらに配置変えしている俺のマンションだ。


ー誰もいない。


いままでも、当たり前だったんだけど。


ここ数日は、明日菜がいたからなあ。


昼間の楽しさがウソのように、静かな部屋だ。


明日菜は、今日は加納さんが用意したホテルに、鈴木さんと泊まるらしい。


ー新婚なのに、放置される俺。


相変わらずざつなあつかい。


ザツ?


ザッツザウェイ?


ーまえむきじゃん!?


よくやったの俺!?


まあ、度量の大きさは、やせがまんでも示したよな?


俺の場合、ウソが苦手だ。


ーごめんね?春馬くん。


明日菜に心底かわいそうな顔をされた、俺。


・・・そんな顔するくらいなら、帰ってこいよ?


そうしたら、抱きしめて、ベットに押し倒して・・・。


って、ダメじゃん、俺。


「だめだろ?マジで」


ため息をついて、玄関にちからなく座り込む俺だ。明日菜が、愛おしくてたまらない。


「・・・イケメン先輩、よく耐えたな」


実は、柴原に興味をさきにもったのは、イケメン先輩の方だった。


当たり前だ。


柴原は、基本的に俺の周りをちょろちょろしている。


いや、逆なのかな?


ー俺が柴原のまわりを、ちょろちょろしているのか?


ちいさい子が親の周りを、ちょろちょろしているのか、親が、子供のまわりを、ちょろちょろしているのか?


軍曹と凜ちゃん、空ちゃんを思い出してみると、


ーどっちも、どっちだなあ。


軍曹たちは、不思議だ。


萌ちゃんは、もうひとりだち始めているから、基本的には、ふりかえらない。


けど、一尉も軍曹もいつだって、うしろから見守っている。あれぞ理想のー。


なんだろ?


シルバーバックとは、もう違うよなあ。


なんてことを考えていたら、よこしまな考えがどっかいく俺。


ーべんり。


「・・・なわけないだろ?」


部屋には、あまい明日菜の香りがただよっているぞ?


明日菜を思い出すぞ?


「もう村上明日菜だしなあ」


夫婦なんだ。いくらでも手をだしてもよくね?


いや、まて、それは、りっぱな犯罪だよなあ。


明日菜の意志がなければ、いくら夫婦でもレイプじゃん?


明日菜との結婚は、オールリセットの意味もあったけど、俺が明日菜を守りたかったからだ。


なのに、俺が傷つけてどうすんだ?


「・・・イケメン先輩、すげーな」


俺は、もう一度つぶやく。


イケメン先輩の過去に何があったかはしらないけれど、イケメン先輩は、柴原の攻撃をかわしにかわしていた。


あの柴原だぞ?


明日菜とは、ちがうタイプの美人だぞ?


いっちゃ悪いが、イケメン先輩は、ゴリラだぞ?


ジャングルのラスボスだぞ?


ーん?


ラスボス同士だからいいのか?


「お似合いじゃん」


ならいいのか?


いや、まてよ、俺?いまはそんな話じゃないだろ?


相変わらず四方八方、360度ぐるりと思考が、まわりにまわる俺。


あれ?


まわりまくって、もとに戻ってますけど!?


ーべんり。


「だから、ちがうっつーの!」


ほんきで誰かとめてくれって、マジで最近思う俺は、やっぱり平和なんだよなあ。


で、いまは明日菜にででいかれた部屋で、明日菜を想って悶えている。


だって、洗濯機のなかに、明日菜の下着とかあるぞ?


・・・俺にそっち系の趣味はないが。


そういえば、イケカマ係長ってランジェリーとか、どこで手に入れているんだ?


胸は胸で、もうあるし。


・・・ふつうに、ランジェリーショップでいいかあ。


けど、いまだにキラキラなあの店の前を通るとき、目をそらしてしまう俺に、明日菜の下着姿ってたえられるのか?


明日菜がまだ疲れ切る前に、俺たちは一度そういうチャンスがあったけど。


あの時は、チキンだった俺だけど。


きっと今度は、とまれない。


明日菜は、絶対に俺のものだ。


いや、ものっていうのもおかしいけど。


だけど、絶対に明日菜のはじめては、俺がもらう。


俺以外のやつには、さわらせない。


「けど、明日菜があの世界にもどりたいなら、べつだよなあ」


そして、きっと俺はもう明日菜と映画をきりはなして見れるだろう。


俺と明日菜は、遠距離恋愛だったから続いた恋だ。


遠距離恋愛だったから、見れていた映画だ。


映像が俺のあたまの中の明日菜とリアルに結びついてしまったし、まあ、俺もそういう年齢だった。


ただ、それだけで。本気で明日菜を失いかけて、ようやく大切なものなに気がついたのが、ラッキーな俺だ。


そう。


俺は、とことんラッキーなんだ。


だって、あの真冬の空の屋上で、豆粒みたいな異世界代表の明日菜をみけたぞ?


そして、ついでに、柴原もあったぞ?


宝物の明日菜を見つけて、国宝の柴原も見つけたぞ?


国宝は国宝だから、イケメン先輩に持っていかれちまったけど。


宝物の明日菜は、俺のそばにいるぞ!?


ーすごくない?


俺って、やっぱり、めちゃくちゃラッキーな奴。


は、


「・・・マジで地獄だ」


明日菜のにおいがのこる部屋でうなだれた。


俺にもちゃんと、性欲があったらしい。


男としては、うれしいけれど。


「ちゃんと待てよ?俺?」


恋人でも夫婦でも、無理やりなら、レイプだぞ?


俺は、しっかり自分にいいきかせて、


「イケメン先輩、まじてリスペクトだな」


そう思った。


そして、ラスボスとラスボスから生まれる子供は、


もはや、


ーナニモノだ?


まあ、国宝の上を軽々といくんだろうなあ。


だから、赤ん坊って、


ー天使、なんだろう。


相変わらず俺のあたまには、ところかまわず矢を放つ、イタズラナなベイビーと、マヨネーズのベイビーが笑ってる。


玄関にうなだれながらも、俺の頭の中は、


ーきょうも、へいわ。


なんだよなあ。


まあ、明日菜が笑ってるなら、


いっか。




読んで頂きありがとうございます。


少しでも面白かったら、どんな少数でもありがたいです。


☆☆☆☆☆やブックマークよろしくお願いします。


ふたりのハッピーエンドを見守って下さったら、嬉しいでしす。

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― 新着の感想 ―
[一言] >まあ、国宝の上を軽々といくんだろうなあ。 世界遺産ですか?それとも、新しい枠で、宇宙遺産? 動物なら、なぜ野生動物だけなのかという話ですよね。まず、動物には行動範囲というものがあります…
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