表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

140/652

第37話  彼氏と彼女と三兄妹。

俺たちは、園内バスで移動した。


移動のバスの中でも、吉野ヶ里遺跡について説明アナウンスが、ずっと、流れていた。


北が権力者。南が一般人。竪穴式住居や、見張り台。高床式倉庫や他の建物。


集落を取り囲むたくさんの先が尖った木で作られた豪。


これが、入場料金、


ー460円⁉︎


マジで、すげー。


俺と明日菜は、あまりの凄さにあっけにとられていたら、体験コーナーの場所のひとつについた。


立派な建物には、発掘された梯子や杵や臼杵とか、たくさんの化石とかもあった。


ーこれが460円⁈


繰り返しいうが、入場料金、


ー大人460円,


中学生以下無料。


もちろん、展示品見放題。


ミニ動物園も見放題。


ふわふわトランポリンも、遊具も遊び放題。


ちなみにコロナ前だとでっかい1メートルくらいのボールあそびやフリスビーなんかもあったけど、コロナだから、なし。


だけど、めちゃくちゃすごいぞ?これ?


ー年パスとるかな?


マジで、ハマる。


いや、すげーな。


「きょうは、一日中、春馬兄ちゃんの奢りでいいんだよね?」


「へっ?中学生以下は、無料じゃないの?」


「体験コーナーは、別だよ?」


「私も一応お財布持ってるよ?中身も千夏さんが用意してくれてたよ?」


「いや、さすがに俺だって用意してるぞ?で、なんの体験ーって。安すぎないか⁉︎」


いちばん高い石包丁つくりで300円だぞ⁈


呆気にとられていたら、体験コーナーは平日だからか、人がいない。


係の人はふたり。


「ここは少ないんですよ。勾玉つくりとかは人気あるんですけど」


って苦笑いされた。


弥生時代の壁画みたいな衣類の人たち。


「あれ?においぶくろもある」


「ああ、それは、ただのイベントで弥生時代にはなかったやつです」


そう言われても明日菜や萌えちゃんは、そっちに行った。


俺は、その間に化石発掘体験をした。


これもめちゃくちゃ安い。


すべて300円以下だ。


「まあイベントによりけりですけど」


らしい。


木の塊みたいな地層を金槌とくいでトンカンして割れるだけ割っていくと、葉っぱのあとが出てくる。


「この地層は30万年前のです」


…何時代だよ?


「あっ、それはシダの一種ですよ?」


…シダ植物発掘した、俺。


持って帰っていいんだって。新聞紙包んでビニールもらった。


この体験も300円以下。


化石いくつもでても300円以下。


明日菜たちが終わってから、今度は石包丁作る。


三角定規みたいなやつを、分度器形に削る。

丸みを出してけずる。


けっこう削れる。実際の化石とかいろんな展示見せてくれながら、削って、


「できた!」


萌ちゃんがいちばんのりだ。さすが美術部。


関係あるのか?


この場合?


あれ?


「沼があるから、奥は危ないけど」


今日は人がいないからって、萌ちゃんにできたばかりの石包丁の使い方を教えてくれた、


分度器の真ん中端に穴が開いていて、その中に紐を通す。


通した紐を手首に通すように持って。


「弥生時代のひとたちはね、稲をこうやってとっていたんだよ?」


見よう見まねで萌ちゃんが草をかる。


「切れた!」


おおはしゃぎの萌えちゃんに、明日菜がやさしい瞳で笑っている。


…東京の寮の明日菜って、こんなかんじなんだろうなあ。


俺や柴原にとっての明日菜とは、印象がだいぶかわるなあ。


三人ともいちばん下で、まあ、俺は兄貴と年子だけど。


逆に萌ちゃんは、いちばん上だしな。


「たくさん、遊ぼ?萌ちゃん」


「きょうは、末っ子だな」


明日菜と俺の言葉に萌ちゃんは、照れ臭そうに、


でも、うれしそうに笑ったんだ。


ーたまには、いいだろ?


いつもお姉ちゃん、頑張ってんだからさ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] メッセージ何度も返信して頂いて、大変ありがとうございます。 前回、かかれていた、お父様の言葉が余りの酷くて、返す言葉が浮かびません、それを幼い子に、それも女の子にいうかです!大人の矛盾とか…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ