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第24話 彼氏と彼女とうえのうえのさん。


明日菜の新パターンになんて返そうかなあって思っていたら、


ーピンポーンってチャイムが鳴った。


玄関をこんこんと軽くノックして、


「村上くん。いる?うえのうえの、だけど」


って女性の声がした。


「うえのうえの?」


明日菜が首を傾げる。そりゃあそうだろう。


俺だって、最初に聞いた時は、なんの冗談かと思ったよ。


「真上にすむ、上野さん。さっきのお茶会で俺のことを書いてくれたひと」


お礼をいわなきゃなあ。


って思いながら、俺は玄関にマスクをしてむかう。


ー自宅でマスクして玄関で人と会う。


なんて時代だよ?


・・・ちいさい子には、これが日常生活になっていくのか?


マジ勘弁してくれ?


あたまに凜ちゃんとお友達の2歳児ちゃんがうかぶ。


二歳児ちゃんは性別はしらないが、凜ちゃん見ているとマジでおもう。


新生児の頃から赤ん坊は、ひとの表情でいろいろ学んでいくのに。


・・・マスクでしかみれない。


どんな子たちに育つんだ?


テレビとかでまなぶのか?


ーマジか?


凜ちゃんと、もし、またコロナ大流行であえないとかなったら、絶対にスマホの画面ごしで、俺が春馬兄ちゃんだぞって、百面相してやるぞ?


ー混乱させるだけだな。


相変わらず俺の思考は、絶好調にぐるぐるしながら、玄関をあけた。


上野さんは一見おとなしそうに見えるけど、やんちゃな息子がふたりいる。


ドタドタ、たまにズトン。ものすごい音がして、


「やめなさい!」


かなりのでかい声が響いてる。


俺の家は真下で、俺は息子だったやつで、当たり前だけどいまも息子。


いや、イケカマ係長を考えたら息子が息子のままじゃないってこともある。


あれ?俺は息子だよなあ?


で、俺の息子は・・・。


「村上くん?」


って声に俺は我にかえる。よかった声には、だしてなかったらしい。


ー下ネタだしな。


「あ、こんにちは。さっきはお茶会でありがとうございます」


「お茶会」


「あの鳥のやつ」


「ああ、あれね。大丈夫よ。いつもこっちこそうるさくしてごめんなさいね。彼女さんーというか、もう奥様ね。奥様もあきれてない?」


って言葉にマスクをした明日菜がうしろから顔をみせた。


「こんにちは。明日菜といいます。はじめまして」


明日菜の姿に上野さんは、嬉しそうにわらった。


「あら、やっぱりきれいねえ。やるわね。村上くん」


どんって背中をたたかれて、そういや、この人は空手有段者だった。


ー軍曹のママ友ネットワークってすべてそっち系じゃねーよな。


ってマジで思う。


ー痛い。


半泣きになる俺をよそに上野さんは、後ろ手に隠していたスマホをとりだした。


ー?


「あの、お願いがあるの。本当に一生のおねがいなんだけど」


「いや、重いっすから、それ」


「ううん、ほんとうに、私にとっては、そうなのよ」


って上野さんが真面目な顔をした。


俺と明日菜は、顔を見合わせる。


「・・・私ですか?」


明日菜が口をひらくと上野さんは、明日菜をじっとみた。


「…芸能界は引退されたのよね?」


「たぶんそうなります」


あの魚騒ぎでじつはうやむやになっている事務所との契約書。


正式な書類は、まだだったりしている。


解約しちゃうとハイエナみたいなマスコミがつぐにかぎつけちまうから、正直どうするかは、これから、になる。


円満に契約解除っていっても、ごちやごちや推測される。


半年単位でも契約するかって話もでている。


仕事はしないけど、明日菜をまもるために、加納さんが案をだして、


・・・明日菜には、まだ言っていない。


ー判断は、村上くんでいいわ。


って俺にいわれたけど。もう俺は明日菜の夫で、まあ、そういう立場だけど。


「じつは、私の祖母が明日菜さんのファンで、どうしても話をさせてあげたいの」


って上野さんがいった。


「おばあさまですか?」


っていって、明日菜、そんなに人気なら、営業にくるか?っておもった。


そしたら俺が、柴原のいない広報にはいって、明日菜のいる東京に―って、逆に結婚していたら遠くなんじゃん?!


相変わらず絶好調に、あほな俺。


このぐるぐる思考だれかとめて?


小さい頃に、マジでとめて。考えるの嫌だ!


って、ないたなあ。


あのこわいじぃちゃんですら、こまらせせた。俺。


あとから、巨大台風の発生をしった俺。


ちなみに俺も柴原も気圧の変化には敏感。


もともと過敏だから、これぞ敏感肌だぞ?


保湿剤は―、


「私の貸してあげるから、ちょっと、現実にもどってこようか?春馬くん」


あきれた顔で明日菜が見ていて、


・・・上野さんは、ひいていた。


「春馬くん。人といる時は口にちゅういしようね?」


「・・・はい」


「あら?もう尻に敷かれているのね」


「明日菜は、軽いからそのまま肩車で俺の勝ちです」


「・・・・」


女性陣ふたりそろって舌打ちしなくてもいいのに。


凹んでいたら、


「じゃあ、いまからかけるわね。ああ、私はワクチンしているしマスクしてるから大丈夫よ。」


上野さがスマホを取り出した。



読んで頂きありがとうございます。


少しでも面白かったら、どんな少数でもありがたいです。


☆☆☆☆☆やブックマークよろしくお願いします。


ふたりのハッピーエンドを見守って下さったら、嬉しいでしす。

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