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第14話 彼女と彼氏と彼女の初恋は?


身体を丁寧に洗って・・・。というか、千夏さんから美容については、いろいろと13歳から教えられ、というか、


ーそれでご飯をたべるんだから、若いころのケアこそだいじなのよ?私みたいな年になってからじゃ遅いんだからね。


千夏さん、まだ若いって思ったけど。


そういえば、あのときにはじめて年齢教えてくれたなあ。しっかり、


ー絶対、内緒よ?


目が真剣すぎて、いまでもちょっとひいてる。


私が千夏さんと同じ年になったら、そう思うのかなあ。


あっ、でも後輩たちをみていたら、


ー年だ。


私でもそう思った記憶があるけど、私の後輩たちはものすごく元気だ。だって何時間もダンスレッスンしてる。


・・・なんでレッスン後もあんなに、元気なんだろう。


私はあんまり運動が好きじゃない。真央はバスケット。春馬くんは野球部とジュニアサッカー。


リトルリーグ出身者が多かったのに、中学から野球をはじめて、


「最後の練習試合みたかったな」


春馬くんの運動神経は決して悪くなかったけれど、やっぱり経験の差はでてた。


後輩ともでてたし、私と付き合ったから、なんか部室の掃除なんかを練習中にしていた。


ー本人はあんまり気にしていない。


たぶん、


「・・・下手だからだっておもってそう」


高校の本格的な部活とかならともかく、地方の田舎の中学の野球部は、顧問だっていまどき、経験者かあやふやなのに。


上級生が優先されていくのに。


3年生でも一度も補欠にすらならなかった。一度も試合の経験はなかったけど。


引退試合の練習試合。


9回、代打ででて、


ーさよなら、満塁ホームランを打った。


打つのが村上なんだよねー。逆に少しでも経験があったら打ってないわよ。


って真央が呆れていて、私に動画をプレゼントしてくれた。


13歳の夏休み以来の春馬くんのユニホーム。


1年しかたってなかったのに、真剣にピッチャーをみるまなざしは、おとなっぽくて、つい息をとめて見てしまって。


「明日菜は、ほんとうに彼が好きなのね」


って千夏さんや寮母さんに苦笑されてしまった。顔があかくなったのを覚えてるし、いまでもちょっと恥ずかしい。


なんでだろ?


あの頃は気恥ずかしさを感じていたのに、いまでは、素直にわらって、はい、って返事をしてる。


きっと、中学生って年齢は、特別なんだ。


それとも遠恋だったからかな?


というか、遠距離恋愛で10年目。


まともに顔をあわせていたのは、13歳の5月の修学旅行から私が東京に行くまでのたった3か月。


コロナで二年あえなくて、成人式もまともにあえなくて、やっと出会えたのは2日間。


ーで、次にあったら、


「・・・結婚してる」


映画でもありえない、って、いつもスクリーンの中にいた私でさえ思うのに。


「初恋がみのるって、あるんだね?」


ー初恋は、みのらない。


は、実ってる人も多いんだ。


・・・お父さん、ならムリだけど。


幸い?私にはお兄ちゃんがいたからか、お父さんは、家族だった。


お父さんよりお兄ちゃんが子供の頃は、身近で、でもお兄ちゃんは、お姉ちゃんからいつも呆れられていて・・・。


「あれ?お兄ちゃんと春馬くんって、雰囲気がにてるかも」


女の子はお父さんに似ている人と結婚するってよく聞くけど、


ー私の場合は、お兄ちゃん。


・・・お父さんには内緒かなあ。もちろん、お兄ちゃんにも恥ずかしいからいわない。


あのふわふわした世界で会ってたはずなのに、


「覚えてない」


ほんとうに、記憶がない。


私の記憶は、とぎれとぎれだ。


よく事故なんかでつらいリハビリを経験したした人とか、いろんなつらい体験をした人たちが、


ー記憶がない。


って、言っていたけど。私もそういうヒロインを単発ドラマで演じていて、その時は記憶喪失ってあるの?だって、それだけつらい思いをしたのに?


って、おもったけど。


人間の脳にはそういう、優しい機能もついているらしい。


そこが、スマホとは、ちがうんだろうなあ。


って、スマホと比べるのは、スマホきらいな春馬くんのせいだね?


私たちはであった日よりスマホの強化ガラス越しに会話していたことが圧倒的に多い。


けど。


ーいまの時代だから、かんたんに顔をみて会話ができる。だから、


「やっぱり便利だなあ」


私と春馬くんはいまの時代たから、あの経験があったから。


ー初恋がみのった。


「ほんとに実かは、これからなんだよね?」


春馬くんにキスされるのはドキドキするけど好き。大きな手でやさしく頭をなでられるのも安心する。


ただ、


ーまだ、ちっょと、こわい。


明日菜が男性恐怖症なのは、わかってるよ?


そうやさしく言ってくれたのに、


ーびっくりした。


春馬くんも男の人だって強く思って、


ーでも、怖かったけど、


「・・・・」


うまく言えない。


し、まだ、きっと私はそれでいい。


だって、それくらいの意地悪はしてもいい。


勝手に嫉妬して、


勝手に主人公になれないって思い込んで、


私の想いを無視してた、よ?


・・・それでも春馬くんがいい私って、


「ひな鳥のすりこみ?」


な、わけない。って思いながら、ボディーソープの泡をながした。


だって、


私たちの近距離恋愛は、はじまったばかりだから。




読んで頂きありがとうございます。


少しでも面白かったら、どんな少数でもありがたいです。


☆☆☆☆☆やブックマークよろしくお願いします。

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