彼氏と彼女と、彼女のまどろみ。
「明日菜」
優しい手に導かれてる私は、いつのまにか温かいお湯につかっていた。
ー?
私はもう、目覚めたはずなのに。
「だいじょぶよ?明日菜」
マネージャーがやさしく笑う。
「まだまだ明日菜は休憩が必要なんだから」
優しく髪を撫でてくれる。
ただ、
「ここで寝たら危ないからダメよ?」
って、うとうとから急に目覚めさせられた、
ダメ。
じゃなく、
ダメ、よ?
決めつけじゃなく、問いかけてくれる言葉は、私をいつも楽にしてくれる。
ね?
春馬くん。
私は、いつも、
ーこんなに優しい人たちに恵まれている。
ね?
春馬くん。
私は、それでもー。
「あっ、こら、ダメだよ!起きなさい!」
半分くらい顔が沈んで、マネージャーから怒られた。
だって、
「村上くん、呼ぶよ?」
さすがにそれは、恥ずかしい。
うとうとしていた頭ん中がスッキリして、
ーあれ?今日は新婚初日?
って、びっくりした。
けど、
やっぱり、
「眠たいなら、お風呂の後。休も?」
マネージャーがやさしく手を引いてくれた。
ただ、やさしく、笑ってくれた。
ね?
春馬くん。
もう少しだけ、ゆっくり、でいいかなあ。
ーあたりまえだよ?明日菜。
きっと。みんながそう、
笑うね?
だから、私は、
いま、
ー息をしてるよ?
でも、
「あっ、こら!起きなさい!」
…お風呂て溺れるって、あるんだな。
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