2話
半月が綺麗な夜。
少女は箒に乗って街明かりを見下ろしながら空を飛ぶ。
そんな美しい情景とは裏腹に少女の顔は曇っていた。
「どこに行けば見つかるだろう…」
と少女は呟く。
少女は魔法には自信があった。
魔法だけで言えば間違いなく自分が勝つのだが…。
今回はパートナーを見つけなければならない。
それが憂鬱だった。
彼女は人を信用できない。
優秀ゆえに人の醜さを見てきたからだ。
「なるべく人が良さそうな人にしよう」
そう言いながらシャルは街に降りていった。
ストンと地面に着地すると途端に背後から声がする。
「よぉ、シャル。珍しいじゃないか。街に降りてくるなんて」
びくりとシャルの肩が震えるが声の主に気づき、安堵の声を漏らす。
「驚かさないでよ。クロエ」
シャルが声をかけた先にはニタリと笑う黒猫がいた。
「声もかけたくなるさ。学校一の秀才にして人見知りのシャル様が人間で溢れるこんなところにいるんだから」
笑いながら黒猫が続ける。
「その人間に用があるんだからしょうがないでしょ。
そうだ、クロエ。あなた誰か良い人知らない?うんと優しくて人が良さそうな人間が良い」
「パートナー探しか…もうそんな時期なんだね。しかし、優しくて人が良さそうとは…普通は強そうな人間を探すもんじゃないかい?なんともまあシャルらしいもんだね」
「戦闘は正直私一人で大丈夫なんだもん。だったら怖かったり乱暴な人は嫌だよ」
シャルがクロエを撫でる。
「まぁ確かにお前なら一人でも勝てそうだけどね。そういえば、私の仲間が最近みんなに優しくしてくれる男の子がいると言っていたよ。毎晩そこの公園にいるらしいから行ってみたらどうだい?」
シャルがおっ、と声をあげる。
「それはいいね。猫の情報網が1番信用できるよ。じゃあ、さっそく行ってくる。ありがとう、クロエ」
そう言ってシャルは公園に歩き出した。
背後でニャーゴと鳴き声がした。