おとなに なるって なんだろう?
冬童話2021投稿作品です。
成人の日をネタに何か書きたいなーと思っていたら、こんな時間に何かが降りてきました。
ちょっとシリアスめな童話になりますが、お楽しみ頂ければ幸いです。
おとなに なるって なんだろう?
おとうさんに きいてみた。
「おしごとを がんばって おいしい おさけを のむことかな」
おお そうか。
おしごとを すること。
おさけを のむこと。
それが おとなに なることか!
おかあさんにも きいてみた。
「そうねぇ。 にじゅっさいに なったら おとなって いわれるわね」
なるほど。
にじゅっさいに なれば おとな なんだ。
なんだ けっこう かんたんだな!
おとなに なれば おかしも いっぱい かえる。
おとなに なれば おそくまで おきていられる。
はやく おとなに なりたいな。
おしょうがつ おじいちゃんの おうちで おとうさんが ないていた。
ぶつだんっていう はこの まえで ないていた。
おかあさんが おしえてくれた。
「おとうさんは おばあちゃん つまり おとうさんの おかあさんと もう あえないの」
おかあさんに あえない?
きゅうに こわくなって おかあさんに とびついた。
「でも おとうさんは おとなだから がまんしてるの。
ああして おばあちゃんの ねむる ぶつだんの まえだけで なくの」
「おとなに なったら ぼくも おかあさんに あえなくなるの?」
おとなは おかあさんと あえなくても がまんしなきゃ いけないのかな。
そんなの やだな。
そんなの こわいな。
「だいじょうぶ」
おかあさんは やさしく なでてくれた。
「おとなに なるまでには いっぱい じかんが あるわ。
それまで いっぱい たのしい おもいでを つくろうね」
「おもいで?」
「そう。 おもいでが あれば さびしくても かなしくても がんばれるから」
「おもいでが いっぱい あるのが おとな?」
おかあさんは ちょっと わらった。
「そうね。 それが おとなに なること かもね」
それから ぼくは おとうさんと おかあさんと いっぱい おもいでを つくることにした。
あそんだり ごはんをたべたり おてつだいしたり
おこられたり ないたり わらったり ぎゅってしてもらったり。
おとなに なるって たいへんだ。
でも きっと ぼくは おとうさんや おかあさんみたいな りっぱな おとなに なるんだ。
でも おかあさんに だっこされるときは もうちょっと こどもが いいかなって おもっちゃうんだ。
読了ありがとうございました。
……こ、答えを求めて問いかける事は『さがしもの』と言っても良いんじゃないかと!
ちょっとテーマの外角低めギリギリ感はありますが、バッターがバットを振ればストライクですから!
冗談はさておき。
子どもに『大人になるってどういう事?』とリアルに聞かれたら皆様どうされます?
以前聞いた『子どもに戻りたくなったら大人』という答えはなかなか真理かと思いましたが、皆様の意見も感想やメッセージで頂けたら嬉しいです。
……仕事柄、いつ聞かれてもおかしくないんですよ(切実)。
冬童話ももうすぐ締め切りですね。もし期限までに書けましたら、またよろしくお願いいたします。