絶海
見ても、聴いてもいけない
ましてや声を出すなど、考えられない
そんな世界を漂い行くは
倦み疲れ果てた、無数の小舟
狂っているのは、世界の方だ
だから世界から離れるんだと
岸からそそくさ、船体を離す
そして、集中するんだ
その手に握った、端末に
その指でめくる、ページに
その目で見る、文字に
唯一己の意思を映し出せる
その、オールに
そうして人は、世界を絶って
体だけが、無数に行き交い
やっぱり、世界は狂っていると
私は思い、離岸する
見ても、聴いてもいけない
ましてや声を出すなど、考えられない
そんな世界を漂い行くは
倦み疲れ果てた、無数の小舟
狂っているのは、世界の方だ
だから世界から離れるんだと
岸からそそくさ、船体を離す
そして、集中するんだ
その手に握った、端末に
その指でめくる、ページに
その目で見る、文字に
唯一己の意思を映し出せる
その、オールに
そうして人は、世界を絶って
体だけが、無数に行き交い
やっぱり、世界は狂っていると
私は思い、離岸する
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