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【100万PV突破!!】重力魔術士の異世界事変  作者: かじ
第5章 戦争
145/159

第145話 ギネスとジャベール

こんにちは。

ブックマークや評価をいただいた方、有難うございます。とても励みになります。

更新催促の感想ありがとうございます。楽しみにしてくれているのが伝わってきてとても嬉しいです。

第145話です。宜しくお願いします。




 ガッッッッッッッッ…………!!!!




 ぶつかり合う刃と刃。


 その衝撃に2人の足元から地面がグオングオンと液体のように波打ち、数百メートルと広がる。



 ガガガガガガガガガァンンン!!!!



 数瞬遅れて、波打った地面はバキバキに割れた。


 大地の破片が降り注ぐ中、向かい合う両者。その口元には共に笑みが見える。使用者の体格にあった2つの剣は、まるでナイフとロングソードだ。


 つばぜり合いから互いを弾き、ギネスとギルガメッシュは20メートルほど距離を取った。再びギネスが踏み出そうとした時、ギルガメッシュが問い掛ける。


「貴様、なぜまだついて来れる……?」


 怪訝な目でギルガメッシュはギネスを睨み付ける。


 そう。ユニークスキル『制動』を封じられ、ここからは一方的な展開になるかと思いきや、それでもなおギネスはギルガメッシュと平等以上に渡り合っていた。


「ははは、だろうな。俺だって驚いたぜ? この歳になって新たに知識を得ることがあるとはな」


 そう言ってギネスは不敵に笑う。


 ギネスはユニークスキル『加速』で貯めていたエネルギーを自分の筋力や推進力に変えることでギルガメッシュと戦うことができる。だが、貯めたエネルギーはここぞという時に使う方が良いとギネスは考えていた。


 そこで役に立ったのが、ユウに師事してもらった『魔力操作』だ。この1ヶ月間、ギネスは寝る間を惜しんで修行に励み、そして属性魔力を纏うところまでを完璧にマスターしてみせた。まさに才能の鬼とは彼のことを言うだろう。その習得の速さはユウの次に出るほどだ。

 ちなみにジャベールは元々魔力を持たないため、習得は無理だった。


 結果として、ギネスほどの魔力ならば身体強化のみでギルガメッシュと渡り合うことができていた。


「全く、あいつにはいくら礼を言っても足りねぇな」


 ギネスはこの状況を楽しみながら笑うと、全身の筋肉へ自身の濃厚な魔力を染み渡らせた。淡い光に包まれるギネスの肉体。


 そして2人の姿はかき消えた。


 


 ガッ、ガガ…………ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!




 2人の戦闘は速すぎて将軍クラスですら視認できない。ぶつかり合って起きた光と爆発だけが駆け回るように地面を進んでいく。


 数えるのも億劫になるほどの無数の剣撃は周辺の空間を埋めつくし、内部にあるもの全てを無限に斬り刻んだ。戦闘に巻き込まれた岩は小石となり、最後には砂利、砂となって風に舞う。周囲が物理的に砂漠と化していくようだ。


「これでも食い付いてくるのか……」


 憎らしげにギネスを睨むギルガメッシュ。


「はっ! 何を上からものを言ってやがる若造…………!」


 ギネスの剣がギルガメッシュの頬を掠める。それでも身体強化はまだ全開ではない。さらに畳み掛けた。



 ドシュシュシュッ!!!!



 ギネスの三連撃がギルガメッシュの右肩、左足、左脇腹をさらに斬り裂く。致命傷とまではいかないが、まともに入った。

 一瞬動きの止まるギルガメッシュ。大将が押されているを見てざわめく帝国兵たち。


 だが。




「うっとおしいわあああああああああああああああああああ!!!!」



 

 大剣の横向きの大振りでギネスを引き剥がした。体重の軽いギネスは簡単に吹き飛ばされるがダメージはない。風に舞う羽毛のようにふわりと着地する。


「どうした? 黒魔力とやらで再生させないのか?」


 ギネスは油断なく剣を構えたままアゴを上げて挑発する。


「……そこまで知っているのか」


 ギルガメッシュら態度を変え、感心したようにギネスを見る。


「だが黒魔力は必要はない。なぜなら…………」



 ビキキキ…………!!!!



 ギルガメッシュの立つ地面にヒビが走ったかと思うと、彼の存在感がさらに増した。





「『復讐のギア』、()()()()()だ」





 今のギネスですら、ギルガメッシュの存在値の上昇にプレッシャーを覚えた。


「ちっ、あの程度のダメージで上がるのか…………!」


 しまったと反省するギネス。なったからには仕方ないと、すぐに頭を切り替え、一撃で仕留める方法を模索し始める。


「もはや貴様でも…………」


 ハイになっているのか、瞳孔が開いたように見える目をさらに見開き両手を広げて煽るギルガメッシュ。立ち昇る存在感。


 言葉の途中でギネスは動いた。


「それほどの余裕があるのか?」


 ギネスは溜め込んでいた『加速』のエネルギーを一部、身体強化に重ねて解放し、一瞬でギルガメッシュの目の前に現れた。速度だけなら先ほどの倍以上! だがブチブチとふくらはぎの筋肉が断裂する音がどこかで聴こえた。


 これで仕留める……!!


 ギネスは一気に剣を握った両手を心臓目掛け、渾身の力で突き出す!





 ドスッ……………………。





「あ……!?」


 ギネスの剣は、ギルガメッシュの胸に突き立てたはずだった。だが、それはギルガメッシュの筋肉によって受け止められ、それ以上進むことはなかった。


「おいおい…………そりゃ、ねぇだろ」


 ギネスは自虐的な歪んだ笑みを浮かべ、汗がアゴを伝う……。


「はぁ…………」


 ギルガメッシュはため息をつくと、余裕綽々でギネスの剣を掴み、グイッと押し返す。


「お、おい…………」

 

 困惑するギネスを他所に、ギルガメッシュはスタスタと歩きながら話し始めた。


「残念。これでわかっただろ。やるだけ無駄だ。お前ほどの男を殺したくはない。こっちにこいギネス。お前なら良いポジションを与えてやれる」


「死んでもごめんだな」


 食いぎみで即答するギネス。


「やれやれ…………」


 いかにも残念だというジェスチャーで肩をすくめるギルガメッシュ。


 ギネスは話を聞いているふりをしながらも、頭をフル回転させ今のギルガメッシュを殺す方法を模索していた。



ーーーー考えろ。今のあいつを一撃で殺せるだけの…………いや、そうか。



「…………なぁおい、教えてくれ」


 時間稼ぎを兼ね、ギネスはずっと気になっていることを聞いた。


 ギネスからの質問に、ギルガメッシュは目を向ける。


「…………王国貴族、マードックのクーデター。あれもお前が仕組んだのか?」


 ギネスが目を細めてギルガメッシュを睨む。


「…………」


 ギルガメッシュは面白そうに腕を組んでギネスを見下ろすだけだ。ギネスはさらに話を続ける。


「お前は帝国軍総大将、そして総統。実質、帝国の最高位だ。だがな、お前は裏でコソコソできるタイプじゃねぇ………」


 ギネスは言葉をためた。




「…………今の帝国を()()()()()()()奴は誰だ?」


 


 ギネスは疑問だった。ギルガメッシュとやり合ったことがある以上、ある程度奴の性格もわかっている。それを加味すると、これまでの帝国のやり方はどうもギルガメッシュらしくない。

 つまり、指揮をとっているのは別の誰か。そいつを倒さない限り、この戦争は終わらないのではないかと。


 それを聞いてギルガメッシュは若干の驚きを表情に見せた。


「そうか…………お前はやはり、頭が切れる」


 ギルガメッシュの表情にわずかに真剣さが宿る。


「こりゃ、いるな…………」


 ギネスは切り替えた。こいつを倒して終わりではない。そいつこそが真の黒幕なのだと。



◆◆



 ギネスのユニークスキル『加速』には2種類の使い方がある。

 1つは自分の肉体にエネルギーを付加し、筋力を高めるという方法。もう1つは純粋な熱エネルギーとして放つ方法だ。


 前者は先ほどからすでに使用している。そして後者は格段に威力はあるが、放つにはタメが必要であり、そうすればまず当たらない。


 だが逆に言えば、隙さえ作れれば、撃てる。


 ギネスはそう考えていた。 


 かつて『理』の一撃を相殺したこともあるこれなら、ギルガメッシュとて耐えられないはず。確実に仕留められる。問題はどうやって隙を作るか。


 頭を働かせながら向かい合うギネスとギルガメッシュ。その時、ギルガメッシュの背後から影が差し、野太い声が聴こえた。




「調子に、のるなよ小僧…………!」




 そいつはビキキキと鳴るほど歯を食い縛り、血管を何本も額に浮かべるほどの力を込めてギルガメッシュの頭を鷲掴みにすると、そのまま地面に向かって叩き付ける!!


「あ…………?」


 ギネスだけに集中していたギルガメッシュは完全に虚をつかれた。頭を掴まれたまま、マヌケな声を出す。


 ギルガメッシュの視界には、一瞬で地面が迫った。






 バッッッッッッッッ…………ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンン………………!!!!






 大地は崩壊。帝国軍の陣や王都を襲うローグたちすら巻き込むほどのクレーターを作り出した。



 そして、王都がレムリア山ごと西に6度傾いた…………!



 もはや人間の力ではない。隕石が落ちたような大災害。


「ジャベール!」


 ギネスが名前を呼ぶ。


 ジャベールは生きていた。だが全身くまなく皮下出血。骨折24箇所。骨折した骨を筋肉で支えている。立っているだけでも不思議なほど。それを上回るは何者にも負けない精神力の高さ。


 そしてそのひげ面で猛々しく獣が吠えるように叫んだ。




「ギネェェェス! こいつを殺すぞ!」




 ギネスは呆れた表情だが、どこか嬉しそうに笑う。


「…………ああ、もちろんだ」



◆◆



「かっかっか!」


 ギルガメッシュは顔を地面に埋めたまま笑い声を上げた。


「むっ…………」


 後頭部を押さえつけているジャベールをはね除け、身体を起こした。


「まだ息があったとは嬉しい誤算だ。お前は間違いなく最強の『魔の人』になるだろう。おい、部下になれ」


 そう言うと右手を差し出すギルガメッシュ。弾き飛ばされたジャベールは20メートルほど離れて着地すると、それを拒んだ。


「誰が貴様なんぞの…………。一生土でも舐めていろ!」


「ふん、まぁ最悪、新鮮な死体なら『魔の人』になれる。ならばさっさっとこの場で死ぬことだ」


 ギルガメッシュは脚をたわめると山なりにジャンプし、大剣をジャベールに振り下ろす。先ほどよりもさらに速くなっている。



 ガッ…………!



 ジャベールに届くよりも速く回り込んだギネスが、ジャベールの前で大剣を剣で受け止めた。


「んぐっ!?」


 ギネスがその重さに耐えきれずにズガンッと叩き付けられるように地面に埋まった。


 だが、その隙にジャベールが動いた。彼の左拳がギルガメッシュの左頬にモロにヒットする。



 ガツンッ…………。



 ギルガメッシュの口から奥歯が3本折れて飛び出した。そのまま仰向けに吹き飛んでいく。


 ジャベールはそれを追った。そして、ジャンプしギルガメッシュの腹に、腰を軸に回転させた回し蹴りを真上からぶちこんだ!

 ズドンと弾丸のごとく地面に身体をめり込ませるギルガメッシュ。


「ぐ…………っ」


 地面に手をつき、起き上がろうとするところへ、着地するジャベールの膝が再び腹にドボッとめり込んだ。


 ジャベールの膝関節がギルガメッシュの腹にまともに衝撃を与え、内臓を破壊せんと押し潰す…………!



「ごばぁ!」



 身体ごと、くの字に折れ曲がったギルガメッシュが思い切り吐血した。


 これは、さすがに効いた。


 だがジャベールは止まらない。ギルガメッシュに馬乗りになったまま目に止まらぬ速さの連続の殴打を彼の顔面に向かって打ち続ける。もはや岩盤ごと砕け、クレーターが広がっていく。


 先ほどはジャベールはまだ全力を出せていなかった。数十年押さえ込んでいた力を急に解放できるわけがない。その感覚がようやくジャベールに戻ってきたようだ。

 そして、さらに今ドバドバと脳内に溢れるアドレナリンがジャベールの生物としてのリミッターを破壊し、ステータス以上、もはや今のギルガメッシュをも押さえつけるパワーを産み出していた。


「俺ごとやれ! ギネス!」


 ジャベールは自分の真上から狙うギネスに叫んだ。


「……………………っ! ああ、わかった」


 ここしかない。ギネスはジャベールの覚悟に貯めていたエネルギーを全て解放することを決めた。それは、かつてクロム先生を『理』の攻撃から守ったもの同じだ。


 ジャベールはギルガメッシュが逃げ出さないよう、全身の力を振り絞って殴り続ける。もはや、衝撃に岩盤が耐えきれずにどんどんと地下へと進んでいく。



 ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!



 ギルガメッシュの視界、自身を殴り続けるひげ面のジャベールの背景に、空中の飛び上がったギネスの姿が見えた。


「おい…………くそっ!」


 何かしてくる。


 そう感じ焦りを見せるギルガメッシュだったが、ジャベールによって動くことができない。



「せめて死ねよ…………」



 ギネスは右手を前に突きだし、それを支えるように左手で右腕を掴む。右手の平を射出口として体内に保管していた全エネルギーを撃ち出した…………!




 カッッッッッッッッッッ!!!!




「お、おい! どけっ貴様!」


 珍しく慌てるギルガメッシュ。だが、ジャベールは逃がさない。


 降り注ぐエネルギーの塊に、ついに視界が真っ白に染まるギルガメッシュ。


「はははははは!!!! あばよ…………!」


 覚悟と共にぼろぼろの身体で、背中に迫り来る巨大な力の塊を感じ勝ち誇ったひげ面の笑みを見せるジャベール。

 

 そして








 ドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ………………………………ンンンンンンンンンン。








 光の塊とともに、ギルガメッシュとジャベールの姿は地面に押し付けられ、押し潰される形で見えなくなった。


 凝縮されたエネルギーは無駄な破壊をしない。


 ギネスが200年以上貯めていたエネルギーは魔力崩壊砲など比較にならない。全てを純粋に放出した結果、先端部分では摂氏1億℃を超え、岩石を一瞬で蒸発させながら地下数万メートルまで綺麗にくり貫いた。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………!」


 ギネスはできた穴のフチにへたりこみ、上を向き澄み渡る高い青空を見上げた。汗が吹き出し、呼吸を整えるのに苦労する。ギネスの視界の端には、穴の側面から出る白い煙が写っている。


 本気の本気。タイミングも完璧、全力で撃った。これ以上はもうないと思えるほどに。ギネスの全身を、感じたことのない倦怠感が襲ってきている。


 だからこそわかる。



「ジャベールは…………もう生きちゃいねぇ」


 

 ギネスは口をへの字に曲げた。


 友を失い、彼の唇が震えた。


 まともにジャベールを巻き込んだ。あのタイミング、ギルガメッシュを逃がさないため逃げられていないのは明らかだった。


「でも…………これで、王国は…………」


 そう言いかけた時、



 ガッ。



 空いた穴の淵に手が掛かった。ピクッとギネスは反応し、ついに顔を青ざめさせた。


「おいおい、嘘だろ…………!」


 震えるギネスの声。

 


「あ゛ぁ゛、はぁはぁ……! やっでくれ、たな。今の…………が、お前の隠し種、だったというわげか」



 それは聞き取るのも難しいほどの、ガラガラの声だ。喉が焼けてるのだろう。



 その声の主はもちろんーーーーーーーーギルガメッシュだ。



 奴は黒焦げのジャベールを鷲掴みにしたまま、穴の底から現れた。彼の金髪は綺麗さっぱり燃え、スキンヘッドになっている。皮膚も所々が黒く焦げ固まっているが、溢れる活力は衰えていない。

 それに対して動かなくなったジャベールのシルエットは炭化し痩せ干そっている。ただの人型の黒い物体と化していた。


「さすがはギネス、予想以上だった。今のをあと1発も食らえば俺も死ぬかもな」


 徐々に喉が治ってきたのか、聞き取りやすくなってきた。

 ギルガメッシュのその発言を聞いてギネスは呆れたように渇き切った笑いを見せた。


「…………そこは死んどけよ。人としてよ」


 そう悪態をつくと、ギネスは剣を担いでよろよろと立ち上がる。


ーーーーここで諦めれば、ジャベールに殴られるだろう。


 全てを出し尽くしたかと思われたギネスは、犠牲になったジャベールを思い、戦う意思を再起させた。


 それを見て、嬉しそうにするギルガメッシュ。


「ふん、まだやる気か! それでこそ俺のライバルだ…………! だが、残念な知らせがある」


 そう言いながらも、全く残念そうには見えないギルガメッシュ。


 彼の存在感が、さらに急上昇した。



 ビキキキキキキ…………!



 もはや、彼を中心に地面に渦を巻くような模様が生まれる。そして囁くように言った。




「…………()()()()()だ」




 ニヤリと耳まで裂けそうな笑みを浮かべる。


「……化け物が」


 ゾッとしながらも、ギネスはへへっと笑うと右手の袖で汗をぬぐった。


 顔には見せないギネスだったが、実は長い時を生きた彼も過去で一番焦っていた。『理』に襲われた時とは違い、相手は王国への侵略者だ。


「さぁ、どれほどの力か…………」


 そう自分の力を試すのが楽しみでならない子供のように呟きながら、ギルガメッシュはジャベールを乱暴に投げ捨てると、ギネスに突進した。


「な…………!」


 ギネスの予想の遥か上をゆく速度に、ギネスは剣を構えることすら間に合わなかった。


 

 ズシュッ…………ッッッッ……………………ポタッ、ポタッ。




「かっ! ぶっ…………!」




 ギルガメッシュの大剣がギネスの小さな身体の右胸を貫いた。ギネスは目を見開き、左手で胸をかきむしり苦しそうに呼吸を空気を求める。

 大剣は幅広であるがゆえに、鎖骨から骨盤までを縦に断ち切って刺さっている。吐血どころですまない。




ーーーーーーーー即死。




 だがギルガメッシュの真横から、ギネスの声が聞こえた。


「危ね…………」


 大剣に貫かれたギネスの姿が揺らめくと、消え去った。驚いたギルガメッシュが声をした方を振り返る。


「妙な感触だと思ったが、まだそんなスキルを隠してたとはな……」


「これは俺のじゃねぇ。剣のスキルだ」


 トントンと肩に剣を乗せ、ギネスは答えた。


 ギネスの剣『幻星剣』はSSSランク最上位だ。ユウに魔力操作を教わるまではただの切れ味の良い剣という認識だったが、魔力を込めることで自分の蜃気楼を作り出せるスキルを持つことがわかった。

 それに大した魔力を消費しないためコスパがよく、使い勝手が非常に良い。


「ちっ」


 舌打ちするギルガメッシュ。流れを取り戻すギネスだったが、さらに気を引き締めた。


 …………想定外だ。今のは全く見えなかった。分身じゃなきゃ死んでた。


 ギルガメッシュは先程よりも格段に速度が上がり、もはや今のギネスでは真正面から戦うことはできない。つまり、本体を見破られた時が最後だ。

 しかし『加速』を使い果たしたギネスにはまだやっていないことがあった。これが本当の本当にギネスの奥の手だ。


 ギネスは自身の最も得意とする雷属性の魔力を纏う。9万を超えるえげつない魔力保有量のギネスが魔力の纒を行うと、龍が力を解放した以上の規模で環境への影響が起きる。

 雷雲が空に渦巻き始め、王都を覆う程の大きさになると、バリバリと雷の轟音を響かせ始める。そして溢れだした雷は王都周辺に落ち始めた。


「はははは! 今度はなんだ!」


 まだ底を見せないギネスに興奮するギルガメッシュ。



◆◆



「な、なんて戦いだ……」


 ローグの侵攻を食い止め続けるオーウェン国王は、隣で起こる大地を揺るがすレベルの戦闘に鳥肌が止まらなかった。王都を守るために掘られたお堀の水が、ギネスたちの戦いでチャプチャプと波打っている。



 そう、王都から見える景色はまるでーーーー『終末』。



「まるで、王都が無事なのが奇跡のようですね」


「全くだ」


 王都への影響はユウが結界を張り続け、戦闘の余波を完全に防いでいるおかげだ。


 オーウェンたちはまだローグたちを王都に近付けることを防ぐことができていた。


 堀の中にはローグの人ではない白い骨が底に積み重なり、まだなお溶けているのかブクブクの泡が生まれている。それらのローグの死体は水位の4分の3ほどにまで達してきている。

 さらに、酸も中和し続けると弱まるように、度重なる黒魔力を持ったローグを浄化し続けた堀の神聖魔力の水はその効力を着実に弱めていた。


「このままだと…………あの堀の防衛ラインが破られるのも時間の問題だ。神聖魔力が弱まってきている」


 オーウェンはガリッと爪を噛みながら堀の方を睨んだ。


「ですが堀を越えられたとしてもまだまだ防衛ラインはあります」


「いや、最も効果的な堀を破られるのはまずい…………」


 とその時、



「がるるるぅぅあああ!!!!」



 1匹の、背骨が30メートル以上と異様に長いローグが神聖魔法の堀の水に溶けながら、ヘビのように身体をくねらせて50メートルの幅がある堀を泳いで向かってきた。肌色の皮膚は神聖魔法でほとんどシューシューと溶けているが、むき出しになった白い背骨は溶けるのに時間がかかるようだ。


 そのローグが遂に王都側にたどり着き、頭を地上に乗せたところで力尽きた。だがその身体はまだ堀の半ばほどまで伸びたまま浮かんでいる。


「ぐるるああ!」


 獣型の体重の軽いローグが、その背骨のローグの上に飛び乗り、そこから堀を飛び越えた。



「来たぞおおおおお!!!!」



 今までで一番接近したことで兵士たちにも緊張が走る。


 そのためか、そのローグに対して過剰とも言える大量の魔法と弓矢が浴びせられた。その数は兵士たちのローグに対する恐怖を表しているようだ。


「何とかせねばなるまい……王族しか神聖魔法は使えん。私が直接堀へ出向き神聖魔法を掛けてこよう」


 そう言って、防壁のヘリに足を掛けて飛び下りようとするオーウェン国王。


「「「国王様!?」」」


 慌てて近衛兵たちがオーウェンの肩を掴んで下がらせた。


「離せ貴様ら! これは王族にしかできんのだ!」


 近衛兵の制止を振り切ろうとするオーウェン。その時




「それなら私が行きます!」




 声がした方を振り向けば、そこにいたのはキラキラと輝く純白の魔術士ローブを着こんだキーナ王女だった。


「「王女様!?」」


 この場に来ていることに兵士たちは驚いた。


「どっ、どうしてこんな危険なところへ! 早く避難してください」


 近衛兵がキーナ王女に駆け寄り、ローグの方へ意識を向けながら話しかける。だが


「この場にいる王族で魔力が一番強いのは私です」


 キッパリと決意の目で断言するキーナ王女。オーウェンも暴れる手を止め、キーナを見た。


「…………確かに、そうだ」


 オーウェンは呟いた。


「国王様!?」


 防壁の上にいる近衛兵たちはさらに驚く。


 行動力のある若い王族たちに臣下たちは振り回されていた。

 

「お兄様」


 キーナ王女は胸の前で手を握りながら、お願いするようにオーウェンに駆け寄った。


「いけるかキーナ」


「はい!」


 時は一刻も争うため、キーナは防壁から飛び下りようとする。


「ちょっ、キーナ王女!?」


 止めようとする近衛兵たちの手をすり抜け、スカートをはためかせ綺麗な白い太ももをちらつかせながらそのまま王都の外へと飛び出した!


 慌てて近衛兵たちもキーナ王女の後へと続く。

 

「お主らよいか! 今から妹が堀の水を強化するため、堀に神聖魔法をかける! 何としても彼女を守れ!」


 突然の命令に動揺する兵士たちだったが、現場の指揮官が即座に堀へ群がるローグたちへ魔法を集中させるように指示を出す。


 だとしても下へ降りたのはキーナ王女と近衛兵の5人のみ。前方を5人でVの字に固め、真ん中に王女を入れた陣形で堀へと走っていく。


「うっ、酷い死臭です…………」


 下へと降りた王女だったが、その臭いに長い服の袖を口に当てる。堀で溶けて死んだローグたちが生み出す臭いに思わずえずくほどだった。幸い防壁から堀までは50メートルほどしかない。


 だが、獲物が向こうから近付いてきたのが見えたローグたちはと言えば、エサが自ら近付いてきたため興奮していた。今までよりも、さらに堀を飛び越えて王女を食べようとするローグが増える。


 巨人族を遥かに超える人型のローグがのそのそと仲間を踏み潰しながら現れた。身長は50メートルほどだが腕の長さは60メートルを越えており、両腕をズルズルと地面に引きずるようにして進んでいる。


「なんだアイツは…………!」


 何か異様な空気を感じ取った兵士たちもそのローグを警戒する。


 その時、奴は近くにいた人間サイズのローグ複数人を鷲掴みにすると、そのまま腕をギリギリと後ろに引き絞った。アンダースローのような構えだ。


「ひっ…………!」


 王女は目をつむると手を胸の前で握っては怯えながら身を屈める。


「王女さ…………!!」


 とっさに近衛兵たちが王女の盾となるべく、前に出ようとする。


 その1メートル上を、投げつけられたローグが散弾のようにとんでもない速度で通過し、



 ッッッッ、ビシャアアアンンン!!!!



 防壁へと叩き付けられシミとなった。


「…………なっ」


 近衛兵たちが反応できる速度ではなかった。


「おっ、王女様! 一度退きましょう! 奴は危険過ぎます!」


 近衛兵の1人が、とんでもないエネルギーの塊の投擲力にそう進言する。まともに当たれば彼らでは盾にすらなれないことを理解したのだ。


「いけません! この場に来た以上、退くことはできません!」


 だがキーナ王女も折れない。


 彼女は、ここで下がるより自分の命を犠牲にしてでもここの防衛ラインを修復することが王都のために重要だと理解していた。


 もめる王女と近衛兵たちを尻目に、その巨人ローグはもぞもぞと次に投げるローグを捕まえようとしている。さすがに他のローグたちも投げられるのは勘弁だと、逃げ惑っていた。


「ですが、このままでは……!」


 その間、オーウェン国王の指示で巨人ローグに向かって防壁の上からあらゆる攻撃魔法が撃ち込まれる。だが、ローグが巨大過ぎて多少の傷は時間稼ぎにしかならない。直ぐ様修復されてしまうようだ。

 そして、巨人ローグは次のローグをムンズと鷲掴みにして捕まえた。


 その時



 ーーーー王都の上を飛来する1つの影。



 巨人ローグはゴゴゴゴッと掴まえたローグたちをミチミチと握り潰しながら、再びアンダースローのようにグググッと引き絞る。


「王女!!」


 近衛兵たちは堪えきれず、せめてとキーナ王女の上に覆い被さった。


 しかし、




 ズズンンンンンンンンッッッッ!!!!




 上からの圧力に地面に押し付けられ、そのまま巨人ローグは立ったまま空き缶のように潰された。



「「「「は…………?」」」」



 突然の轟音に近衛兵たちは恐る恐る細目を開ける。


 そこには先ほどまでいた巨人の姿がすっかりなくなっている。


「な、何が起きたのです?」


 覆い被された一番下で、重さに息苦しそうにしながらキーナ王女が顔を上げる。


 すると



「やれやれ…………」



 その声がした方へオーウェンやキーナ王女が目を向けると、そこには100メートルほど上空に浮かびマントをはためかせる魔王ーーーーいや、ドクロがいた。


「あ、あれは……500年前に王都を壊滅寸前までに追いやったとされる…………い、いやそれはないはず。奴は…………?」


 オーウェン国王は突然現れたその者が、敵なのか味方なのか、数秒の間にいく通りもの考えを巡らせる。



ーーーーどうする!? 外見は魔物。だが、今の魔法の標的はローグの方だった…………?



「国王様! 味方! 彼は味方です!」


 オーウェンの目の前で膝をつき、頭を垂れながら必死で説明をする男たち。息を切らし、いかに急いで来たかがわかる。


「味方だと!? いやそれよりもお前たちは…………!」


 そこにいたのは、帝国軍の捕虜にされていた騎士団たちだった。彼らはドクロに救出された後、王都の中を突っ切ってここまで助勢に来たのだった。その数およそ1万人。


「そうか、無事だったか…………!」


 安堵と嬉しさで思わず笑みのこぼれるオーウェン国王。そこに騎士たちから頼もしい声がかけられた。




「「「「国王様、我々も共に戦います!!!!」」」」




◆◆



 その頃、


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………くそ」


 ついにギネスの息が上がり、足を止めていた。いや、ついに限界が訪れ動けなくなっていた。

 対し、ギルガメッシュは全身傷だらけだが平気な顔をしている。


「どうした。手を貸してやろうか?」


 ギルガメッシュが優しくギネスを挑発する。


 すでにギネスは貯めていた運動エネルギーを自身の筋力に上乗せし、雷属性の魔力を身体と武器に纏っていた。それでいて押し負けているのだ。

 そして今、その雷の纒すら解けてしまった。


 普通に考えて、あいつはあのジャベールと正面から殴り合って勝ってる! 素の身体能力において奴を負かすのは無理だ。何か手を考えねぇと…………!


「終わりだな。あの時とは真逆か」


 ギルガメッシュがさらに煽る。


 ギネスがギルガメッシュと帝国のコロシアムで戦った時、『制動』を封じられてもなお、純粋な戦闘の技術面のみでギルガメッシュを上回った。それだけギネスの技術は磨かれていた。


 そしてその時は、ギネスは観客のブーイングの中、ギルガメッシュにトドメを差さなかった。常に力を追い求め勝ち続けてきたギルガメッシュは、後にも先にもギネスにだけ勝てなかったことで彼に異常に執着していた。


「殺せる時に殺しておかねぇからこうなる。わかったかあまちゃんが」


 ギルガメッシュは、片膝をつくギネスの頭の上に大剣を構えた。唐竹割りにする位置だ。


「ははは…………そうだな。俺が甘かった。あの時、トドメをさしておけばこれほど大勢が死ぬことはなかった」


 自信満々に生きてきたギネス。

 だが今彼は、自分の行いを本気で悔いていた。


「そうだ。これは貴様の過ち。その責任は貴様ら全国民にある」


 ギルガメッシュの国民という言葉に、ギネスは土を手のひらで握りしめる。


 彼は諦めるのを止めた。


「…………いや、責任を取るのは俺だけでいい」



 そうだ、そもそも俺の本来の役割は……………………。



 追い詰められ、視野狭窄してしまっていたギネス。彼は何かを思い出した。


 ギネスは下を向くと、フッと笑って呟く。




「あとは頼むぜ()()




「無駄だ。憲兵はもう死んだ。貴様が殺したのだからな。もう意識も定かではないか」


 それは違う。


 ギネスは残りの魔力をすべて剣に注ぎ、自分の分身で戦場を埋め尽くす。


 ギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネスギネス…………。


 見渡す限りのギネスの分身たち。


「おいおい…………」


 それを見たギルガメッシュの呆れた声が聞こえた。


「なんのつもりだ。わずかな魔力を無駄遣いし、くだらん幻想で俺を殺せると思ったか!?」


 ギネスたちは何も言わずに各々がぞろぞろと剣を構えた。


 そして一斉に飛び掛かるのではなく、取り囲んだギルガメッシュを背後から少人数ずつで斬りかかる。

 幻想とて、ギネス本人のそっくりのコピーであるため、存在感もあれば殺気も放つ。だが、ギルガメッシュの大剣が当たれば、すぐに霧へと帰る。


「これ以上時間稼ぎをして何になる?」


 速度、剣技ともにギネスそのものであるため、ギルガメッシュは一切油断はできない。確かに神経をすり減らすが、決定打には及ばない。



「…………もういい、お前の負けだ! 人間界に俺を殺せる者などもういない!」


 

 そう叫んだ瞬間、ギネスの剣がギルガメッシュの肩を背後から貫いた…………!


 先ほどとは違い、剣先に魔力を集中させることで威力を極限まで高め、分身のギネス5人がかりで剣を押し込んでいる。だがフラフラのギネスは膝から崩れ落ちると、もはやギルガメッシュにもたれ掛かっていた。


「まだ、だ…………。少しでもてめぇを削る…………!」


 もはや目の焦点が合わないほどの疲労を抱えたギネスはそれでも剣を握った。



「がっかりさせるな…………もう貴様は限界だろう!」



 ギルガメッシュの振り向き様のひと振りで残っていた分身は消え去る。


「はぁ、はぁ…………た、しかに…………もう俺たちの時代は終わりかもな」

 

 片膝をつき、ぜぇぜぇと苦しそうに呼吸をする最後の1人。間違いなく本物のギネスだ。

 全てを出しきり、顔を上げることすらできない彼の首にギルガメッシュの何千人もの命を奪ってきた血に濡れた大剣がピタリと添えられる。


「それが、遺言か?」


 ギルガメッシュは冷たい目でギネスを見下ろしながら大剣に力を入れる。刃を引いてギネスの首を落とそうとする。だが、




 ガッ…………!




ーーーー突然、ギルガメッシュの大剣の柄を掴む者。 


 

 その手は大柄ではないものの、ギルガメッシュがピクリとも動かせない腕力を携えていた。


「あ?」


 ギルガメッシュの脳裏には一瞬ジャベールが浮かんだが、先ほどの炭化した彼の姿を思い出し、すぐに考えを変える。


 一体誰っ…………!


 振り向いたギルガメッシュの視界には、ドでかく拳が向かっていた。






 メギョッッッッッッッッッッッ!!!!






「がっ! 」


 正面からぶちこまれた拳は、ギルガメッシュの鼻骨を折る。そのまま地面をバウンドしながら吹き飛んでいくギルガメッシュ。


 それを放ったのは、バチバチと誰よりも存在感を放つ男。


 

「悪い、待たせたな」



 聞き覚えのある声に、ギネスはドサッと力が抜けたように尻餅をつく。そして、笑いながら言った。



「遅いぞ、()()



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