1 始まりの終わり 地図にのっていない村に帰省します。
新連載に挑戦します。
またもや、脳内プロットで始めます。
なので、指摘やいいところがあったら感想の欄でもなくてもいいから教えてください。
まだ、一話なのでどう転ぶか作者もわかりません。
でも、やってみたかったことなので過去作よりかは成功するように頑張りますので応援して下さい。
応援してくれると嬉しいな~。
どうにも街は俺には合わないと後で自覚してしまう。
何が苦手なのかは自分でもハッキリとはわからない。僻地出身の俺でも友達はできたし、友達と都会に遊びにも行った。正直に言えば嫌じゃない。
しかし、なにか違和感が生まれてくる。
ここは、俺の居場所じゃない?
「どっしたの? 姫路。やたらと深刻そうな顔をしてさ」
姫路殿太。俺の名前だ。男だか女だかよくわからない名前だが高一の男子である。中背中肉のどこにでもいるありふれたモブだと自分では認識している。
そして、俺に声をかけたのがこれまたどこにもありふれた普通の女子で高角桜良というクラスメイトだ。放課後、俺と帰りたいとしつこく言うので付き合っている最中だ。
「わからない」
「わからないって……体調でも悪いの?」
「そうかもしれない。なんていうかここは俺の居場所ではないと考えると急に不安に駆られるんだよな」
高角はふと考え込み、そしてムッとする。
「私と一緒だとつまらない?」
俺もふと考えて慌てて否定する。
「いやそういうことではない。この街にいることがさ」
ちなみに高角といることが特別うれしいというわけでもないが、怒られそうなので言わないでおく。
「もしかして、ホームシック? 田舎の自然に戻りたいとかさ。ここも十分田舎だけどね」
「そうか? 俺にしたらここは都会だ」
「嘘だー。いや、あんたの住んでいる村がここより辺鄙すぎるんでしょ」
「俺の村に行ったことがないだろ?」
「地図にものっていない政府から隠蔽された『超易異村』なんて冗談で生まれた伝説かと思ったらあんたの出身地なんだもんね。憶測で生物兵器の実験場だとか噂はたえないから誰も近づかないし」
「ゲホゲホ!」
「?」
俺は咳き込む。超易異村の憶測とやらはまんざら嘘でもない。
例えば……。
トゥルルルー♪
電話の音がする。着信を確認すると、いまは会話してはいけない奴だとわかる。超易異村の秘匿している生物それは……。
「どっしたの? 姫路? 私に気にせず電話とりなよ。もしかして彼女?」
高角は意地悪い冗談でニヤつく。
彼女? まあ、それに乗ることにした。
「ああ、まあ、彼女だ。『超易異村』にいるんだ」
「ひどーい! 姫路に彼女がいるんなら私に言ってと言ったよね」
何故に高角に報告しなきゃならんのだ? とも言えないので謝ることにする。
「いや、強引の間柄なんだ。言いづらくてな」
「強引? もしかしてストーカー女? 困っているなら私が力になるよ!」
高角に闘志とやらがみなぎっているようにみえる。俺は余計にややこしくしてしまったようだ。お前も大概に俺にまとわりついているよな。
「貸して! 電話で私がハッキリと勘違い女だと言ってやる!」
できれば、お前にも同様に伝えたいんだがな。とは言わない。
別段、高角が嫌いじゃないが距離を縮めるのは好ましくない。
高角が嫌いなわけではないが高角だけではなく誰にでも深く付き合わないのが条件で超易異村から出てこられた理由でもある。
それを、奴は破壊しやがった。
アニメ化ザリガニ!
「あーははは! カニ!」
奴は高所を好む。ただ、目立ちたいだけだろうが。帰り道、奴は民家の屋根に上って俺を見下げて不敵に笑う。高い場所にいるだけで勝ち誇る。
奴はアニメ化ザリガニ。
誰もがしっているとは思うザリガニでそれを模した着ぐるみを纏う女の子だ。歳は中学生くらいで手足と顔だけは露出している。
「なに? あの子?」
高角は不安げに俺に問いかける。
「あ、アニメ化ザリガニ」
俺はボソリと答える。村が政府に秘匿するようにいわれた生物だ。なんて言えない。
「ザ、ザリガニ?」
「娘よ、その通りカニよ」
「ちょっと、喋り方がなにかのパクリにも感じるんだけど。で、もしかしてあれが姫路に付きまとう女の子?」
そうだが、そうだと言えずにいる俺がいる。どうしろというんだ! あんな奇っ怪な奴の紹介を。
「付きまとう? 殿太とは幾千と渡り合った強敵カニよ。それなのに散々私が連絡しているにも関わらず一向に相手にしない困った奴だ。カニ」
「それをストーカーというのよ!」
「そうカニか? そういうお前こそ何奴か? カニ」
高角は張り合った。もう面倒を拡散しないでくれ。頼むから。
「私? 私は高角桜良よ。姫路とはクラスメイトよ!」
「ククク、クラスメイト程度でよくも私と対峙する気になったカニね~。お前など敵ではないカニね」
「敵ってどういうこと?」
「千年に渡り合ったザリガニ属と魔法少女MOEピュアの熾烈な争いに比べればということだ。カニ」
半分はアニメ化ザリガニの妄想だ。半分は真実だが……。頼む、これ以上は拡散しないでくれ。拡散は希望していないし、いいね! もいらない。
「MOEピュア?」
「やれやれカニ。MOEピュアもしらないカニか? これだから情報に閉ざされた田舎者は……カニ」
田舎者は俺たちの方なんけどな。あいつは狭い世界の暮らしになれているからな。どちらにしてもこれ以上は奴を黙らせなきゃいけない。俺の為と村の掟に従って。あと、日本政府の秘密……これはどうでもいいや。
兎に角、俺はアニメ化ザリガニに近づく。
「まあ、でも死にゆくお前には教えてや……グェ! カ、カニ~」
俺は超人的な動きでアニメ化ザリガニの後ろにまわり手刀を浴びせる。
悶絶、アニメ化ザリガニ。
「高角ごめん。ここでさよならだ。俺、帰省するよ」
「ちょっと、待ちなさいよ!」
「待てない」
俺はアニメ化ザリガニを担ぎながら跳躍して屋根から降りる。
そして、瞬足に走り高角から去る。並みの人間では追いつけない速さでだ。
「MOEピュアだけは知られたくないんだ!」
俺は大声で叫んだ。誰にも聴こえることもなく。
だが、彼女の声が聴こえた様な気がする。返事でもないだろうが。
「今度は私がストーカーになってやるんだからね」
空耳でありたい。
そんなことはお構いなくアニメ化ザリガニは気絶から眠りにはいっている。
「カニ~。早くアニメ化されて私は地球の生物の仲間だと知られたいカニ~」
などと具体的な寝言をいう困った奴だ。
嫌いじゃないんだけど、困った奴だ。
分は短く2千文字くらいでいきます。
長文は控えます。
まあ、長文でも実力がある人は関係ないですが、なるべく読む方に苦にならないようにしたいからです。
作品自体は合計十万文字にしたいです。
なので50話ぐらいが目安で行きたいと思います。
応援してねm(_)m