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旅立ちと出会い?

「よし、行くか!!」


 あれから俺はいろいろと旅立つ準備をした。

 まず、初期化してしまった能力を再度リメイクしたけど、あれは身体に負担がかかるみたいで、二回目した後、しばらく動けなかった。

 魔物が出なかったから良かったものの、身体をリメイクするのは負担がかかるから安全な場所でした方が良いだろう。


 その後、俺はゴブリンが持っていた剣をリペアし、街に戻ってその剣を売ってお金を得て、宿屋に泊まってた。


 それから俺は宿屋を拠点にして、壊れて捨てられている武器をリペアで直し、それを売ってお金を稼いだり、リメイクであげた能力で街から出て森へ魔物を倒して、その素材を売ったりしてお金を貯めた。

 もちろん毎回売りに行くと怪しまれるので、俺は街に来ている旅人っぽい人を見つけ、その顔にリメイクして売りに行ったりした。


 そうしてお金を稼ぎながら、自分が戦う事に慣れる努力を続けた。

 最初は魔物と戦うのも腰が引けたが、圧倒的な能力は経験がなくても魔物を倒せ、徐々に慣れてきた俺は自信を持ち、いろいろ試しながら戦う術を身に付けた。


 あと、忘れてはいけないのが修復魔法。

 俺が手に入れた修復魔法はいろいろな可能性があると思ったから、いろいろ試してみた。


 それで、いくつか分かった事がある。


 『リペア』は対象が修復可能なレベルでないと効果がない。

 例えば割れた壺を修復しようとすると、全体の七割はないと修復できない

 明らかに減りすぎた質量は修復出来ないみたいだ。

 後は粉々になっても修復出来る場合もあれば、出来ない時もある。

 それは修復出来るか出来ないかの判断は、条件というよりは個々の状態で修復可能かどうかで判断されるらしい。


 『リメイク』は対象に触れた状態で、どのように作り直したいか強くイメージしないとダメだ。

 だから、触れて魔法を放つだけでは効果がない。

 俺の能力をリメイク出来たのは自分自信だからだろう。


 あと、物質をリメイクしようとした場合、その物質量を上回る事は出来ない。

 例えば、少しの鉄で大きなオノを作ろうと思っても出来ないって事で、あくまで元の物質の質量までだ。


 最後に『リカバリー』これはあまり使っていない。

 最初に使った時の印象が悪くてあまり使ってないのだ。

 でも、全く試さないのはいけないと思い、恐る恐る

試して分かった事は、何かをイメージして『リカバリー』を使うと、それが初期化するようだ。

 最初の時、俺は自分の能力の事を考えていたから、それが初期化されたようだ。


 ただ、これも無条件で使える訳じゃなくて、自分の事か対象に触れていないといけないみたいだ。

 あと、リカバリーする対象の初期化の難しさみたいなもので、消費する魔力が違う。

 

 まぁ素質をリメイクした俺にすれば魔力なんてほとんど問題ないレベルの話だが。


 こうして、得体の知れなかった修復魔法についてもある程度、使いこなす事ができるようになって準備は整った。


 あと、ちゃんと街で冒険者登録も済ませたし、準備は万全だ。


「とりあえずは王都だな!!」


 強くなった俺は『修復魔法』で成り上がってみせる。

 そう思い、歩き出した。


◇◆◇◆◇◆


「もう少しで次の街か」


 日も暮れ始めた森の中を歩く。

 山の頂きも過ぎて、後は山くだるだけ。

 その先には街が見える。


 王都へ向かう予定の俺は、その為に次の街を目指す。次の街は少し規模が大きくて、交通の要所となっている為、王都へ向かう乗り合い馬車がある……と聞いてる。

 というのも、孤児院育ちの俺は大きな街なんて行った事ないし、ついこの間どうやって王都に向かおうかと聞いて知っただけだ。


 次の街までは、歩いて向かうと陽が暮れるまでには着けると聞いたので、こうやって歩いて向かっている。

 ここまで何度かゴブリンが現れたけど、危なげなく倒してきた。

 そもそもゴブリン程度の魔物は武器適正かある程度の攻撃魔法が使えたら問題なく倒せる。

 リメイクで強くなった俺には問題ない。


「ん、なんだあれは?」


 山をくだり始めて少しすると、道の脇に十体程のゴブリンの死体が転がってそこに倒れている人影が見える。


「……ここは行くしかないか」


 何か厄介事な気もするけど、もし生きているならほっとけない。

 そう思い、俺は倒れている人影へと向かった。


◇◆◇◆◇◆


「……どうしよう?」


 人影に近づいてみると、人影はなんと俺と同じくらいの女性だった。

 しかし、少し違うところがある。


 それは、耳と尻尾が生えている人……獣人だ。

 話には聞いた事があるけど、獣人っていうのは数が少なく、俺は見た事がなかった。


 それだけでも動揺する出来事だけど、この獣人は赤い髪のボブカットの女の子で、戦闘でついたのか、ところどころ傷がついて、服もところどころやぶけている。

 そして、極めつけがメッチャ可愛いのだ。

 身体も出るところは出て、引っ込むべきところは引っ込んで……


「って、そんな場合じゃないな」


 俺はその女の子に近寄り、手をかざした。


「リペア!!」


 そして、俺は修復魔法をかける。

 すると、傷はもちろん服も綺麗に修復された。


「おい、大丈夫!?」


 俺はそのまま呼びかける。


「ん……」


 すると、獣人の子はゆっくりと目をあける。


「大丈夫か!? しっかりしろ!!」


「きゃっ!! ケダモノ!!」


「ぶっ!?」


 獣人の子は意識が覚めると同時に、俺に見事なアッパーを浴びせ、俺は吹き飛んだ。


 助けたのに、なんて理不尽なんだ……そんな事を思いながら俺は宙を舞った。

 

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