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不器用な二人  作者: じゃが丸
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プロローグ-愛なんて知らない-

初めに。


この物語を書こうと思った理由に関しては、友達から恋愛小説のリクエストを書いていた事が多い日々でした。


しかし、ある時、オリジナルの作品かつ恋愛小説で、自分にどれだけ力があるか、あるいはこの小説1作品でどこまで自分の限界を理解できるかと思って執筆しました。


拙い文章力で見ていただける方の中には見苦しい部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。


じゃが丸

桜の花が咲き誇り、突風で花びらが舞う季節。


多くの新入生たちが、講堂に立ち並び校長先生の長話を聞いていた。


しかし、長話である故に、欠伸をしている者、眠そうな顔をしている者、つまらなそうな顔をしている者…といったように、様々だった。


そう、今日は市立の全校一斉の高等学校入学式の日。


高校生となった思春期を迎えた者達からすれば、話の中身が退屈で退屈で仕方ないのである。


ようやく話が終わり、皆、振り分けられた教室へと向かう。


一人一人の自己紹介を終えると、担任の先生から挨拶が始まった。


それが終わると振り分けられたプリントに目を通し終えると、各自解散となった。


背はそこそこ、体型は普通、黒髪で短髪の少しまだボサボサな髪型をしており、幼顔に見えるものの面倒くさそうな顔をして、教室の窓から見える空を見つめていた。


彼の名前は、佐野護サノマモル。今日、高校1年生になったばかりの男の子である。


すると、景色が黒く覆いかぶさったと同時に落ち着いた声が彼の耳に入ってきた。


「護、入る部活決めたの?」


彼がやれやれ、というようなため息まじりの声をつぶやき、その声のする方角を向いた。


そこには、背は護よりも高く、体格は同じくらいで、黒髪の長髪ではあるがきれい整えられた髪型をしており、メガネをかけているせいか大人っぽく見える凛々しさと根暗さが同時に垣間見える女性が立っていた。


彼女の名前は、鈴木潔子スズキジュンコ。護の幼馴染であり、決して恋人ではない。


「んー、まだだよ。潔子。そっちは?」


「私も、まだだよ。いつもテキトーに決める癖に、まだ決めてないなんて珍しいね。」


その会話内容から親しいことが伺えるためか、少なくとも教室内にいる同級生達は、彼ら二人を異性の間柄を探るような、羨望と嫉妬が混ざり合ったような目で二人の様子を眺めていた。


「いや、高校生ともなると面倒になってきてさ。潔子と同じ部活にでも入ろうかな。」


何の変哲もない、彼の応答に彼女は難色の色を示す顔になった。


「いやいや、それはこっちから願い下げ。アンタと同じにされたら、また変な噂が広まるじゃない。」


「外野の意見なんか気にするなよ。ただの幼馴染、それ以上それ以下でもないことを、根掘り葉掘り、面白おかしく考える方がおかしいんだよ、じゃ、俺は先に帰るわ。」


彼女の意見を論破すると面倒な顔をしたまま、かばんをもちあげて、彼は学校を出た。


そして、学校を出てすぐ、彼はまた空を見つめていた。


(愛なんて知らない…………恋すらも分からない俺『達』に、何で変な話が広まるんだろうか。)


空を見ながら護は、徒歩で帰路へと道を一歩ずつ歩き始めた。


それと同じくして、潔子もまた、教室で空を見上げていた。


(幼馴染の護といると、いっつも、勘違いされるばかりで困るのよねーなんでかしら。)


二人は周りから見られる関係が、恋人のような雰囲気や話し方である事に全く気づいていなかった。


再び、風が舞う。新たな1年生を祝うには強すぎる風が、空を包みこんでいく-----------

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