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9話

リビングに戻りソファに座りました。

エーデルさんが皆の分のお茶を入れてくれています。エマさんともう一人の侍女のアインさんが先程のご飯を片してくれています。


「それじゃあ、母様からプレゼントを渡しますね。父様からのプレゼントは一番最後ですよ。

母様からはお裁縫セットです。下流貴族以下の女性の嗜みですよ。刺繍と一緒に練習しましょうね。」

「はい、母様。ありがとうございましゅ。」

「次は私からだよ。いつも母上のお手伝いをしているからエプロンだよ。キルシュの花の絵が描かれているんだ。気に入ってもらえるといいな。」

「ありがとうございましゅ、シルバにいしゃま。これ着てご飯ちゅくるのお手伝い頑張りましゅ。」

「僕からはラービが刺繍されたハンカチだよ。ミーナにはラービが似合うからね。」

「ありがとうございましゅ、ロイにいしゃま。お気に入りの1枚になりましゅ。」

「それじゃあ、最後は父様からのプレゼントだ。

ミーナは目を瞑りなさい。」


わざわざ目を瞑るのですね。何が出てくるのでしょう?

ごそごそと動く音が聞こえてくると、父様から目を開けて良いと許可が出たので、目を開けました。

すると驚く事に灰色と黒の斑模様と栗色のラービが一羽ずついました。


「ミーナは外に出る機会が少ない。同年代の女の子の友達がいないのは寂しいからな。少しでもラービでその寂しさを紛らわせられたらと思ってな。」


はしたなさを忘れて、思わず父様に抱きついてしまいました。


「とうしゃま、嬉しいでしゅっ。

ちゃんと面倒みて可愛がりましゅっ。」


父様は子供の3歳の誕生日には動物を送るのがデフォの様です。

シルバ兄様の時はプフェートーーこの世界の馬ーーで、ロイ兄様の時はヴォルーーこの世界の狼ーーだったそうです。

狼と聞くと恐ろしいと思いますが、仔狼の時からしっかりと調教されていて、ロイ兄様を主人と認識しているので訓練された犬と大きさ以外は変わりません。


「ミーナ、ジィジからもう一つプレゼントがあるぞ。

そのラービ達のゲージじゃ。

それっ」


お祖父様が‘それっ’と声を出すと目の前に蔦と花が付いているゲージが現れました。ゲージの扉の摘みがキルシュの花の形をしています。

お祖父様が魔法で今作りだしてくれた様です。何という早業、流石魔法士団団長なだけあります。

ロイ兄様は魔法を使う時はもっと苦戦していますし、父様も時々ミスしていたと思います。


「おじいしゃま、これ…魔法で作ったのでしゅか?

あっという間で、しゅごいでしゅ。

可愛いゲージでしゅ。おじいしゃまありがとうございましゅ。」

「儂に掛かればこれ位朝飯前じゃ。

ミーナが気に入ってくれて良かったわい。

さっきハンスから言われたから、ミーナも魔法が使えるか確認してみようじゃないか。

但し、今日は大切な儀式をしてる日じゃから、2週間後のルプスの3月30日に確認をする。場所は王宮内の魔法士団の隊舎のじゃ。当日はハンスと一緒に来ればいいからな。」

「はいっ。」


2週間後に魔法が使えるかが分かる様になる様です。


その後は各々お喋りをして、日が沈む頃にお祖父様と伯父様一家は自宅の屋敷へ帰宅されました。


夕食は家族だけで食べ、お風呂に入り就寝時間になり、自室に入ったら今日貰ったプレゼントが机の上に綺麗に置いてあったのでテンションが上がりました。


ずっと持っていたラービの人形をベットに置き、机の上にピーターとフィーのゲージを置きました。

ピーターとフィーと言うのは、ラービの名前で、ピーターが灰色と黒の斑模様の子♂で、フィーは栗色の子♀になります。


他のプレゼントは、母様と伯母様に貰った刺繍セットと裁縫セットは棚の中に、カール兄様に貰ったリボンは鏡台のリボンが入っている引出しに、シルバ兄様とロイ兄様に貰ったエプロンとハンカチはクローゼットの中の引出しに、アルノー兄様から貰ったポシェットはクローゼットの側面の帽子などを掛ける所に掛けて、お片付け終了です。


今はまだ3歳児なので早く寝ます。


『ナディエージ様、今日1日見守って下さりありがとうございます。

ナディエージ様も良い夢を見て下さい。

おやすみなさい。』

お読み頂きありがとうございます。

やっと誕生日会が終わりました。

因みにミーナの誕生日はルプスの3月18日になります。


次回は閑話を2話挟みます。

本編の続きは本日19時に更新します。

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