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7話

「はぁ…父上、もう少し控え目に入ってこられませんか。」

「ん、すまんな。とっくに始まってると思ってたもんだからな。ハンス、まだ始めてなかったのか?」

「お知らせしていた時間から5分も経ってません。」

「あー、出掛けに第3魔法士隊でゴタついたもんで慌てて出てきたもんだから時間を気にしてなかったな。」

「問題児が多い部隊だから、常にゴタついてるでしょ。」

「 んっ?あぁ、ハンスは今第1騎士隊の隊長をしてたな。日々のゴタつきを知ってるのか。」

「噂は流れてくるので。」


伯父様がお祖父様にクレームを付けてますね。

そして、第3魔法士隊は問題児の集まりなんですか。それは公にされていないのですね。聞いてしまっても良かったのでしょうか?


「おじいしゃま、ルーカスおじしゃま、アマンダおばしゃま、カールにいしゃま、アルノーにいしゃま、今日はミーナの3歳のお誕生日をお祝いしに来てくれてありがとうございましゅ。」

「おぉ、ミーナ!今日も可愛いな。儂の送ったドレス一式を着てくれてジィジは嬉しいぞ。」

「このドレスはおじいしゃまからのプレゼントなのですね。ありがとうございましゅ。似合ってましゅか?」

「とっても似合ってますよ、ミーナ。お誕生日おめでとうございます。伯父様からのプレゼントはこれですよ、どうぞ。」

「ありがとうございましゅ。開けてもいいでしゅか?」

「ええ、いいですよ。」


伯父様は父様やお祖父様みたいな言葉遣いではなく丁寧な言葉遣いです。

魔法士団長のお祖父様と第1騎士隊隊長の父様の様な武官の方は貴族でも言葉遣いが粗くなるのですかね。伯父様は宰相補佐官をされている文官ですから、言葉遣いは気を付けているのでしょうか?


プレゼントの包装を綺麗に開けようと四苦八苦してます。手が小さいと不便ですね。

何とか開けられて、中を覗くと可愛らしいラービの縫いぐるみでした。

ラービと言うのは、地球で言うウサギになります。


「おじしゃま、これ…!!」

「前にミーナが話してた縫いぐるみだよ。お祖父様がドレスを注文した時にお針子に詳細を話してた作って貰ったんですよ。

気に入ってくれましたか?」

「はいっ。もちろんです!大事にしましゅ!」

「それは良かったです。」


この世界に人形はありますが、ビスクドールや日本人形のような物しか無くて、以前伯母様に縫いぐるみがあるか聞いた事があるのです。

抱き心地的に縫いぐるみが欲しかったので、詳細を語った事が有りました。それを伯母様が伯父様に話されていたのですね。

伯母様グッジョブです。


「ふふ、良かったですねあなた。

これからこの縫いぐるみは作られますから、色んな種類が揃えられますよ。

コナー服飾店で製作されるので、あっという間にひろがるでしょうね。アイディア料として利益額の1割がミーナに入りますが、それはマーガレットに管理してもらいましょうね。

伯母様からのプレゼントはこれですよ。淑女の嗜みの刺繍セットです。これか練習していきましょうね。」

「縫いぐるみが発売しゃれるのですね。凄いでしゅ、感動でしゅ。

ミーナは3歳なのにお金入ってくるのでしゅか?とうしゃま・かあしゃまどうしましょう、一大事でしゅ。

アマンダおばしゃま、刺繍セット嬉しいでしゅ。練習頑張りましゅ!」

「カール、アルノー。貴方達もプレゼントを渡してあげなさい。」

「はい。ミーナ、私からはこのリボンですよ。普段使いが出来るように、華美ではない刺繍が入っていますがどうでしょうか?気に入って貰えたら嬉しいです。」

「わー、母様の瞳の色にそっくりでキレイでしゅ。

カール兄様ありがとうございましゅ。」

「僕からはこれだよ。」

「開けましゅね。

…っ、キルシュの花が刺繍されたポシェットでしゅね。キルシュの花が一番好きな花なので嬉しいでしゅ。

アルノーにいしゃまありがとうございましゅ。」

「別に大した事ないだろ。」


アルノー兄様は良く私の好きな花を知ってましたね。前に一緒に図鑑を見た時に目を輝かせて、興奮してしまっていたのでそれで選んでくれたんですね。キルシュの花は桜に良く似ていますから、元日本人としては興奮します。

そして、アルノー兄様は将来は立派なツンデレさんになりますね。そっぽを向きながら頬を赤くしてのセリフが‘別に’ですからね。アルノー兄様の成長が楽しみです。

お読み頂きありがとうございます。

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