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15話

屋敷の中に入ると伯母様とエーデルさん、エマさんと執事のマルスさんがいました。


「お帰りなさいませ、旦那様。

ミーナ様もようこそいらっしゃいました。

旦那様、こちらがご連絡頂いた書類にございます。」

「旦那様、こちらは昼食用のサンドイッチでございます。

ミーナ様もサンドイッチをサロンに用意しておりますので、そちらでお召し上がり下さい。エマ。」

「ミーナ様こちらへどうぞ。」

「はい。

ルーカスおじしゃま、先ほどのドライフルーツは小腹が空いた時用に取っておいてくだしゃい。

アマンダおばしゃま、こんにちは。

おじしゃましましゅ。」

「えぇ、今日は緊張して疲れているだろうから、ゆっくり休んでね。」


伯母様の優しい微笑みに見送られて、エマさんに付いてサロンへ向かいました。

サロンでサンドイッチを美味しく食べ終わった頃に、伯母様とアルノー兄様が一緒お茶をする為に訪れ、お喋りをして午後のひとときをのどかに過ごしてましたが、いつの間にか寝てしまっていた様です。


エマさんに声を掛けられ起きて周りを見てみると、客間のベッドに寝ていました。

窓の外の景色は夕暮れの茜色の空になっています。


「ミーナ様、お休みの所申し訳ありません。

大旦那様がお戻りになられましたので、ご自宅までお送り致します。」


眠い目を擦りながら頷きます。

第3魔法士隊の問題解決にはかなりの時間を要した様です。

ベッドから降り、エマさんの後をついて行きます。

玄関ホールに出ると、お祖父様と伯母様・カール兄様・アルノー兄様が居ました。


「ミーナ、おはようございます。

学園から帰宅したら、ミーナが眠ってしまっていたので残念です。

また、次の時に絵本を読んであげますね。」

「あら、次に来た時は私と刺繍の練習をしながらお茶を飲みましょうね。」

「いや、それじゃあ体が鈍っちゃうから、僕と庭で遊ぶぞ。」

「1日でそんなには出来んから、なんなら泊まりで来ればよい。

さぁ、マーガレット達が待っておるから帰ろうか。」


お祖父様に手を差し出されたので、慌てて伯母様達に挨拶をして屋敷を後にしました。


外に出ることはあまり出来ませんが、私は家族にとても愛されていて幸せです。

私の持つ力が何かは分かりませんが、私の特殊な容姿を厭わないこの家族が大切です。

だからナディエージ様、私の力は、大切な家族を守れる力になって欲しいと願っています。



夕暮れの街並みを眺めながら考え事をしていると、いつの間にか家に着いていました。

お祖父様が先に出て、私の手を取って馬車から降ろしてくれます。

お祖父様と手を繋いで、玄関に入ると、シルバ兄様とロイ兄様が待ち構えて居ました。


「おかえり、ミーナ。もう直ぐ、母上特製のシチューが出来上がるよ。」

「手を洗って着替えておいで。今日は僕が母上の手伝いをするから、食後はゆっくり休んでいいよ。」

「なっ、私も勿論手伝うさ。

ジジ様も食べて行かれますよね?」

「勿論頂いていくさ。」


お祖父様と洗面所に向かい、手洗いうがいをしてから、1人で自室に行きました。

朝着ていた洋服に着替えてダイニングへ移動しようとしましたが、ドライフルーツを干している自室のベランダへ出て、ドライフルーツを室内に戻しました。

伯父様が気に入ってくれたので、ちゃんと完成したらお裾分けしましょう。

窓の戸締りを確認してから、ダイニングへ移動し夕ご飯を食べ、お祖父様をお見送りしました。


これから、鳥籠の中の鳥の生活が少し変わる事にワクワクしながら就寝しました。

お読み頂きありがとうございます。


第1章の本編はこれで終わりですが、閑話が1話入ってから、第2章に突入します。

閑話が多くて申し訳ありません。

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