10話
本日4話目です。
本編に戻ります。
『おはようございます。
ナディエージ様、今日も1日見守り下さい。』
今日は待ちに待った、魔法が使えるか確認する日になりました。
昨日は中々寝付けず、朝も何時もより早く目覚めてしまいました。
それでも、ナディエージ様への祈りは忘れません。
前世、無神論者だった自分からは信じられない程の信仰ぶりです。無神論者でも、神様に命を助けられると考えが変わりますね。
何時もより早く起きたので、母様の朝食の準備のお手伝いをしましょうか。普段は、朝起きると朝食の準備が終わっているので、片付けからお手伝いしています。
顔を洗ってから、前日に母様が用意してくれた洋服に着替えて、髪を整えたら準備完了です。
エプロンを持って階下にあるキッチンへ向かいます。
家の間取りは1階にリビング・ダイニング・キッチン・浴室・洗面所・トイレと応接室・父様の書斎・書庫・物置があります。
2階は両親の寝室・子供達それぞれの部屋・客間が2部屋とトイレと洗面所になります。
「かあしゃま、おはようございましゅ。」
「あら、ミーナおはようございます。今日は早起きさんなのね。
ふふっ、そんなにソワソワしてよっぽど今日の魔法が使えるか分かるのが楽しみだったのね。」
挨拶だけでも、ソワソワしてるのが分かるほどに浮かれているのですね。恥ずかしいです。
魔法が無かった世界からの転生なので、魔法にはどうしても惹かれてしまいます。
「ミーナ、お手伝いの前にお庭に埋めた果物の種にお水をあげてきたらどうかしら?
父様とシルバが剣を振って鍛錬しているから気を付けて行くのですよ。」
2週間前に貰った果物の種を、父様の許可を得て庭の一角に埋めてみました。毎日朝食を食べる前に話し掛けながら水遣りをするのは日課となっています。
早く芽が出て欲しいですが、桃栗3年柿8年と言いますので、気長に待ちます。
果物の種が父様達の鍛錬で駄目になると嫌だったので、厩の側の一角で日当たりが良さそうな所を選びました。その内、お花も植えて、訓練する為に殺風景な庭に彩りを与えたいですね。
水遣りも終わり、キッチンに戻りエプロンを装着して手を洗い、母様からの指示に従いお手伝いをします。
母様、そんな一品ずつ作ってたら時間が掛かってしまいますよ、同時進行で作りましょうよ。
父様とシルバ兄様は鍛錬が終わったのか、部屋に戻ってきました。
部屋に戻る前にそれぞれの愛馬ならぬ愛プフェートに飼い葉と水を与え、厩の掃除もしてくるので少し臭くなっています。
父様とシルバ兄様は順番に入浴してから朝食になります。
何時もなら、私とロイ兄様はこの辺りで起きてきます。
ピーターとフィーの餌は部屋にストックしてあるので、朝起きたら直ぐにあげています。水も顔を洗う時に汲んでます。
母様と一緒に料理をダイニングテーブルに持って行くと、ロイ兄様が慌てて部屋に入って来ました。
「大変だ、ミーナがいない!誘拐されたんじゃー」
「おはようございましゅ、ロイにいしゃま。」
ロイ兄様の台詞に被せて挨拶をしました。
先に起きてただけで大騒ぎしてます。何時もはロイ兄様が部屋に迎えに来てから階下に降りる事がほとんどなので仕方無いのですが、時々はあるので落ち着いて欲しい所です。
ロイ兄様は父様とシルバ兄様と朝の鍛錬はしていないです。
それは、ロイ兄様が朝が弱い事と朝は剣のみで鍛錬したい父様とシルバ兄様の意向が合っている事によります。
なのでロイ兄様の魔法の鍛錬は、父様の休みの時かお祖父様が休みの時にのみ行っています。
普段のロイ兄様は、勉強の時間以外は本を読んでいるか、シュヴァルツーーロイ兄様のヴォルの名前ーーと庭で戯れているか、私を構ってるかのどれかですね。
閑話休題
父様とシルバ兄様がダイニングに入って来たので、席に着いて朝食です。
皆でお祈りをしてから何時もの様に頂きます。
「ミーナ、ご飯を食べて身支度が済んだら魔法士団の隊舎に行く。行く時は父様のプフェートに乗って行く事になるからな。
帰りは父様は仕事をしているから、お祖父様に送って貰う事になるからな。」
「はい、わかりました。
何か特別に持っていくものはありましゅか?」
「特には無いな。普段のお出掛けと同じ様な支度で大丈夫だ。
マーガレット、宜しく頼むぞ。」
「はい、貴方。」
自室に戻り、母様に手伝って貰って身支度を整えます。
朝着ていた服は室内様の服なので再度着替えます。ご飯の時に汚すと大変ですからね。
着替えた今日の服装は、動き易いシンプルなツツジ色のワンピースにカール兄様に貰ったリボンでポニーテールに結っています。
そして、瞳を隠す為に外出時は特殊な眼鏡ーー瞳の色を認識し難くする魔法が掛かっているーーを掛けています。
アルノー兄様に貰ったポシェットにハンカチなどの小物を入れ、肩から描ければ準備完了です。
ハンカチは、ロイ兄様に貰ったハンカチです。
さて、父様が待っている玄関へ向かいます。
魔法の鑑定まで後少しです。いざ、王宮の魔法士団の隊舎です。
あれ、魔法の有無の鑑定まで進まなかった(汗
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