表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/25

6話 主人公、攻略対象の一人を思い出す。

お腹すいたー。

........あれから、何時間経ったんだろう。まあ、今は夜だから結構経ったんだろうね。きっと。

私は、あれから名前を決められた後、ファラミリアに屋敷を案内され、(広すぎて何がなんだか分かんなかったけど。)それからファラミリアのお母さんにご挨拶して.....ファラミリアのお母さん、美人だったなぁ。私の予測通り、ファラミリアはお母さん似で、お母さんも銀髪のサファイアブルーの瞳でつり目がちな目をしていた。それから、夕食で何故かファラミリアの家族と一緒に食べ、そして、今ファラミリアの部屋にいる。あ、ちゃんとお風呂に入ったよ?ま、養子だからとは思うけれどね。


「サラって、真っ黒で地味な髪ね。私とは大違いですわ」


「ははは.....」


すみませんねぇっ!地味でっ!まあ、貴方のぎらぎら輝く銀髪も痛いと思いますけど!


「はあ、今日は色々あって疲れましたわ。私、もう寝ますわ。あ、サラは私の下で寝なさい。ちゃんと寝れるように布団も敷いてありますわよ」


「私も、ここで寝るんですか?」


「当たり前ですわ。だって私達、姉妹みたいなものじゃ有りませんこと?あ、でもサラは私の従者でもありますわ」


「.....姉妹」


「そうですわっ!」


マジかよ。姉妹って.......。私って従者でしょ?ファラミリアに一応姉妹って思われてるって意外に私も重要キャラなのでは?でも良いキャラではないのは確かだけどね。


「電気、消しますわよ」


「あ、はい。おやすみなさい、ファラミリア様」


「おやすみ。サラ」


.....悪役なのかなぁ?私。











.....ま、眩しい。朝の光ってこんなに眩しかったっけ?あぁ、昨日は全然眠れなかった。 姉妹か....今更だけど、どうしてこうなった。ああ..眠い。


「起きなさいっ!サラっ!何時だと思っていますの!?」


「は、はへぇ?」


ぼやけていた視界を開けると、可愛らしいピンクのドレスを身に纏った美少女、ファラミリアの姿が見えた。


「やっと、起きたわね。全く、主人である私よりも起きるのが遅いなんて、従者としてあるまじき行為ですわっ!恥を知りなさい!」


「す、すみません」


.......か、可愛い。つり目がつり上がっていてちょっと怖いが、ファラミリアもまだ5歳。頬を赤くして怒っている姿はまるで天使だ。これが、意地悪な悪役令嬢に育つなんて考えられないけどね。


「早く、着替えなさい!今日は、私の婚約者が私に会いに来てくれる日なのよっ!まだ会ったことはないけれど、きっとイケメンに違いありませんわ。だって、私の婚約者はこのヴァライアル王国の第二王子なのよっ!絶対、素敵な紳士ですわ」


「........はい?」


....婚約者?王子?


「名前は、ルイランス王子よっ!名前も素敵だなんて。さすが、私の未来の旦那様ねっ!」


.....ルイランス王子。あ。


「その時に、サラの事も紹介するわ。ですから、そんなはしたない格好で、私の未来の旦那に紹介なんて、出来ませんわっ!」


思い出した。攻略対象さんじゃないですか。

ルイランス・ヴァライアル。花イケの攻略対象の一人だ。ヴァライアルは王家の名で確か王国の名もヴァライアルのはずだ。金髪金目が特徴の爽やかイケメン。性格も良くまさに王子なのだが、実はルイランスは腹黒ドS王子で、裏では人を馬鹿にし、見下しているなんとも良くありがちな性格をしている王子なのだ。

確か、ルイランスはファラミリアの婚約者で、ルイランスは傲慢で我儘なファラミリアを心の奥底から嫌っている設定だったはずだ。

ルイランスは第二王子で、第一王子である兄を憎んでおり、兄といつも比べられ、何をしても兄に勝てず、周りの目はいつも兄に向けられている。自分はいらない。兄の引き立て役にしかならない自分なんかいらないと勝手に被害妄想をし、偽りの自分を作りいつしか人を見下し、自分を見失ってしまうのだ。そこで、待ってましたとヒロインが登場し、「貴方は貴方でしょ?無理に自分を偽ろうとしないで。私は、ありのままのルイランスが好きなの。だから自分を責めないで。」とかなんとか言ってルイランスはころっとヒロインに惚れる。そんなキャラだった。歳はファラミリアと同じで、今は5歳かな?ちなみにヒロインも今は5歳だと思う。ファラミリアと同い年っていう設定だからね。

...良く私も思い出したよね。このまま事が進めば後の攻略対象達を思い出せるかも知れないぞ?


「って、聞いているのっ!?サラ!とにかく早く着替えて頂戴っ!良いわねっ?」


「え?あ、はい!」


着替えなんていつ用意したんだ?ま、いいや。.......黄色が特徴のドレスだ。ファラミリアみたいなフリフリのドレスとは真逆でどちらかというと、シンプルで清楚なドレスだ。

....前世、平凡女子高生だった私とは全くもって無縁の服だ。出来たら着たくないが.....ファラミリアの目が怖い。さっきの可愛いファラミリアはどこに行ったんだ?ああ、そんな目で見ないでっ!つり目がちな目が余計つり上がり、銀髪のドリルみたいな髪がファラミリアを怖くさせている。分かったよっ!着るから、その目で見るのはやめてっ!!


「その、ドレスを着たら次は髪を綺麗にしなさい。それが終わったら朝食ですわ。分かったら返事をしなさいっサラっ!!」


「は、はいぃぃぃぃっっ!!!」




怖すぎだ。さすが未来の悪役令嬢。っていうか、何で私まで攻略対象と会わなくちゃいけないんですか。いくら私がドリウス家の養子だとしても、会う必要ないよねっ?ああ、もう私を面倒事に巻き込まないでくれ。私は静かに暮らしたいだけなんだよっ!!




ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ