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2話 主人公はなんだかんだで理解した。

短いな。

目が覚めると目の前には天井があった。


うん。良かった。ここは普通の始まり方だね。ベッドの上にいるし、目覚めた時また、道路に大の字にはなって寝そべっていたなんて事を一瞬考えちゃったけどね。....何で大の字になってあんな所に寝そべっていたんだろう。 あんまり、人が居なかったのが幸いなんだけど。あんな所をもし、他人に見られていたら一生立ち直れないな。


「あら?いつの間に目を覚ましたのかしら?」


「ふぇ?」


ひ、人いたのか。つい自分の世界に入っていたから全然気付かなかった。

.....この美少女には見覚えはないのだけれども。


「驚いたわ。貴方ったら汚い道路なんかに寝そべっているのだもの。しかも大の字に。貴方、レディなのだからもう少し恥を知りなさい。全く、私が助けたから良いものの....って聞いているの?」


いえ。全く聞いていませんでした。...私、こんな美しい幼女知らないんですけど。


「貴方、誰ですか?」


「え?....あら、私ときたら全く....。申し訳ありませんわ。私の名前はファラミリア・ドリウスと言いますの。ドリウス家の一人娘ですわ」


「ちなみに5歳ですわ」


ファラミリア・ドリウス.......?

え?あのファラミリア・ドリウス?


私が、この前まで熱中していたあの人気乙女ゲームの、ファラミリア・ドリウスだというの?


「ねえ?貴方は公爵令嬢?」


「ええ。あの有名な公爵、エスカルド・ドリウスの一人娘ですわ!」



........オワタ。


ファラミリア・ドリウスっというのは、私が熱中していた人気乙女ゲームの悪役令嬢として登場するキャラクターだ。

チョココロネのように巻かれた美しい銀髪に、サファイアブルーの透き通るような美しい瞳。肌は白く、つり目がちな目が特徴的なまさに、The 悪役令嬢だ。


そして、このキャラがまた面倒で攻略対象を落とそうとすると、必ず邪魔をするし、変な嫌がらせをしてわざと主人公と攻略対象をギクシャクさせ、しまいには主人公を殺そうとするし....いや、別にヤンデレじゃないよ?ただいちいち面倒なだけの悪役令嬢なのだ。

私は別に、ファラミリアの事は嫌いじゃない。まあ、いちいち面倒な所は気にくわないが、攻略対象達を思う気持ちは誰にも負けないと思うし、何しろ一生懸命攻略対象達に好かれようと、一番努力をするのだ。まあ、イケメンなら誰でもありで、手段を選ばない所は気にくわないけど。まあ、とにかくそういうキャラなのだ。

そんな貴方が、何故私の目の前にいるの?ファラミリアってあくまでゲームのキャラじゃん。何でいんの?


「何でいんの?」


「何か言ったかしら?」


「いえ.....何でもありません」

つい口が滑ってしまった...。

もしかして、転生とか?え、そしたらめっちゃ嬉しいんですけど!え?あのシーンとかこのシーンとか色々この目で,見れるんだよね?ヒャッホーイ!!生きてて良かった。いや、転生したという事は死んだっていうことだよね?

......私っていつの間に死んだの?記憶にないんですけど。ま、いいやとりあえず転生したということで。深く考えても仕方ないしね。


「そういえば、貴方なんという名前ですの?」


「え?名前?名前は.......」


そういやー私、なんていう名前なの?転生したっていう事はこの世界での名前があるんだよね。あれ?私、何のキャラに転生したんだろう。声的に女の子だし、子供っぽい声してるし。

あれ?さっきあんまりツッコまなかったけど、ファラミリアさっき5歳っていったよね。ということはまだ物語の始まる前ということになる。


このゲームの名前は、花園学園~素敵なイケメン達と恋しよ?~略して、花イケだ。

物語は、主人公が花園学園に入学するところから始まる。入学ということは主人公は15歳だね。ちなみにファラミリアも、15歳ということになる。花園学園は、名高い金持ち達しか通う事の出来ない要するに金持ち学校だ。

主人公は、両親が突然の事故で亡くなり金持ちの親戚に引き取られ無理矢理、花園学園に入学させられたため、金持ちの生活についていけなくなり、学校で浮いた存在になる。

すっかり、学校で浮いた存在になってしまった彼女はファラミリア達に嫌がらせをされる。そこで、出てくるのが攻略対象達だ。

彼らは、主人公の前向きな性格とまぶしい笑顔に惹かれ、そこから恋が始まる。という設定になっている。

とてもありがちな設定だが、イラストが好評だったり、キャストの声優さん達が人気の声優さん達ばかりだったので、たちまち人気の乙女ゲームとなったわけだ。

主人公、可哀想だよね。ある意味。

まあ、主人公も可愛らしい美少女?のはずだから乗り越えられたんだよね。....ようは顔が全てなんだよ!けっ


......まあ、そこまではいいんだけど、肝心の攻略対象達の名前忘れた!顔も忘れた。....駄目じゃん私。

とりあえず、今大事なのが私は一体何のキャラに転生したかという事だ。悪役令嬢のファラミリアと,こういう出会いがあるから相当重要なキャラかもしれない。

私は、年齢確認のためファラミリアさんに頼み事をした。


「あの、鏡ってあったりしますか?」


「え、ええ。ありますわよ。そんなもの一体何に使うのですの?」


「まあまあ良いですから」


「わ、分かりましたわ」


ファラミリアは、椅子から立ち上がり、引き出しから鏡のような物を取り出した。

.....よく見てみると、この部屋広いな。豪華な物ばかり置かれてる。ファラミリアの部屋かな?少し子供っぽい感じもするから多分そうだろう。


「持って来ましたわ」


「ありがとうございます、ファラミリアさん」


早速、私は自分の姿を確認した。

.....何のキャラか全く分かんない。

まず分かるのは、私は5歳ぐらいであろうという事だ。

ファラミリアぐらいの年頃の容姿をしているし、手もファラミリアと、同じぐらいだ。だから私は多分5歳くらいであろうと予測できる。だが、誰なのか全く分からない。

真っ黒の髪の毛に長さはセミロングくらい。肌はほんのり焼けていて、目は奥二重をしている。

なんというか、パッと見地味だ。これと言った特徴はないし、思い当たるキャラがいない。

.....皆、派手だった気がするし.....

じゃあ、私は?一体誰に転生したの?まさか..モブキャラ?

でも、モブキャラが悪役令嬢ファラミリアと、こんな出会いがある?もしかしたら、ゲームには登場しないけどファラミリアにはこういう出会いがあったのかもしれないし......

あーーっ!頭がパンクしそう。


すると、部屋の扉から誰かの声が聞こえた。


「ファラミリアっ!!無事か!?無事なら返事をしておくれ!!」


......え?何事ですか?

お腹空いたなぁ.......

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