15話 主人公、取り返しのつかない事をする。
※あらすじ少し変更いたしました。話ごちゃごちゃしてます。
誤字報告がありましたので訂正しました。大変申し訳御座いません。
とうとう来てしまった...この時が...。
「サラ、シェバードご挨拶を」
隣にいるアイリスさんが私とシェバードに声を掛けた。
目の前にいたのはルイランスとは違った天使。
違った天使。大事な事だから二回言ったよ?
いや!もう可愛すぎる!
ふわふわとしたブロンドの髪はキラキラと輝いていて、こちらを見つめるエスラルドよりも明るいエメラルド色の目は美しすぎて直視出来ない。それにまるで白雪のように白い肌は彼の美しさをより引き立ていた。
ごくり。と、喉を鳴らす。今すぐ抱き締めても良いでしょうか?
「初めまして。僕の名前はシェバード・ラビオスです。ファラミリア様の従者をしております。」
あ、私も自己紹介しなきゃ。すっかり忘れてた。
ふと私は、この前の事を思い出す。
...ルイランス...あの攻略対象にした恥ずかしい自己紹介を。
うぐっ。もうあんな真似はしないぞ。目の前にいるのはまた新たな攻略対象。
この子だけには変な従者だと思われたくはない!ましてや、今後この屋敷に住む事になる人間だ。それに、私はあまり物語に関わる気は全くもってないのが事実。よし!深呼吸をして...
「初めまして。私の名前はサラ・ドリウス。私もファラミリア様の従者をしております」
...出来た。まあ、これが当たり前なんだけどね。
すると、私のちょうど隣にいたファラミリアが声をあげる。
あ、忘れていた。ファラミリアも私の隣にいたんだね。
ちなみに、私のから見て左にシェバードがいて、右にファラミリアがいる状態だ。何で私が真ん中なんだろう。
・・・ん?待てよ。今ファラミリアの声が聞こえた。
聞こえた。うん、聞こえた。
あああぁぁぁぁぁーーーー!!!すっかり忘れてた!
ファラミリアはいつも第一印象が最悪のやつだ!ヤバい...ここは注意しないといけないのに全くここのシナリオが思い出せない!
大体、幼少期の頃のシナリオなんて一番記憶にないよ!
義弟である攻略対象の名前すら忘れている私が覚えている訳がない。とりあえず、私の未来を考えて、何とかしなければ!
「ふん!本当なら貴方みたいな馬鹿ず「あー!急にお腹が痛たたたた...」
「「「え?」」」
はい。私終了のお知らせ。
咄嗟に思い付いた行動がこれだ。私って学習能力がないのかな?
攻略対象は目を見開いて私を見ている。周りにいた人達も同じように目を見開いて私を見ている。まだ、攻略対象の名前を聞いてないのに...。
先に声を掛けたのはファラミリアだった。
「だ、大丈夫ですの!?通りで貴方さっきとても顔色が悪いと想いましたわ!アイリス!直ぐに私の部屋まで運びなさい!」
「かしこまりました」
そうして私はアイリスさんに抱き抱えられファラミリアの部屋に運ばれた。
...どうしよう。何か取り返しのつかない事をした気がする。
目を開けると、そこには見慣れた天井があった。
やっちゃた...。もう駄目だ。第一印象最悪だ。私も人の事言えないな。
お腹を痛めただけで、あんなになるものなんだ。...私は身分も分からないどこの生まれの子なのかも分からないのに。
物語では、悪役の取り巻きの半生なんて語られないのは当たり前だと思うんだけど、ある意味凄いキャラだったんだな。
と言っても、最後はファラミリアと一緒に学園追放となる人物!
何としてでも、回避してみせる!
...取り返しのつかない事をしたのは事実だけど。
すると、ドアの前から声が聞こえてきた。
「離しなさい!ロイ!私はサラの看病をするのよ!邪魔しないでくださる!?」
...この声はファラミリア?いや、誰も看病してなんて頼んでないし、お腹痛めただけだし、看病するレベルじゃなくね?放って置けば治るし、それに、ロイって言った?誰の事?ロイなんていたっけ?
「嫌です!お姉さま!僕だって看病する権利はあります!それにサラさんはファラミリア様の妹のようなお方なのでしょう?だったら僕にとってはお姉さま同然です!」
「貴方にお姉さまなんて呼ばれたくないわ!穢わらしい!それにサラの事もお姉さまと呼ばないでくださるかしら!そして私は貴方を弟だとは思いたくありませわ!」
「それは無理です!」
...ロイ?...弟?
お、おおぉぉぉぉぉあぁああぁぁあーー!!
思い出した!
ロイ・ドリウス!攻略対象の名前じゃないかぁー!
あと、何事ですか?隠れた方が良い系?
訳分からなくてすみません。...文才が欲しい。
ちなみに、サラの部屋は一応ありません。ファラミリアと同室です。
...サラが大きくなったら部屋を与えると思います。