赤ずきんちゃん R15バージョン
昔々、ある村に、とても可愛い女の子がいました。
いつも赤い頭巾を被っていて、彼女もそう呼ばれるのを好んだので、赤ずきんちゃんと呼ばれていました。
ある日、お母さんは赤ずきんちゃんにお使いを頼みました。
「お祖母ちゃんが病気だそうなの、お見舞いを持って具合を見て来てね」
赤ずきんちゃんは、お祖母さんに会うのが大好きなので、喜んでお見舞いに出掛けました。
お祖母さんの家は、村はずれの森の中にありました。
森の入り口で、赤ずきんちゃんは狼と出会いました。
狼は赤ずきんちゃんを、直に食べちゃいたかったけど、狩人がこちら近付いて来るのが分かったので、一計を案じました。
「もしもしお嬢ちゃん、何所にいくんだい?」
「お祖母ちゃんのお見舞いに行くの」
幼さ故に恐れを知らないのか、赤ずきんちゃんは狼と和やかに会話を始めました。
「それは偉いねぇ。お祖母さんの家はこの先なのかい?」
「そうよ。この先にある赤い屋根の家がそうなの」
「そうなんだ。でも、お見舞いなのにお花を持っていかないのかい?」
「あっ、ありがとう、狼さん。その方がお祖母ちゃんが喜ぶね」
「そうだね。あっちの方に咲いているから、摘んで花束にするといいよ」
「はぁ~い。ありがとねぇ~狼さん」
会話を終えて別れると、赤ずきんちゃんは花摘みに、狼はお祖母さんの家に走って行きました。
走り寄って来た狩人は安心しました。
「ふぅ、私に気が付いて狼は逃げ出した様だな。小さい子が狼に襲われそうだと慌てたけど、何事も無くて良かった良かった」
「あれっ?白い衣装だったから分からなかったけど、赤ずきんちゃんだったのか、今日は凄惨な場面を見ずに済んで、本当に良かったな」
狼は急いでお祖母さんの家へ行き、扉を蹴破ると、お祖母さんを丸呑みにしてしまいました。
「ババアなんて不味いのは噛む気にもなりゃしねえ、味わうならさっきのお嬢ちゃんみたいな新鮮なのに限るな。早くやってこねえかなぁ」
狼はベッドに潜り込み、お祖母さんのふりをして待つ事にしました。
花束を作っていて、遅れて来た赤ずきんちゃんは、壊れた扉を見て全てを察し、掛け布団に包まっている相手に、可愛く問い掛けました。
「お祖母ちゃん、何でお耳が大きいの?」
「可愛いお前の声が良く聞こえる様にさ」
「お祖母ちゃん、何でお目目が大きいの?」
「可愛いお前の顔が良く見える様にさ」
「お祖母ちゃん、何でお手手が大きいの?」
「可愛いお前を抱きしめる為さ」
「お祖母ちゃん、何でお口が大きいの?」
「可愛いお前を食べる為さ」
狼は布団を撥ね除け、赤ずきんちゃんに襲い掛かりました。
赤ずきんちゃんは、ゆっくりと差し出した右手で、狼の頭を鷲掴みにして受け止めました。
「あぁん?私の声が良く聞きたいって?」
赤ずきんちゃんは、一言囁くと、狼の耳に向けて一万CCの肺活量を活かした大声を叩き込みました。
「あ○し!!」
狼の鼓膜は破れ、三半規管も破裂し、両耳から血とリンパ液の混じった液体が流れ出す。
平衡感覚を失った狼は、へたり込む。
「あぁん?私の顔が良く見たいって?」
赤ずきんちゃんは狼の眉間に頭突きをくれると、一呼吸おいて両目に指を突き立てました。
「た○ば!!」
狼の割れた額と潰された両目から血が噴き出す。
あまりの痛みに狼は、釣り上げられた魚の様に、のたうち回る。
「あぁん?私を抱きしめたいって?」
赤ずきんちゃんは狼を引き上げベアハッグを掛けました。
「ひ○ぶ!!」
狼のアバラと背骨は、まるで硝子かの様に砕け散る。
狼は、まるで綿の抜けたヌイグルミの様に、折れ曲がり、崩れ落ちる。
「あぁん?私を食べるんだって?」
狼の上顎と下顎を掴むと、赤ずきんちゃんは狼に囁きました。
「とっくに聞こえちゃいないだろうけど、冥途の土産に教えてやるよ。私がババアの家に用があるのは小遣い目当てなのに、喰っちまうとは許さねえよ。さっさとババアを返してもらうよ」
赤ずきんちゃんは狼を真っ二つに引裂く。
「うわ○ば!!」
大輪の花火の様に、真っ赤な飛沫が拡がる。
大量の返り血を浴び、頭巾は真っ赤に染まってしまいました。
世紀末覇幼女伝説「赤ずきんちゃん」始まりの物語でありました。