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沙耶、お兄さんに出会う

やっと新キャラ登場~!

長かった!!

ラル君を待つ間、近くを散策しようと思い立った私は、麦畑近くの小高い丘に行ってみた。

いつもはラル君と決まった道しか歩かないし、後はフィンちゃんの家とマリアさんのパン屋さんに行くだけだから、ちょっと歩くだけでも冒険だようなぁ…なんて思いながら私は周りの景色を楽しむ。

私の見た事ないような花々や、ちょっと高い場所から見る村の景色は新鮮だった。

そうやって、散策を楽しんでいると丘の奥に大きな大木があった。

樹齢何年だろう…と思って、大木の近くに寄ると、大木の後ろの方に人の足が見えた。

…誰かいる?

ここは村の人が良く来る所なんだろうか?

そのまま通り過ぎても良かったんだが、何となく挨拶をしようと思った。(ほら、挨拶はスムーズな人間関係を築くのに大切だしねぇ)

大木の後ろにまわり、覗き込む。

そこにはダイさんより大きいんじゃないかと思われる、赤髪で長身の男の人が木に寄りかかって眠っていた。

ダイさんより長身だが(ちゃんと立っていないので分からないが、相当大きいぞ…。190~2メートルありそう)ダイさんみたいにがっちりとした体格ではなく、かといって細いというわけでもない均整のとれた体躯にスラリと伸びた足。今は目を閉じているが、鼻筋の通った鼻や、頬のライン、少し開いている薄く形の良い唇をみれば、この人も相当整った顔立ちをしているんだろう。(この世界に来てから、美形以外見た事ないけどね!)

しかし、赤髪というのは初めて見た。

この村にいる人はほとんど全員紫髪だし、ラル君の銀髪や、街に行ったときに見る青髪は見たことあったけど…

まだまだ、色んな髪の色があるんだぁ…

この人の瞳の色、何色なんだろう?

やっぱり赤かな?それとも違う色かな?

髪の毛は、ラル君と同じくらいの長さだけど、ラル君よりくせっ毛だ。毛先がツンツンハネてる。

ラル君はサラサラヘアーだから、こうならないんだよね…羨ましい。

歳はいくつかなぁ?

30前くらいかな(まぁ、ラル君のこともあるし、見た目じゃわかんないけど…)


…村の人じゃないよねぇ?

近くの街の人とか?

でも、こんなのどかな村に何をしに?

こっちから街に行く事はあっても、街の人が村に来るなんてそうそうないと思うんだけど…?


色々考えながら、お兄さんを観察する私。

そうしていると「んっ…」と声を出し、少し動くお兄さん。

おぉ、動いた…!(当たり前だが)

そして、ゆるゆると目を開ける。その瞳は紫と…黒だった。

…左はこの村でよく見る、紫。右は黒色。…オッドアイだ。これも初めて見る…!

ん?でも、待てよ。確か黒ってこの世界では…魔力持ち!!!!

「…人の顔見て何百面相してんだ、お嬢ちゃん?」

まさかの魔力持ちの方のご登場に、色々考えていた私に、正面から聞こえる聞き覚えない声が響く。

ふっと我に返ると、お兄さんとバッチリ目が合ってる事に気づく。

…当たり前だよね!顔を観察してたんだもん!!

ジロジロ見ちゃったよ!!だって起きるなんて思わないじゃん!!

どうしようか慌てながら考えた私はとりあえず「ごめんなさい!!」と勢いよく謝った。

そこから捲くし立てる様に「決して寝込みを襲おうとかは考えてなくてですね!ちょっと赤髪めずらしいなぁとか、目の色何色なんだろう?とか思って見てただけなんです!!本当にやましい気持ちはこれっぽちもなくてですね…!」と私は必死の弁明を述べる。

そうすると「…ぶっ!!!!」と堪え様としたが、堪えられずに思わず出たような噴き出す音が…

その後お兄さんは笑いだした。いや、大笑いし始めた。

…確かに、自分でも必死だったと思う。理由も変だと思う。

でもさ

何もそこまで笑わなくてもよくないか?

だってお兄さん、笑いすぎて大木叩き始めちゃったよ!?

そんなにおかしいか?

そんなお兄さんの様子をムスッとした表情で見つめる私。

しばらくすると、お兄さんも少し落ち着いたらしく、息を整えてから私を見る。

そして、私の不服そうな顔を見て「悪いな。あんまりにもお嬢ちゃんが必死でツボに入ったわ。だから、そんな顔すんな、ごめんな?」と人好きする笑顔でにこりと笑い、私の頭を無造作にぐしゃぐしゃと撫でた。

その笑顔と、ぞんざいそうに見えて優しい手つきの大きな手に撫でられて気が抜け、「いえ…もとは私が悪いんですから」と普通に喋れた。

「いや、俺も悪かったよ。こんなところで寝てれば、誰だって気になるだろ普通。…それにしても赤毛が珍しいとはね、赤なんてどこにでもある色だろうに…。」

と、どこか楽しげに話すお兄さん。

…赤髪って一般的な色なのか…驚きだ。

目に痛そうだな…

「私、この村と近くの街にしか言った事なくて…。一般的な色なんですね。驚きです。」

と隠すのも変なので、正直に感想を言う。

「典型的な未登録の箱入りお嬢ちゃんってわけだ。まぁ、それっぽいよな~。大切に大切にされてますって雰囲気でわかる。…で、お嬢ちゃんの大切な保護者はどこにいるんだ?1人でいるって事はないだろ?」

と、お兄さんはあたりをキョロキョロと見渡し始める。

というか、やっぱりすぐ未登録とか分かるんだ。

なにか見抜くコツあるのかな?

「今はお仕事してます。それが終わったら、一緒にお昼食べるんです。」

私の言葉に、お兄さんがいきなりうなだれた。

「ど、どうしたんですか!?」

私は驚いて、お兄さんをゆする。

さっきまで、普通だったのに…!

うなだれたお兄さんはぐったりした声で「…腹減ってたの…思いだした」と呟いた。

…なんか親近感湧くわぁ~。

ようはお腹空いたけど、食べるものないから寝てたのね。

私はなんか面白くて少し笑ってから、バスケットに手を伸ばす。

そしてお兄さんに2切れ、サンドイッチを差し出した。

…ちょっとくらい減っても平気だよね?いっぱい作ったし。

お兄さんはキョトンとした顔で、差し出したサンドイッチを見つめいている。

「…これは?」と聞いてくるお兄さん。

…そうそう、みんな最初はそういう表情なんだよ。

「食べ物ですよ?今、この村で大人気なんです。私が作ったのでお口に合うか分かりませんが、良かったら食べてみてください。」と笑顔で答える私。

…大人気かは分からないが、自分発祥だ。

大きく出てみた。ダイさんとかラル君は大好きだから、間違ってはいない…はず!

さぁ、お兄さんの反応は!?

お兄さんのお名前は次話でわかる…はず!

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