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沙耶、目覚める

今までダラダラしていたのに、急にワープします。

雰囲気で読んでくださいませ!

ラル君と同居してから早いもので、3カ月近くの月日が経った。

最初の方はラル君やマリアさんが私の保護者を探してくれていたが、何の情報も得られず(当たり前だ)最近では情報収集もあまりしなくなっていた。

私としても居もしない人を探すために、みんなを奔走させるのも気が引けていたので有難かった。


目まぐるしく過ぎ去った3か月だったが、みんなに助けてもらいこの世界の生活にもだんだんと慣れてきた。

…そう慣れたのだ。

あの美形達に…!!

美人は3日で飽きるというが、飽きずに慣れた。

…人間の順応能力の高さすごいと思ったよ。


「じゃあサーシャ、行ってくるね」

「いってらっしゃい、ラル君。気をつけてね」

玄関先で送り出しの挨拶をする。

そしてラル君は当然のように腕を広げ、私も当然のようにラル君の腕の中にすっぽりと収まる。

そしてぎゅうぎゅう熱い抱擁を交わし、ラル君が私の頭を一撫でしてラル君は仕事に向かう。

これが私とラル君の朝の日課。

…どこぞの新婚カップルだよ!って思うでしょ。

私も最初にハグされた時は何事かと思ったよ!

でもね、慣れるんだよ…!

慣れってすごいね!!

とにかく、同居してからの(いや、する前から?)ラル君はスキンシップが激しい。

一緒に歩く時は決まって手を繋ぐし、何かあればすぐ頭を撫で、ハグもする。

最初は嫌がったよ、でもさあの得意の「ダメ?」攻撃をされちゃってさ…

もう放棄したよね(遠い目)

あの顔反則。好きにすればいいよ…!って思ったさ。

しかしこんな事思ってても、私がラル君の激しいスキンシップを許しているのは何もすべてヤケになった訳じゃない。(ヤケになってホイホイされるがままになれる程私は達観してない)

ラル君のスキンシップに、恋愛的意味合いを感じないから許せるのだ。

彼のスキンシップは親愛。

最初に会った時から思っていたが、ラル君の私に対する接し方は、親愛っていうか家族愛に近いと思うのだ。(…いや、行き過ぎてるとは思うよ?)

だから、私もなんだかんだと言いつつ彼の行動を許せるし、身を任せられるのだ。

例えるならば、一人っ子の男の子のところに歳の離れた妹が生まれ、その妹を溺愛する兄…。

うん、まさにそんな感じ。

ほら、お前ら恋人か?って思うほど仲の良い兄妹いるじゃん?あれだよ、あれ。

まぁ、これでお分かりかとも思うが、私もラル君が好きなのだ。

最初に見つけてくれて、一緒に住むようになって、彼の色んな面を見るようになって、彼の事が大好きになっていった。

自分が年上だからと何かとお兄さんぶるところもあるが、不意に見せるまだまだ年相応な部分も残る可愛い可愛い年下の弟に見えて仕方ない。

私も彼に対して姉としての親愛が芽生えていた。(傍から見たら、兄が大好きな妹にしか見えないだろうが…)

なので私たちは、自他共に認めるブラコンシスコンと化している。

…この世界に来た時はこんなことになるなんて思わなかったなぁ…


ラル君も出かけた事だし、「さて、やるか」と小さく呟く。

私はラル君のいない間にこの家を守るのが仕事。(…時々フィンちゃんと遊びに行ったり、マリアさんのパンを食べに行ったりするけど…)

まず、洗濯をする。この世界は洗濯機がないのでお風呂場で、黙々と手洗いをし、干す。

2人なのでそんなに量はないけど、この一連の作業が終わると達成感が生まれる。

次に、掃除。もともとラル君は無暗に部屋を散らかす人じゃないから、そんなに汚れないけど隅々までホウキと雑巾がけをする。

そうしていると、あっという間にお昼時に…

ふっふっふ…、とうとうこの時間がやってきました!

何を隠そう私水原沙耶改め、サーシャはこの世界に来て料理に目覚めました!

事の経緯はラル君と同居を始めたばかりの事。

最初はラル君に作ってもらってたんだけど、毎日毎日スープとパンばっかり。

おかしいなと思いつつ、5日は何も言わずに食べてたんだけど、6日目から…飽きたよね!

毎日毎日、具材は変われどスープスープスープ!

他の物食べたくなるじゃない!

だから、マリアさんやフィンちゃんにレシピ教えてもらいに行ったとき愕然としたよ。

この世界…食生活がスープとパンのみでまわっていたのだ…!

そんなバカな!って思ったよ!具材は豊富なのに何で全部煮るかな!?誰か気づけよ!!って思ったね…

その時、だからラル君の家に鍋しかない事に合点がいった。

使わないんじゃなくて、そもそも鍋しかないのだ。

たぶん余所のお宅も一緒なのだろう…

でもそこで大人しくしている私ではなかった。

無いのなら…


作っちゃえばいいじゃない!!

(食欲は人を無敵にするね!)


と、そんな経緯で私は、自分の食欲を満たすために食材を手に取ったのだ。


もともと、そんなに家事もしてないし、出来あいの物ばかり食べていた私だが、一応1人暮らしの女子だ。

それなりには出来る。

そんな私の食生活改造計画第1号は「ベーコンエッグ」だった。

…簡単とか言わないで!結構鍋で作るの大変だったよ!!

社会人1年目、1人暮らし生活1年目なの!!


でも、その料理が食卓に上りラル君が食べたときの顔を私は一生忘れないと思う。

キョトンと首をかしげ、ツンツンとフォークで卵をつつくラル君。

私に「これ…サーシャが作ったの?」と恐る恐る聞かれ、大きく頷く私。

私の自信満々の表情を見つつ、躊躇う様に一口食べたラル君が「美味しい!!」とまるで子供のような笑顔であっという間にお皿を空っぽにしたあの顔を。

…可愛かった!

いつもの、大人っぽくて穏やかな優しい笑顔も良いけど、子供のようにキラキラしたあの笑顔が何ていうか、庇護欲をそそるというか!

守ってあげたいっ!と思う顔だった(実際守ってもらってるのは私ですが…)

それから、ぎゅうぎゅう抱きしめられ「サーシャすごい!天才だよ!!」なんて言われたらさぁ…

もっと美味しい物食べさせたくなるじゃん?

…ということで、私の食欲を満たすためとラル君の光り輝く笑顔を守るために、私は料理の腕を磨くことになったのだ。

料理ってやり始めるとハマるもので…

食べてくれる人がいるからか、やる気が出るっていうか…美味しい物食べさせよう!って思える。

そんな感じで料理が私のライフワークのようになっていった。

「さて、今日は何を作ろうかなぁ…」と食材を見つつ1人ごちる私。

とはいえ、1人の食事って味気ないんだよね~

…マリアさんとこで一緒に作って食べようかな…?

と考えを巡らせているうちにとてもいい事を思いついた。

サンドイッチにしよう!

そして、ラル君や皆と食べよう!そうしよう!

今の時間ラル君は、麦の手入れと収穫をしてるはずだ(私達が最初にあった場所ね)


ラル君は私が1人で出かけるのを快く思っていない。(「こんなに可愛いんだから誘拐される!」と兄バカを発揮しているのだ)

なので私は基本的にラル君と一緒に買物に行く以外は家にいる(まぁ、それが私の仕事だし?…でも、たまにフィンちゃんに連れられて遊びに行ったり、マリアさんの家にお邪魔したりしてるけど。その時のラル君はすごく微妙そうな顔をしているが黙っている。…ラル君この親子に弱いからなぁ)

でもやっぱり、1人はつまらない!

この3カ月で村の人の顔見知りも増えたし、誘拐される事もないだろう!(この村のどかだしね!)

と結論づけて、テキパキとサンドイッチを作り始める。

バスケットに作ったサンドイッチと飲み物を入れ、完成!

完璧!と1人満足げに頷く私。

そして、戸締りをちゃんと確認して、この世界に来て初めて1人で外に出る。

そして、ラル君のいる麦畑に向かって走り出す。



…この一歩が新しい出会いの始まりだとその時はまだ気付かずに…

そろそろ新キャラ出る…かも!

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