陥穽
数万もの董卓軍を前にして、呉の陣営は不穏な静けさに覆われていた。
静けさといっても沈黙が覆っているわけではないし、ましてや騒がしいわけでもない。平時と変わらず、陣内では兵士らの他愛ない会話はあった。
ただそこにある空気、雰囲気、気配のような、五感では知覚しきれない感覚的な側面が甘寧にそんな錯覚をもたらしているのかもしれない――。
第三十三話 陥穽
「この局面において、敵の布陣は甚だ奇妙ではある」
薄暗い天幕の中、甘寧の前で呟いたのは周瑜だった。その苦々しい一言に、甘寧は再度机に目を落とす。
執務用の机には地図が拡げられていた。図上の手前側には自陣を示す“呉”の駒が一つ置かれている。そしてほぼ一本道の平野を挟んで、自陣の対面に置かれているのは敵軍を示す“董”の駒。それが三つ、虎牢関の手前に置かれていた。
それはつまり、敵軍が虎牢関の外――“平地に軍を配置している”ことを示していた。
「悪手にしか思えんが……」
攻める側としては喜ぶべき状況のはずだが、周瑜の呟きは煮え切らない。
“呉”と“董”、この二点間には一本道のような平地――そうはいっても軍隊が自由に動けるほどの広大な平地だが――が描かれていた。この平地を一本道たらしめているのは、平地を挟むようにして描かれた切り立った崖だ。両脇の崖は天変地異でも起きなければ利用できないとして墨で塗りつぶされている。
連合が選択した進路からでは、正面から攻め入るほか攻略の手立てがない地形だが、敵軍の布陣はそんな砦の利を捨てた野戦の布陣だった。これがどのような選択であるかは武官である甘寧にだって即座に理解できた。
見紛うことなき愚策だと。
……ところが同時に、だからこそ奇妙だということも理解していた。
「『その居る所の易なるは、利なればなり』とあるように、相手方には何らかの用意があると考えるべきでしょう」
同じように地図を眺めていた陸遜も、彼女にしては珍しく険しい表情を浮かべていた。
そう、敵軍の布陣は連合にとって極めて有利であり、まるでこちらの攻勢を誘っているようにも見て取れたのだ。罠が無ければおかしいと言い換えてもいい。
そういった周瑜らの迷いを甘寧は理解していたが、一晩と半日も足を止めている現状は兵士を率いる立場としては黙っているわけにはいかないと、呉の将軍として口を開く。
「ですが、ここで足踏みをするわけには行きません。勝利の『勢い』を失えば、兵士の士気そのものを殺しかねません」
戦において最も重要なのはなにか――そう聞かれたのなら策を立てる者は“天の時”、“地の利”、“人の和”と答えるだろう。現に周瑜がそうだ。
無論これらは大局を見据えた際には重要であるが、こと“戦う”という局面においては“兵士らの高い士気”こそが最も重要であると甘寧は考えていた。これは甘寧の視野が狭いとかそういうものではなく、少数精鋭で戦い抜いてきた彼女の“江賊時代の経験”によるところが大きい。
「うむ。加えて寒気による士気低下も気がかりだ。勝利の熱を逃すのはあまりにも大きな損失となるだろう」
「戦の長期化はこちらの敗北を意味しますからね~」陸遜は一時的に微笑みを見せたが、すぐに眉尻を下げてしまい「敵さんは臨戦態勢に入っていて、虎牢関への潜入はほぼ不可能……。どんな情報であれ、虎牢関内部のことがわかれば推理のしようもあるのですが」
二人の答えに甘寧は内心で安堵しつつ、かねてからの疑問を陸遜へ投げかけた。
「敵の狙いは、我々の足止め――戦の長期化ではないのですか?」
「でしたら、敵さんは徹底的な籠城を選択すると思いますよ。『敵がなぜ野戦を仕掛けようとするのか』――それで私たちを悩ませたとしても一時的な足止めにしかなりません。むしろ短期攻略の機会を与えることになってしまいます」
平地に布陣している敵軍は少なく見積もって五万、下手をすると十万にも達する大軍勢だ。視界が悪いせいで詳しい数ははっきりしないが、それでもほぼ全軍が虎牢関の外にいると考えられる。
仮に現状のまま野戦に突入したのなら、その場で勝利を収めるだけで虎牢関は攻略できたも同然ということになる。確かに、攻城戦を強いられるよりは短い期間と少ない労力で戦を終われるだろう。被害を考えなければ、と付け加えなければならないが……。
「ただ、敵さんの狙いが長期戦にあるというのは極めて適確な推理です。向こうは洛陽から無尽蔵に補給が届き、こちらは手元にある分だけ……。おまけにこの寒さですからね~」
陸遜のため息交じりの言葉に甘寧は頷いた。そして、だからこそ早急な攻略に臨むべきだと進言を決意したが。
「穏の言うような前提のもと、攻撃側が『可能な限り素早く戦に勝利したい』としてだ。幸運なことに、防衛側は堅牢な砦を捨てて平地に布陣している。多少迷ったとしても『千載一遇の好機を逃すわけにはいかない』と攻撃側が考えるのは当然の心理だ。防衛側にとっては一日二日程度の足止めにはなるかもしれんが、籠城戦と比較したらば雀の涙程の効果しかない。――――となれば、足止めとは違う狙いがあるとみるべきだ」
脇からの補足に甘寧は言葉をのみ込まざるを得なかった。周瑜が口にした心理状態こそ、今の甘寧にぴったりだったからだ。
幸運なことに周瑜の目は地図に向けられていたため、甘寧の様子には気づいていないようだった。甘寧はそっと動揺を胸に収める。
「しかし董卓の軍師は油断ならない。今の推理すらてんで的外れであるかもしれない。……我々は即座に攻めるべきなのか、それとも見に徹するべきなのか」
そこまで言い切ると、周瑜は天幕の入口に目を向けた。
その動作から、甘寧は天幕の外から近づいてくる気配にようやく気がついた。
「入れ」
周瑜の声に「失礼します!」と場に似つかわしくない朗らかな声が返ってきた。
入り口から寒気と共に入ってきたのは周泰だった。髪や外套は濡れたままで、彼女は小さく一礼してから丸い瞳を周瑜に向けた。
「報告します。汜水関方面からの敵影、および我が陣営付近への抜け道は確認できませんでした」
「ご苦労だった、明命。……ひとまずは待機となる。一時的なものになるだろうが、部隊の者を休ませてやれ」
「はっ」
周泰はぺこりと頭を下げてから、またすぐに天幕を出ていった。
「これで挟撃や伏兵の線はより薄くなった。……無いと考えていいかもしれん」
なるほどと甘寧は頷いた。
敵のありえない布陣と短期決戦を望むこちらの心理を利用しての挟撃は効果的であり、考えてみればあり得る戦術だった。しかし周泰とその選りすぐりの部下たちの探査網に引っかからないのであれば、周瑜の言うように“敵軍による”挟撃を気にする必要はなくなった。
「そうなると、連合内部からの裏切りでしょうか?」
敵からの攻撃でなければ“味方に扮した敵”か、または“味方の裏切り”による挟撃の可能性が浮かんでくる。が、周瑜は首を縦に振らなかった。
「仮にそのような不埒者がいたとして、その者に一体どのような利があるというのか。……我らは大義名分を掲げて戦いに臨んでいる。裏切りをしたらば、その者は勝敗に関わらず諸侯と民衆の『信』を失ってしまうぞ」
「――……敵さんは、我々が迷うことによる一日二日程度の猶予が欲しいのかもしれません」
周瑜の言葉を遮るでもなく、ぼそりと呟いたのは陸遜だった。
「強制的に従属させた諸将らの不満が、洛陽に居座る董卓さんに牙をむいたのではないでしょうか。戦線が大きく動くこの瞬間を狙って……」
「なるほど……。前線に戦力を投入して、かつ洛陽が手薄になるのであれば……あり得るな。呂布や張遼の姿がないのも、こじつけになるが一応の説明はつく――が、敵の軍師がその程度の事に手を焼くとは思えん」
「予想外の出来事というのは何にでもあります。まずはそういった前提から考えてみるのも――――」
ぴりっとした空気のまま二人が議論に埋没している脇で、甘寧は外から足音が近づいてくることに気がついた。
「終わったわよ」
うんざりした声を発して天幕に入ってきたのは孫策だ。羽織っていた外套を脱ぎ始めたが、これまた覇気のないのろのろとした動きだった。
周瑜は話しを切ると孫策に向け「結果は?」と問う。
「方針は変わらず『雄々しく華麗に前進』だってさ~。一刻後には仕掛けるみたいよ」
「……軽率すぎる。敵軍の動向については何かないのか?」
「なーんにも」と孫策は肩をすくめた。
孫策は脱いだ外套を入口付近に投げ捨てると「私たちも出るわ」と周瑜の隣りへ行き、地図の脇に置いてあった駒を摘まんで図上に加えていった。
「出る? 軍を出すということか?」
「盟主様も敵の布陣は予想外だったらしくて、総力戦ともなれば流石に兵力が足りないらしいの。そんで招集かけて軍を出せって命令よ。布陣も決まってるとかで……勝手よねー」
「馬鹿げてるな。……どうして応じたの?」
周瑜の睨むような眼つきに孫策の手が止まった。
「応じる以外に選択肢ある?」
「――……わかっているのならいいわ」
周瑜は満足げに口角を吊り上げたが、この場に居ない盟主を思ってか淀んだ溜息をついた。
甘寧はなんとなくだがこのやり取りの背景を察していた。
敵軍の規模から察するに、これから始まる虎牢関攻略戦はいわば最終決戦というのが相応しい。そこへの参加を拒否したならば、諸侯に孫策の名を貶めるきっかけを与えてしまう。そうなれば後の孫呉の勢力拡大に多大な悪影響を及ぼしてしまうだろう。
孫策は再び手を動かした。
「分厚い中央は袁家のお二人さんが引き受けてくれるみたいよ。それで私たちは馬騰と左翼、鮑信と曹操が右翼の担当になったわ」
地図上に“馬”、“袁”、“鮑”、“曹”の駒が言葉通りに並べられ、最後に各々の軍勢の背後に雲梯を示す“梯”の駒が添えられた。
全ての軍が横並びになっているこの布陣を見るに、一点突破ではなく面で制圧する作戦のようだと甘寧は判断した。
「天の御使い――劉備の勢力はどうした?」と周瑜は“劉”の駒を取り出した。
「公孫賛共々、後方の警戒に当たってくれるみたいよ。念のために、ね」
「後ろか」
周瑜の指によって、加えられた“劉”と“公”の駒。これが連合側における布陣の全貌のようだ。
「で、どうするの?」
「ふむ……」
孫策の気軽な調子に、先ほどとは打って変わって周瑜も気負うような素振りを見せずに考え込んだが、すぐに顔を上げた。
「では前線の部隊を思春に任せる」
「はっ!」
「後衛には指揮官として私が出る。部隊を率いるのは明命だ。時期を見て戦線に投入するつもりだ」
「ねぇ、私は?」
前線に名前がないと知るや、孫策は周瑜にすり寄った。
それに周瑜の表情が緩むが、気楽になったというよりは戯れてるような表情だった。
「雪蓮と穏は本陣にて待機だ。もちろん、本陣の指揮権は穏に委ねる」
「なんで私がお留守番なのよ~」
「汜水関にて雪蓮の武勇は十二分に示した。今回の戦における最低限の目的は果たしたようなものでしょう?」
「でも~つまんないわよ~」
駄々をこねる孫策はその辺の子供みたいだった。
甘寧はこの流れを知っていた。周瑜が雷を落とす前兆だ。
「雪蓮……」
周瑜の声は嵐の前の静けさを思わせた。
甘寧は心を強く保とうと身構えたが、雷は落ちなかった。
「……情けないことに敵方の意図がどこにあるのか読み切れないのよ。初戦は慎重にいきたいの。……わかってちょうだい」
周瑜は後ろめたいことがあるように目を伏せていた。その口調は孫策を諭しているようにも、自分を攻めたてているようにも思えた。
「…………そんな顔されたら出るに出れないじゃないの。わかったわ、今回はさがってあげる」
ここまで消沈されては仕方ないとでも考えたのか、孫策はあっさり引き下がると「さて」と空気を一転させた。
「他に言っておくことはある?」
孫策のこれに陸遜は「ありませんよ~」と首を横に振った。
甘寧としても特別言うことは無かったので「いえ」と首を横に振る。
「じゃあ解散~。半刻後には陣の前に整列ね」
遠足にでも出かけるような軽い号令だったが、甘寧はすぐに気分を切り替えた、まずは部隊の再編にあたらなければと、出口へと歩き始めたが「思春」と周瑜の声に呼び止められた。
「はっ」と甘寧は周瑜に向き直り直立した。
「勝利は重要だが、我々が優先すべきは兵力の温存だ。理由はわかるな」
周瑜は耳元で囁くように声を潜めていった。
その慎重な様子と言葉から、それらが“董卓との戦の後”を示してのものだと感じ取った甘寧は重く頷く。
「無論心得ております」
「前線で異変を感じたらすぐに撤退しろ。明命の部隊で援護する」
「撤退……」
甘寧は口の中で反芻する。
周瑜の命令は一軍の将として、また武人として泥を被れと言われるに等しいものだった。
敵も倒さず、仲間である諸候を残して逃走することは甘寧の武将としての名を損ない、笑いものとなってしまう危険を伴っていた。
ところが今、甘寧の胸中には俗物的な負の情動は欠片もない。むしろ天地を敬う教導者のような崇高な使命感が形成されていた。それは“この戦の後”に控える呉の大きな転換点を想えばこその昂りだった。
甘寧はそれを胸に、周瑜に最後の確認を取ろうと口を開いた。
「……敵の奇妙な布陣、何か心当たりはないのですか?」
甘寧はこれに関して、何かしらの手がかりが欲しかった。
損害を最小限にするには引き際が肝心だ。敵の策略がどこからくるのか、あるいはどんなものなのかということを知っていれば、退却の判断もすばやく的確にこなすことができると考えたからだ。
周瑜は迷うように一旦の間をおいてから、甘寧の耳元に顔を寄せてきた。そして本当に、他の誰にも聞こえないように言葉を発した。
「確証どころか、根拠もないが……。内通の可能性はあるかもしれん。そいつは、おそらく――」
周瑜は誰ともいうことなく言葉を噤み、顔を離した。おそらくすぐ近くに内通者の密偵が潜んでいることを確信していたからだろう。
そして甘寧も、周瑜のその様子から内通の可能性がある者が誰なのかを確信した。
常に呉の陣営を監視し、反意があることを知られてはいけない人物となると一人しかいない。……――袁術だ。
「私は中衛から広く戦場を探り、可能であればこまめに支持を出す。撤退の指示も含めてな。……が、基本的には思春の判断に任せる」
そこまで言うと、周瑜は机に置いてあった竹簡を手に取った。
「これに部隊の編成が記してある。すぐに取り掛かってくれ」
「はっ!」
甘寧は差し出された竹簡を受け取って重く頭を下げてから、部隊の再編に向かうべく天幕から外へ踏み出した。
「なんとなく嫌な予感がするわ。注意してね」
孫策の言葉を耳に残して――。
「相変わらず……」
嫌な空だ。部隊の再編を終えた甘寧は暗い空を見上げて呟く。
南陽に比べてこの場所の空は低い。そんな風に感じていた甘寧は空に向けて息を吹きかけた。重苦しい雲が吹き飛ぶように、と自分でも馬鹿らしく思える理由からの行為だ。もちろん雲が晴れることは無い。
この自分のとは思えない行動に、甘寧は己の中の緊張を自覚した。
「気負いすぎか」
今はもう覚えていない初陣の頃の心境に似ているのかもしれない。これでは取り返しのつかないヘマをやらかしてしまうだろうと甘寧は肺の熱を大きく吐き出す。今度のは雲を吹き飛ばそうなんて大それた目的によるものではなかった。
そうこうしているうちに目的地が目に入る。
甘寧がいる場所は陣地の端に建てられた、雨風をしのげる程度の簡素な馬小屋だ。その前には警備担当らしき兵士が直立していた。
「か、甘寧将軍!」
こちらに気がついた輜重隊隊員はあわてて礼をしてきた。どこか怯えているようにも取れる慌て方だった。
これに甘寧は「ご苦労」といつもの言葉をかける。
「馬を出せ」
「は、はっ! ただちに!」
輜重隊員は馬小屋の中にいる別の隊員に向けて「おい、将軍の馬だ! 早くお連れしろ!」と叫んだ。それが悲鳴のように聞こえたのは甘寧の気のせいだろう。
すると大した時間もかからず、甘寧を覆うように巨大な影が降ってきた。
その場しのぎの馬小屋とはいえ、天井に耳が擦るかというほどドでかい馬に、甘寧は首が痛くなるほどだった。その毛並は艶やかで、筋肉は鎧のように盛り上がり、瞳には野性的な力が宿っていた。
「……いい馬だ」
甘寧はその迫力に感じ入っていた。
「自慢の馬です! 勇気のある子ですので、多少無理しても大丈夫ですよ!」
飼育係なのか、馬を連れてきた若者ははつらつとして言った。我が子を想うような心境なのだろうと、甘寧は心が和んだ。
「あぁ、頼りにさせてもらう」
甘寧が馬の首を撫でると、そいつは荒い鼻息でもって応えた。
確かに勇敢ではありそうだ。甘寧は口元に笑みを浮かべると、その手綱をとって広い背中へと飛び乗った。
――あなたにとって、一番の望みはなんですか?
この問いに自信を持って答えられる者がどれだけいるだろうか。
心の奥から溢れ出る欲求。どれほどの苦境にあっても見失わずにいられる願望。――己の全てを懸けてでも成し遂げなければならないという執念。
迷い無き意志と共に答えられる者はどれほど少ないだろうか。
今この時点では、社――太史慈――は“それ”を言い切った二人の人物と交友を持っていた。
一人は元黄巾党員のアニキ。
もう一人は曹操のもとで戦いの日々を送る楽進。
二人は間違いなく“それ”を貫く意志を備え、そのための行動を起こしていた。社はそれらを理解し、自らもそうでありたいという願望を持ち始めた。
……では彼女――甘寧はどうだろうか。
甘寧も間違いなく“それ”を持っているし、そのための行動も既に起こしていた。
彼女は“彼女自身の願望を捧げた人物の、その望み”の為に意志を持った。それが全て、その人物の幸福に繋がると信じて行動を起こした。この芯は今も変わらない。
だが彼女の意思は、人間の意思は愚直すぎる。
人は変化する環境によって心の在り方を変えていくものだ。
雲が風によって形を変えるような、川の流れが岩を削っていくような――自然の原理に似た無意識下での変化。
本人がそれに気づくのは、その芯を揺るがす困難とでもいうべき現実に直面した時だけだ。
甘寧はこの日気づかされることになる。
己の意思と、その在り方が“自らの願望を捧げた人物の意”に叛く方向へ変化していたことを――――。
読んでくださっている方々、毎度ありがとうございます。
最近読んでくれている方が密かに増えていて嬉しく思います。今回急いで仕上げたので、私が見落としている分かりづらい箇所があるかと思います。もしそういった箇所がありましたら教えてください。すぐに直します。
次回はもうちょいとだけ早く投稿できるようにしたいと思いますので、またよろしくおねがいします。
それと遅くなりましたが、感想ありがとうございます。今日は時間が無くなってしまいましたので、後日、改めて感謝とちょっとした補足を述べさせてください。すみません…。