2012.12.27 お知らせ
薄暗く狭い室内にカタカタとタイピング音が鳴り響く 。
小さな一人用のコタツに潜り、拙い手つきでキーボー ドを叩く悪人面の男。目の前の画面には文字の羅列ーーお そらく自作の小説なのだろうーーが表示されている。 最後の文章を打ち込んだのだろう、文末に丸を打ち込 み、一際大きな動作でエンターキーを叩いた。
「ッしゃあ! 完成だァ!」
室温が低いのか、白い息を吐きながら嬉々とした表情 を浮かべるこの汚らしい男の名はじゃぎ。とある世紀末 の暴君に憧れ、現実から逃避している哀れな俗物である 。
じゃぎは最後に一通り文章の確認を済ませ、
「なんとか年末に間に合ったぜ・・・・・・」
と、流れもしない汗を拭うような動作を見せた後、かじかんだ手をコタツに突っ込んで暖をとる。
「後は投稿して年末の挨拶をして完璧だァ! ヒャッハ ー! やりゃあできるじゃねぇか!」
じゃぎの執筆スピードはさながら陸を歩く亀のように 、あるいは山を登る老人の集団のように鈍かった。勿論 そういう人や生き物が悪いわけではなく、そういう風に 出来ているのだから仕方がないのだが、じゃぎという男 はとりわけ異常だったのだ。
まだ年若く、本来なら漲る活力に満ち満ちているはず なのだが、本人は脱力系だと言い張って何もしない。何 でも「やればできる」とは言うのだがそれを実際にして いるところを誰も見たことはなかったのだ。今していた 小説の執筆では「二週間で書き上げる」と明言したにも 関わらず、実際には三週間まで延びてしまうことばかり 。そればかりか言い訳までしてしまう始末と、そのクズ っぷりを遺憾なく発揮していたのだ。
しかし今回は違ったのだ。
僅か一週間半という驚異的なスピードーー本人にして みればーーで、個人的には内容もいい出来だと思える話を書き上げたのだ。
「『今年はありがとうございました。それではよいお年 を』っと」
そして後書きには読者に向けた感謝の一文を書き加え る。
「・・・・・・ククク」
北斗の暴君の素顔に勝るとも劣らない程に顔を歪め、
「ファーハッハッハッ!! 出来たッ! 出来たぞッ。! 俺は天才だァー!」
自分の住処がおんぼろアパートだということも忘れて の高笑い。おそらくその地域一帯に聞こえただろう、じゃ ぎの高笑いは案の定隣人たちの鼓膜に伝わり、壁ドン 、床ドン、天井ドンの大合唱を生み出すこととなった。
『やかましいわ!』
『今何時だと思ってる!』
『○○○!○○○!』
ついでとばかりに四方八方から野次が飛んでくる。時刻は既に午前0時。彼らが怒るのも無理はない。
じゃぎはこれを沈黙でもってやり過ごす。自分が悪い のを認めているのか、ただ単にやり返す度胸がないだけ なのか。そこは皆さんのご想像にお任せしたい。
三分もすれば気が済んだのか、隣人たちは再び静まっ た。
「・・・・・・うるせぇ奴らだ」
まぁいい、と心を落ち着け、じゃぎは再びパソコンに 向き直り、『投稿』のボタンにカーソルをあわせて、マ ウスをクリックしようとしたーー途端。
ーーブツン。
何かが切れる音と同時にデスクトップが真っ暗に。
「・・・・・・・・・・・・は?」
突然の事態にじゃぎの貧相な頭は真っ白になる。 そして理解したと同時にーー
「はああああぁぁぁ!?」
絶叫。そして隣人たちによる壁ドラムの演奏。
だがじゃぎは隣人たちの騒音を意識から外し、パソコ ンの電源ボタンに手を伸ばす。
「点いた!」
パソコンのコンセントが外れたわけではない。停電が 起きたわけでもない。なのになぜ、とじゃぎの頭で疑問 が渦巻く。
そしてその答えはすぐにでた。
ーーOperation System Not Found
「オペレーション・・・・・・システム、が見つからな い?」
話をかなり盛り込みましたが、現在このような状況になっております。最近、調子の悪かったマイパソコンがとうとう逝ってしまいまして・・・・・・。これはスマートフォンからの投稿になります。
この機会に新しいパソコンを買おうと思っていますが、どこのメーカー、どのパソコンが良いのかわからないので、詳しい方、おすすめを教えてくれると嬉しいです。ノートパソコンを買おうと思っていて、予算は12万程です。
とにかく年始にはまた更新を再開しますので、来年から本格的に社くん(主人公)が活躍します。読みに来てくださっている皆様方、申し訳ありません。
今年は初めて小説のようなものを書くことに挑戦し、とても楽しく書かせてもらうことが出来ました。これも読んでくれている皆さんがいるから楽しくやれているのだと思っています。ありがとうございました。
それでは皆さん、良いお年を(^^)