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僕と勧誘と転校少女

昼休みが終わる前に、転入生の話をしなければ成らないだろう。


本日の朝のSHRで紹介された留学生の女の子が一人。

金髪碧眼に白い肌、柔肌?

取り敢えず美白です、シルク肌です。遠めに見ても・・・


「ん~じゃぁ~高崎、面倒見てやれ」


と、適当にバトンパスをされ彼女の世話係へと進級しました、クラスアップのレベルアップです。

コレも私の不幸だと享受します、悟ります。



自己紹介が終わり、担任が適当に2回ほど手をたたいた。

パンパンと・・・

それを合図にチョイチョイと転入生を手招きで呼んだ


「あぁ~宜しくお願いします、ユーリちゃん・・・?」


結構恐る恐る下から出てしまってますが、日本語が通じているかどうかも怪しいところなのですが・・・

彼女、"ユーリ・ロレンツェッテ"さんは首を2,3回可愛く傾げてニッコリと笑みをくれました。

可愛い、普通に可愛い。

うちのクラスにもようやく天使が・・・


あっ、でも俺には片思いな先輩が居るんだった・・・


って言うか、この娘は絶対に状況を理解できてないな。


「まいねーむいず、りょうと たかさき。ないすちゅーみーとぅゅー」


大分カタコトな気がするが、英語が苦手なのだ仕方がない。


今度はポカンとしている。

案外天然系のキャラなのだろう。

まぁ、見た目的にはオールオッケーなのだが・・・



そんな事をしている合間に入学式までの時間が残り少なくなってきていた。



10:15 体育館


一時間で入学式は終わった。


この後、一年生対象の部員勧誘が始まるので良人は邪魔にならないように(不幸に巻き込まれないように)教室へ急いだ。

案の定、教室へ帰り着くと様々なユニフォームへ身を包んだクラスメート達が荒振っていた。


「よう梅宮、お前も部員勧誘行くのか?」

「・・・ウム。」


弓道着に身を包んだ良人の友人:梅宮経慈はコクリと頷き肯定した。


「お前は、手伝わないのか・・・?お前が居れば・・・主将が喜ぶが・・・?」

「ん~別に手伝っても良いんだがなぁ~僕にメリットがないし・・・」

「主将からの好感度が2アップ・・・恋愛までのポイントが稼げる。」

「嫌々、僕は尊敬してるだけで付き合おうとか思ってないし・・・」



嫌々と顔の前で手を振る。


「だが、ロレンツェッテはヤル気十分のようだぞ。」



梅宮経慈がピッと指を向けた先には袴姿のユーリが居た。

何とも言いがたいきれいな顔立ちに、抜群のプロポーション。

あの姿で勧誘されれば誰でも首を縦に振ってしまいそうだ・・・



「ってぇ~彼女日本語喋れんのかよっ!?」

「問題ないんじゃないか・・・?」

「ドウシマシタ・・・?」

「あぁ・・・喋れるんだ・・・」

「チョコット、ハナセマスヨォ~」

「じゃぁ、朝の反応は・・・」

「ハズカシカッタデス」

「それじゃ行くぞ、ロレンツェッテ?」

「アナタハ、コナイデスカ・・・?」

「ムゥ~ン・・・袴の着方知らんし、持ってないし・・・」

「予備なら弓道場にあるぞ、それに俺が着せてやるし」

「Let's GO!!!」

「楽しそうだな、ロレンツェッテ。」

「ハァ~イ、ナニゴトもチャレンジデス!!」

「ハァ~・・・」



良人が溜息を吐き下を向くと、ロレンツェッテは両膝に手をつき上目使いで良人の顔を覗き込んだ。

無意識だろうか、胸を強調するように両腕で軽く押し上げている。

完璧にアウトだろ、ア・ウ・ト!!


「ドウシマシタ、リョウト?」

「あぁ・・・嫌何でもない!」


(危ない、不覚にも見惚れてしまった・・・)


「ロレンツェッテさんは、どうして弓道部の手伝いを・・・?」

「ナマエデ、ヨンデクダサイ」

「じゃぁ、ユーリさんはどうして弓道部の手伝いを・・・?」

「イヌヅカサンガ、サソッテクレマシタ」

「犬塚先輩が・・・?」

「入学式の後、主将がたまたま通りかかった時にロレンツェッテに興味を出してな。」

「あの人の何でも好きになる性格は治して貰いたいな・・・」

「まぁ、アレはアレで良い人なんだが・・・」


そんな余談をしていると目的の場所まで着ていた。


「ロレンツェッテはココで待っててくれ。」

「リョーカイデース」



五分ほどで帯び紐を結んでしまい着替えが終わった。

そして、一本の弓を渡される。


「袴着せんのも手慣れたもんだな。」

「五年目だからな、コレを持て。」


弓を持ち弓道場をでる。


「お待たせ、ユーリさん」

「レディーヲマタセルノハ、カンシンシマセンヨ」

「すまないな、後でコイツがジュース奢るってさ。」

「何で僕だよ!」

「ワタシハ、フィンタヲノンデミタイデェース」

「俺はアクエリな。」

「何でお前が便乗してんだよ!」

「袴の着替え方教えただろ。」

「まったく解らんかったがな!」

「解れ。」

「理不尽だ・・・」



10:30 1学年廊下


10名前後の部員が集まった中、素人が3人も混ざる。

と言うよりは主将からの半分御指名状態ではあるが・・・


「イヤァ~まっさか良君まで来てくれるなんてねぇ~」

「俺が連れてきました。」

「よし、梅ちゃんは次の大会レギュラーね♪」

「ウッス!」


「君も大変だねぇ~」


そういって声を掛けてくれたのは僕の想い人。

学園一のアイドル:柴はるか先輩。

スタイル抜群、人当たり良し、成績上の中、少し抜けてる所が逆に良い!

男子にはあまり興味はない様子。

僕は話し掛けてくれてるだけ良い方だろう。

犬塚先輩のオカゲとも言えるが・・・



「柴先輩はどうして部員勧誘の参加に・・・?」

「ん~美沙がどうしてもって言うから仕方なく・・・」


本名:犬塚美沙。

彼女は僕の最も尊敬する人で、弓道部主将。

どんな時でも集中力が切れる事無く、今のとこ県内トップクラスの実力者である。

だが、一度ノーマルモードになれば可愛いモノに飛び付く変わり者とも言えるだろう。

そんなギャップがあり男女ともに人気なようだな・・・


「で、そっちの娘は君の彼女?隅に置けないねぇ~」

「違いますよ。彼女は犬塚先輩が巻き込んだ転校生です。」

「ふぅ~ん・・・可愛い子だよねぇ。」

「ユーリ・ロレンツェッテ、デス。」

「Wao!!君、日本語喋れるんだ!!アタシは柴はるかだよ」

「オォ~ハルカァ~ヨロシクデス」


握手しブンブンと上下に振る。

案外この二人は相性が良いのかも知れない。



「んじゃ、張り切って部員勧誘始めるよぉ~!!」

「「「おぉおおおおおおっ!!!!!」」」

「はるか、良君、ユーリちゃんお手伝い宜しくぅ~」

「「「はい!(ハイ!)」」」



そんなこんなで軽い詐欺的勧誘が始まってしまった・・・

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