第10話【間幕】薬師の日記より
第6話のあったその日の話です。
青玉の月二十八日
今も、胸がずっと落ち着かない。
嬉しくて、苦しくて、泣きそうで。
こんな気持ちになる日が来るなんて、思ってなかった。
ビッ君に名前を呼ばれた時、心臓が跳ねて、息が止まりそうだった。
それくらい、あの言葉は……夢みたいで。嬉しくて。
でも、そのあとすぐに胸がぎゅっと痛くなった。
どうして、って何度も思った。
あの約束のことを思い出して、涙が止まらなかった。
レオナードさんの笑い声が聞こえた時、
張りつめていたものがふっとほどけた。
リリーさんの言葉が胸に沁みて、
クララちゃんの顔を見たら、また泣きそうになった。
みんなに見られてたのは恥ずかしかったけど……
みんながいてくれて本当に良かった。
あのまま言い合いが続いてたら、今こんな日記は書けてないはず。
最後に手をつないだ時、世界が少しだけ明るくなった。
あの温かさを、私は忘れない。
ゆっくりでいい。
ビッ君と一緒に歩いていきたい。いつまでも。
……ビッ君。
私は、あなたが好きです。
ミーナサイドの一幕もこれで終わり。
ここまで読んでいただき、心より感謝申し上げます。
二人の温かく、明るい未来に乾杯!
☆や感想を頂けましたら、これ幸い。
これにて本作は完結と相成りまする。
連載中の「迷宮実話 -命の対価は恥で払え-」も、引き続きご贔屓に。




