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第3話「初めての揺れ」

機体が高度を安定させ、外の景色は淡い蒼のグラデーションに染まっていた。静かな空気が支配する機内。しかし、その静寂は、ほんのわずかの揺れによって破られた。


最初の衝撃は小さく、ほとんど誰も気づかない程度だった。

だが、悠翔は瞬時に体の感覚を研ぎ澄ませる。座席の振動、機体の微妙な傾き、計器の針のわずかな動き——

すべてが彼の警戒心を呼び覚ます。


天音もすぐに気づき、手を悠翔の腕にそっと添えた。

「揺れ……少し大きくなってますね」

彼女の声に、幼い兄弟が母親の腕にしがみつく。小さな呼吸が荒くなるのがわかる。


悠翔は息を整えながら、心の中で状況を整理する。

「これはただの乱気流か……いや、何か違う」

彼の過去の経験が、身体の隅々に警告を送る。心拍が自然に速くなる。


その瞬間、機内のモニターが一瞬だけ赤く点滅した。

乗務員が慌てずに状況確認をするが、乗客には緊張が伝わる。

天音は小声で悠翔に囁く。

「落ち着いて……大丈夫、私たちがいる」


振動は次第に強くなり、手すりや座席を握る手に力が入る。

窓の外には、薄明かりの中で空気の流れが揺れるように見えた。

揺れとともに、機内全体の心理が微妙に変化し始める。小さな不安、恐怖、そして互いを思いやる感情が交錯する。


悠翔は決意を固める。

「これ以上、誰も不安にさせるわけにはいかない……」

彼は無意識に周囲を見回し、サブキャラクターたちの反応を瞬時に把握する。

誰が動揺しているのか、誰が冷静で、誰が助けを必要としているのか——。


揺れは一瞬止まったように感じたが、誰も安堵することはできなかった。

その静寂の後に、さらなる異変の兆しが潜んでいることを、誰もまだ知らない。

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