表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/22

第2話「微かな異変」

離陸から数分。機体はゆるやかに高度を上げ、窓の外には夜明け前の蒼い空が広がっていた。


悠翔は席で腕を組みながら、計器の小さな揺れを再び確認する。わずかに異常を示す表示に、直感がざわついた。

「これは……」

心の中で独り言が漏れる。過去の記憶がフラッシュバックし、彼の呼吸は少し速くなる。


天音は、何も知らずに隣で書類を整理していたが、ふと手を止めて悠翔を見つめる。

「大丈夫ですか?」

悠翔は微笑みながら首を振る。

「少し気になるだけだ。問題ない」


だが、幼い兄弟が窓の外の光に驚き、母親にしがみつく。

「ママ、光が動いたよ……」

その声に、機内の空気が一瞬だけ揺れる。


地上管制との無線が、微かな途切れを見せる。

「こちら管制塔、確認を……」

言葉の切れ間に、わずかなノイズが混じる。悠翔は耳をそばだてる。


ふと、機内の照明が一瞬だけ点滅した。

誰も口には出さないが、微かな違和感が全員の意識を揺らす。

天音はそっと悠翔の手を握り、微笑む。

「こういう時は……深呼吸しましょう」


悠翔はゆっくり息を吸い、吐く。振動と光、微かな音のすべてを感じながら、心を落ち着ける。

しかし、胸の奥では、まだ小さな不安の波が静かに広がっていた。


わずかな異変。それは、この空の旅がただのフライトではないことを、まだ誰も知らないままに告げていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ