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第19話「繋がる絆」

瞬間の選択が過ぎ、機内には静寂が戻った。

しかしその静けさは、恐怖の余韻と心理の波をまだ残していた。


悠翔は座席に腰を下ろし、周囲を観察する。

幼い兄弟は母親の腕にすっかり顔を埋め、震えを抑えようとしている。

老人カップルは手を握り直し、互いの存在に安心を見出す。

乗務員の佐伯も、微かな安堵を胸に、次の行動を考える。


天音は悠翔の手を握り、微笑む。

「悠翔さん……皆、少しずつ落ち着いてきました」

その温もりが、心理の中心に小さな安定を作り出す。

瞬間の勇気と信頼が、心理の揺れを沈め、機内全体に絆の波紋を広げる。


悠翔は深呼吸し、心の中で誓う。

「この絆を守るために、最後まで目を離さない」

光の揺れや計器の微細な異常、遠くの囁き——

すべての伏線が、ここで一瞬にして整理される。


心理の揺れはまだ残るが、小さな勇気と信頼が連鎖し、次第に安定へ向かう。

天音と悠翔の手の温もり、母親と子供の絆、乗務員の冷静な対応——

それらが、機内に一体感をもたらし、緊迫感の波を少しずつ鎮める。


窓の外には再び光が揺れるが、もはや恐怖ではない。

それは、乗客と乗務員、そして悠翔と天音が共に繋いだ信頼と勇気の証のように見えた。


秒単位で交錯した心理の連鎖は、今、静かな安堵の中で一つに収束する。

そして、空の上で生まれた小さな勇気の絆が、これからの未来を支える礎となる——。


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