表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/22

第13話「揺れ動く思惑」

空は淡い朝焼けに染まり始め、窓の外には静かな蒼のグラデーションが広がっていた。

だが、機内の空気は静かではなかった。悠翔の視線は計器に、そして周囲に常に巡らされている。


微かに揺れる機体、わずかに異なる光の反射、聞こえないかすかな囁き——

秒単位で揺れる心理を読み取りながら、悠翔は瞬時に状況を分析する。


天音は隣で、悠翔の視線を追いながらも乗客の様子を観察している。

「悠翔さん……あの方、少し動揺しています」

彼女の指先が微かに震えた。その動作すら、心理の波として悠翔に伝わる。


幼い兄弟は母親の腕にしがみつきながら、緊張で顔をこわばらせる。

老人カップルも互いの手を握り直し、呼吸を整える。

全員の心理が、微細に揺れ動き、互いに影響し合う——

その交錯する思惑は、まるで空間に見えない波紋を広げるかのようだった。


佐伯(乗務員)は通路を慎重に歩き、乗客に目配せをする。

静かだが確実に影響を与える小さな行動。

心理の連鎖を理解する悠翔は、微細な動作から全体の流れを把握する。


悠翔は天音の手をそっと握り、深呼吸する。

「今、誰かを守るためには、迷ってはいけない」

天音の微笑みが、揺れる心理の中心で小さな安定を作り出す。


窓の外には、わずかに光が揺れる。

それは偶然かもしれない。だが、悠翔の直感は告げる。

「この揺れ動く思惑の中に、次の局面の鍵が隠されている」


秒単位で交錯する心理と小さな勇気の連鎖——

空の上の物語は、まだ静かに見えるが、その裏では次なる緊迫の波が押し寄せていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ