第95話 影響
バーストは自分の腕が元に戻って驚いていたが突然笑い出した。
「どうしたのバースト……」
「ごめんなさい……昔の事を思い出して。私ってツバキ様の事を馬鹿な姉だって笑っていたけど……私の姉は凄い人だったんだって……私は本当に馬鹿だなって……」
「……間違ってはいないわ。あの家が私には合ってなかったのよ。そしてバースト……貴女も今は努力してるじゃない。人を守れるって凄い事だと思うわ……でもね、貴女が傷付いても良い訳ではないわ。自分も大切にして」
「ありがとうございます」
「こちらこそありがとう。怖かったでしょう?自分を犠牲にしても人を守ろうとする勇気は素直に凄いと思うわ。でもね今日から1週間は休む事。本読む以外の勉強も禁止」
「何故ですか?」
「私を心配させるからよ……貴女の怪我は重傷だったのよ。偶然治療が間に合っただけだから、ゆっくり休む事!これは命令です」
「分かりました」
私はバーストを家に送りマインと会話した。
「他人を守るためだったとはいえお子さんに怪我をさせてしまい申し訳ございません」
「貴族が簡単に頭を下げないで……と言うよりも私達は良いのです」
「いや良くは無いです。危険なのを分かっていて同行に許可した私のミスです」
「私達は貴女を……その、殺そうとしたのよ。私たちの命の価値なんて……」
「それはもう済んだことです!すべて許すとは言いませんが私は縁を切り終了しました」
「貴女の考え方は良いと思うけど、貴族としては甘いわ。こんな近くに私達を置いて……また殺されるとは思わないの?」
「する理由も無いと思うし……失礼ですが貴女達には私は殺せない。でも頑張って生きようとしている……そんな人を見殺しにできますか?」
「……ごめんなさい。全て私の弱さだわ」
「でもそれが有ったから私は此処に居る……良いか悪いかは別として」
「私にはできない事だわ」
「私だってもう一度同じことをしろと言われても無理よ。人生なんて一度限りで一度やった事は消せないのよね……って暗い話をしても仕方ないか。バーストが無理に働かないかだけ監視しておいて。それともし体調が悪化したら私を呼ぶこと。これは命令です」
「分かりました」
「これは命令だから日当は先に払っておくね」
「こんなに受け取れません」
「慰謝料込みよ」
「……ありがとうございます」
話も終わったので私は拠点に戻ったのだが……
「サザンカ何をしているの?」
「魔法の練習」
「何で?」
「負けたくないから」
「負ける?」
「私の妹弟子に負けたくない」
「で今何してるの?」
「傷が綺麗に治るように練習」
「その枝で?」
「そう。植物にも治療できるみたい」
「どうやって知ったの?」
「色々練習しようと思って偶然切ってしまった木を……」
「そう。そうやって新しい事を発見できるのも楽しいね」
「楽しい……そうか、お姉様は楽しんでいるのね」
「そうね。楽しまないと勿体ないじゃない?」
「確かに。なんか上手くなることだけ考えてた……」
「そうよ。試合じゃないのよ」
「分かったありがとう」
数日後再びバーストの所に行った。
「バースト、体調はどう?」
「もう大丈夫……でも言われた通り休んでるよ」
「そう、良かった。……そろそろ領地の管理助けてくれる?」
「え?いいの?」
「良いから言ってるの」
「よろしくお願いします!」
「では来週からお願いね。今週は休んで体力回復して」
「わかりました」
翌週からバーストはアナベルの助手として働いてもらう事になった。
「ねえサザンカ……もう私達がいなくてもここ大丈夫そうね……」
「そうですね。かなり落ち着きましたね」
「そろそろまた冒険したくない?」
「いいね。散田国とか行ってみたい」
とそんな会話をしていたらアベリアが城から連絡が入ったと言って来た
「アベリア要件は?」
「城まで来て欲しいそうです」
「そう、今から行くわ」
「そう返事しておきます」
「では行って……って先に着替えてから行くわ」
私は着替えてから急いで城へ転移すると王はすでに待っていた。
「お待たせいたしました」
「いや急いで呼び出して済まない……これは命令では無いのだが、散田国へ行ってくれないか?」
「散田国ですか?」
「そうだ。魔獣が出て死傷者も多く出ているらしい」
「であれば治療できる人間も多い方がいいですね」
「そうだな。でも貴殿と妹以外に居るのか?」
「バーストが居ます」
「回復魔法を使えるのか?」
「はい」
「貴殿の周辺には何故?……それはいい。では共に行ってくれるか?」
「私とサザンカは大丈夫ですが、バーストの場合国外に出られるのですか?」
「貴殿が大丈夫だと思うなら許可を出す」
「分かりました本人とも相談します」
「頼む。準備が出来たらいつでも国境に転移してくれ。許可証は渡しておく」
「分かりました。では今から戻って準備します」
私は許可証を貰うとすぐに子鹿の拠点に戻りサザンカとバーストを呼び出した。
「今から散田国に行かない?」
「何か有ったの?」
「今散田国で魔獣が出ているらしいの」
「それは大変!直ぐに行かないと」
「あの私はなぜ呼ばれたのでしょうか?」
「バースト……怪我人が多数出てるのらしいけど、助けに行かない?」
「でも私が……行っても良いの?」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




