第79話 20階へ
手榴弾が現役の兵士が見ても使える武器に見えたのは嬉しかったのだが……。
「魔石で簡単に作れるけど、大きな欠点が有るの……これ私以外多分使えない」
「どういう事ですか?」
「まず安全装置が無いから、大き目の振動を与えたら爆発する。同じく投げるのに失敗して近くに投げたら自分も怪我するのよ……。私は転移とか収納使えるからそんなに危なくないけど」
「そうですか……何か対策を考えないと使えませんね」
「一応対策は考えてるの。何か反応しないように魔石の間に物を詰めて使う時にそれを抜く方法と、衝撃後数秒の猶予が有ったら良いかな」
「数秒の猶予?」
「手前に落としても投げなおしたり、逃げる時間を稼ぐ為よ」
「そういう事ですか……難しそうですね」
「そう簡単に新しい武器なんて出来ないのが普通だと思うよ」
「つくった人が言いますか?」
「これは私専用だから」
「でも威力があり危険でも使ってみたいですね」
「まだ試験的に使用してるだけだし、仲間がかたまってる所で炸裂したら大損害なので……」
「出来上がるのを楽しみにしてます」
彼はなんか楽しそうだった。その後10階まで戻り皆に言った
「今から私とサザンカはもっと下の階に行って敵を倒してくる。そこで、この階の魔獣の出現数が変わったかあとで教えて欲しい」
「分かりました」
私とサザンカは29階につくった基地を目指して最速で向かった。
「サザンカ。近くに居ない敵は無視して進むよ」
「お姉様についていきます」
途中敵が多かったが最小限の戦闘で下って行った。
「29階に着いたね……」
「お姉様、疲れた……」
「基地でお茶の準備しておいて。私は手榴弾でこの辺りの敵を吹き飛ばすわ」
「私はお茶の準備して待っるね」
私は手榴弾を使い敵を倒し、魔石を拾いまたそれで手榴弾を使い……を繰り返した。
かなりの数を倒して戻った時に怒られた。
「お姉様……お茶冷めた」
「ごめんね、なんかいつやめたら良いかが分からなくて」
「頑張っているのは知ってるよ……でも休むのも必要!」
「はい」
その後はゆっくり休み、また戦った。数日間休んだり攻撃したりを繰り返し一旦戻ろうと上に上がり始めたら、途中の階の敵の数が明らかに減っていた。
「サザンカ、これは実験成功かな?」
「そうみたい。かなり敵が少ない」
「皆どうしてるかな?」
「戦ってるのでは?」
「多分敵が減ってるから、下に降りたくなってないかな?」
「それはそうかも」
「急ごうか」
10階に戻って、皆と合流した。
「敵の数が減ったみたいね」
「はい。ツバキ様が降りた翌日位から減り始めて今出は殆ど出ません」
「少し待っててくれる?拠点に転移してみるわ」
「わかりました」
私は拠点に転移してアベリアと会った。
「何か連絡は有る?」
「特には有りません。ダンジョンはどうですか?」
「今いい感じで進んでる。実験も成功したし」
「実験?」
「下の階で沢山魔獣を倒すと、上の階はダンジョンの魔力が弱まって転移とか使えるようになるの」
「そうなんですか?」
「今の所はそうなってる」
「で、今日は何故戻られたのですか?」
「飲み物を買いにね」
「まだ昼間ですよ」
「今日無事に進めたらお祝いでもしようかと思っただけ」
「そうですか。……無事に帰ってきてくださいね」
「そうね。前みたいに手を食われないよう頑張るわ」
飲み物を買って私はダンジョン10階に戻った。
「結構時間かかりましたね」
「今日は下に進むわ。で、20階まで行けたらお祝いよ。飲み過ぎないようにね」
皆の士気が上がった。その後15階位までは魔法が使えるようになった事が分かった。
特に抵抗も無く20階まで到着した。
「ここで3班に分かれてお祝いよ。肉も飲み物も用意してあるわ」
皆楽しそうでよかったと思っていたらマートルが近付いて来た
「ツバキ様は兵の心を掴むのが上手ですね」
「そう?自分がしたい事をしているだけよ」
「でも独占せずに皆にも与えている」
「一緒に戦うのに変な壁作らない方が良いでしょ?」
「そうですね。私も思っていた以上に楽に動けていますし、助かってます」
「そう、それならよかったわ」
「あの……質問よろしいですか?」
「どうしたの?聞きにくい事?」
「はい。あの……王子の誰かと婚約されるというのは本当でしょうか?」
「……何それ?まあ結婚して欲しいとは国王から言われたけど……」
「そうなのですね。では今後結婚する率が高いと?」
「低いわ。私色々有って成長してないのよ……」
「失礼ながら確かに少し細すぎますね」
「太くなりすぎると戦いに不利になるからね。……で、先程から何が聞きたいの?」
「軍の数を増やされるのなら入隊したいという者が多数おりまして」
「で、どうして結婚の話に?」
「結婚されて子供などが生まれたら子爵の指揮で戦えなくなると心配しており……」
「そうね……多分5年位はそんな予定無いわ」
「こういう場合喜んだ方が良いのか……」
「貴方も私の軍に入りたいの?」
「当然です。私は現状最強なツバキ様と戦いたく思います」
「ごめんね……私って戦い好きでは無いのよ。でも一緒に戦ってくれるなら嬉しいわ」
お互いに複雑な気分だったと思う。
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




