第70話 強敵
一応元妹が来ることを想定して準備していた。
その準備が終わって数日怪しい集団が接近してるとの知らせが入った。
私はすぐに隣の領地との境まで来た。
「あれね……怪しい集団って」
「我々にはまだ見えませんが、どこに?」
「気配だけなので姿は見えないけど……数分で見えると思うわ」
「では今から戦闘準備を始めます」
「要らないとは思うけど……準備はしておいて」
そんな話をしている間にも謎の集団が近付いて来る……
私は魔法で声を大きくして警告した
「そこの集団、攻撃の意思がないなら停止せよ」
停まる様子はない……どうしようかな?
「とりあえず私が行くわ」
「後方にお下がりください。領主様自ら行く必要ありません」
「多分あれ、認めたくないけど血縁者なのよ……」
「……大変ですね」
「そうね。ありがとう、行ってくるわ」
私は一人で向かって言った。多分相手は30人ほどか……
「停まらないなら攻撃するって聞こえないの?」
「こちらはそこの領地の領主となられる方だ。お前みたいな子供が何の用だ?」
「私が領主だが?」
「面白い冗談だな……領主を名乗るのは罪だぞ。仕方ないから俺が捕まえて奴隷として売ってやる」
「敵対したいのね。分かったわ……攻撃してこないの?」
「子供でも容赦はしないぞ」
10人ほどの男たちがこちらに剣や槍を向けて来た。
「これは正当防衛かな?」
火の魔法で全員の右腕を焼き切った。
「出血を抑えるために焼いておいたわ」
「ば、化け物……」
「もうこれで終わり?攻撃してきた以上私も攻撃するわ」
「待て馬鹿姉!」
「?何、自称天才?」
「私が天才?よくわかってるわね。お前の妹様よ」
「で何?自称天災のバースト、私を攻撃したのだから攻撃されたいのでしょ?大丈夫、殺しはしないわ」
「なんか言い方変わってない?まあいい。早くこの領地で私を受け入れなさい」
「いやです。以上」
「なんで?お前の物は私の物だと教わって来たわ……良いから譲りなさい」
「というかあなたは不法入国してるでしょ?国境に戻してあげようか?」
「私の話を聞け!ここの領地を私に譲れと言ってるの!」
「無理だ」
「何が無理よ、お前に統治できるなら私なら余裕だ」
「この先には魔獣も多いわ」
「魔獣が何よ。動物でしょ?」
「私一人相手でも勝てないのに魔獣に勝てると思ってるの?」
「あの馬鹿に私達の恐ろしさを教えなさい。勝ったらあの女を好きにしていいから」
20人ほどの男たちは「わかった」と答えたが、先程腕を焼かれた10人ほどは消極的だ。
「で、私相手にそれだけで勝てると思ってるんだ?魔獣はもっと強いよ」
「女一人でこの数に勝てると思っているのか……こちらには弓の居るのだぞ!」
私は転移して弓を構えてる数人の手を焼いておいた。その後残りの人達の両手も焼いた……
「で、私相手に勝てるって?」
「……」
「何?それが魔法なの?卑怯よ。その魔法私に譲りなさい」
「……なんか反論するのも面倒だけど、どうやって譲るの?」
「お前だけ狡い、どうでもいいから譲れ」
「話が通じないのだが……と言うか30人ほどで女の子一人に向かって来て卑怯とか……」
「その力が有ればこの国を手に入れる事も出来そうね……私の手足として働く栄誉を……」
「もういいよ。引く気はないのね分かったわ」
私は歩いてバーストに近付き縄で縛った。暴れたが力が弱いので簡単だった。
色々うるさかったので軽く口を押えたら息が出来なくなったみたいで黙った。
他30人は抵抗しなかったので胴体を縄で縛った。
私は領軍に近付き言った
「ちょっと王城に寄ってから国境に行ってくるから報告しておいてもらえる?」
「分かりました!」
何故か彼らも緊張していた……
私は王城に転移した。今回は人数も多いから城の前に行った。
入り口で連れてきた人たちを預かってもらい王に面会した。
「なんか賊が侵入しようとしてたって?」
「そうですね。元妹含む30人ほどです」
「で、そのものはどうしてる?」
「対処が分からないので手を焼いたりして捕まえてます」
「手を焼く?」
「武器が持てないように焼きました」
「……別にその場で処分しても良かったのに」
「何の罪で?」
「貴族に刃向かったのだ。それだけで十分罪だ」
「あ、そうですね」
「でも今連れてるなら余罪を調べる」
「お願いします。もしやり過ぎてたら治療します」
「だから処刑でもいい位で……って腕切られた奴も治療できるの?」
「できますが?」
「そうか。……凄いな」
「では元妹はどうしましょう?」
「どうしたい、出来ればもう会いたくないのか?」
「そうですね。だからと言って命を奪うとかは違うと思います。出来れば教育を施せば少しは……」
「そうか。城で預かって教育するか?」
「でも多分不法入国ですよね」
「こちらの国で裁いても文句は言わせない。と言うより国に戻らせたら貴殿に対する人質と考えるかもしれないぞ」
「その方が良いかもしれませんね。予算が無駄な人質」
「そうなってもいいのか?」
「正直あの煩いのを教育する手間が無駄に思えて……国に利が無いかと」
「それはそうだな……国に戻って投獄してもらった方が楽か……もう二度と迷惑かけるなと手紙を書いておく。国境に一緒に渡してもらえるか」
「お手数をお掛けします」




